菊といえば普通はピンクや黄色、赤い花が咲くもの。そこに、真っ青な菊が登場しました。日本の科学者たちが咲かせたもので、英王立園芸協会の色に関する厳しい審査でも、しっかり「青」と認められました。この青い菊の技術が、バラなど他の花にも応用されればと、科学者たちは期待しています。

"青い"花をつくるのは難しい

地球上に40万種もある花が咲く植物のうち、天然で青い花が咲くものは10%もありません。園芸家や科学者たちは青い花を生み出そうと、品種改良や遺伝子組み換え(GM)を試みてきましたが、これまでは成功しませんでした。

今回、数年をかけて青い菊を咲かせることに成功したのは、農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)の研究チーム。天然で青い花をつけるカンパニュラ(フウリンソウ)とチョウマメという植物の遺伝子を加えて青い菊を咲かせたことが、米科学誌『サイエンス・アドバンシーズ』に発表されました。

このカンパニュラやチョウマメは、オレンジや赤、紫などに変化するアントシアニンの一種、デルフィニジンという天然色素を作っています。クランベリーやブドウ、ザクロなどにも含まれる色素です。この色素の特徴は、周囲の環境の酸性度(PH)によって化学変化しやすいこと。それが花の色の変化に現れます。

実は自然に青い花にも、青い色素があるわけではありません。花が青くなるのはPH値によって、赤い色素が変化した結果なのです。土の酸性度が高いとアジサイの花が青くなることはよく知られています。

青い花は広く好まれています。ただし遺伝子組み換えに関する規制は世界的に厳しく、特に植物は、他の植物や虫への影響が考えられることから各国とも栽培に慎重です。フラワーショップの店先で青い菊がみられるのは、もう少し先になりそうです。

© 2017 The New York Times News Service

[原文:Scientists Give a Chrysanthemum the Blues / 執筆:Joanna Klein]

(抄訳:Tomoko.A)