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ランニングは腰に悪くない。ベストは早歩きとジョギングの中間 [The New York Times]

The New York Times

ランニングは腰に悪くない。ベストは早歩きとジョギングの中間 [The New York Times]

「ランニングは背骨に負荷をかけ過ぎるのでよくない」とはよく聞きますが、逆に日ごろから走っている人のほうが椎間板の状態がよいという研究結果が今年発表されました。

身体の動きと椎間板の関係をはじめてくわしく調べた研究で、実際にはエクササイズをしない人よりも、キビキビと歩いたり走ったりしている人のほうが椎間板が健康的という結果が出たものです。

人間の背骨(脊柱)の構造は複雑で、椎骨という骨が連なり、それぞれの骨の間に椎間板というクッションがあります。この椎間板の中にはゼリー状の液体が入っていて、背中が動くたびにかかる力や衝撃を吸収し、緩和しています。一方、加齢や病気、けがなどで椎間板が劣化したり飛びだしたりすると、腰痛や衰弱の原因になります。

この椎間板、つい最近までは、筋肉や骨と違って鍛えれば鍛えただけ強くなることはないと考えられていました。それどころかランニングなどによる衝撃は、かえって椎間板を傷つけてしまうという考えが主流でした。

ところがオーストラリアのディーキン大学などのチームが4月、英オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表した研究では意外な結果が出たのです。

走っている人の方が椎間板の状態がよい

調査に参加した男女79人のうち3分の2は、ランニングを過去5年以上続けている人たちでした。このうち週に約50キロ以上走ると答えた人は「長距離グループ」に、約20~40キロ走る人は「通常の距離グループ」に、残りの人はほとんどエクササイズをしないグループに分けられました。

そして高精度のMRIで全員の椎間板を検査したところ、明らかな違いがみられました。走っている人の椎間板はエクササイズをしない人たちの椎間板よりも大きく、中に含まれているゼリー状の液体の量も多かったのです。

研究を率いた同大のダニエル・ブラヴィー教授は、走っている人のほうが椎間板の健康状態が良いという結果だと述べています。

ただし走っている距離による違いはほとんどなく、「長距離グループ」と「通常の距離グループ」の人たちの椎間板の状態はほぼ同じでした。これは長く走った分だけ椎間板が強くなるわけではないが、たくさん走ったからといって椎間板を傷つけることもないということです。

椎間板のために理想的な運動量は?

では、椎間板のために理想的な運動量はどのくらいなのでしょう? 研究チームは参加者に付けてもらった加速度計(アクセレロメーター)で加速力のデータを調べました。加速力とは動こうとするときに身体にかかる力です。すると、椎間板の健康を最も促進する加速力の値がかなりピンポイントでつかめました。

同じ加速力がかかる運動ならば、ランニングでなくても良いのではないか? さらに今度は10人にランニングマシンに乗ってもらったところ、走るのではなく時速6.4キロほどのジョギングか早歩きでも、椎間板の健康に良いとされる力が身体に加わっていました

面白いことに、立っているだけとかのんびり歩くのでは身体に加わる力がこのちょうど良い範囲に入らず、また時速8.8キロを超えてしまうランニングも速すぎでした。つまり椎間板の健康にちょうど良い力が加わるのは、早歩きと軽いジョギングの間くらいの運動だということでした。

ブラヴィー教授は、腰のためには「ランニングはしてもいいが、ランニングをしなければならないわけではなく、早歩きでも十分」だと言っています。

ただし、この研究はもともと走っていた人を中心とした1回限りのもので、エクササイズの効果を知るためにはさらに研究が必要だと言います。とにかく「椎間板が動くのが好き」で、散歩の価値はあるというのが研究チームの結論です。

©2017 The New York Times[原文:Why Running May Be Good for Your Back/執筆:Gretchen Reynolds](翻訳:Tomoko.A)

photo by Shutterstock

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