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「ドリーマーのために闘う」DACA撤廃にザッカーバーグらが抗議

「ドリーマーのために闘う」DACA撤廃にザッカーバーグらが抗議

トランプ大統領が、不法移民の子どもたちを保護する制度であるDACAの撤廃を発表したことで、またもや政財界から厳しい批判にさらされています。

このDACAとは、オバマ前政権が2012年に導入した制度で、不法移民の親に連れられて幼少期に米国にやってきた若い人びとに滞在許可を与えて、強制送還を猶予するというもの。このような人びとは「ドリーマー」と呼ばれ、80万人以上いると言われています。

たとえ親が不法入国であっても、子どもたちには何の罪もありません。米国人として育ち、教育を受け、英語を話し、その文化に馴染んできた若い世代にとってあまりにも酷い仕打ちに、オバマ前大統領やマーク・ザッカーバーグ、ビル・ゲイツらがSNS上で抗議の声明を発表しました。

アメリカ合衆国の精神を体現するドリーマー

アップル社のティム・クックCEOは、ツイッター上でDACA撤廃に抗議するとともに、ドリーマーたちのために闘うと宣言しました。

「ドリーマーたちは、あなたたちや私と同じくらい、米国内の企業や地域社会に貢献しています。アップルは、ドリーマーたちが平等に扱われるよう、彼らのために闘います」と明言。

また、マイクロソフト創業者で、世界最大の慈善基金ビル&メリンダ・ゲイツ財団も運営しているビル・ゲイツもフェイスブックにメッセージを投稿しました。

妻のメリンダと私は、マイクロソフトや我々の財団、そして我われが数年間にわたって支援してきたその他複数のプログラムで働いているドリーマーたちから非常に感銘を受けてきた。彼らは米国人として育ち、米国人としての責任をしっかり果たしている。

ドリーマーは、この国本来の気質のなかでも最高のものを体現している存在だ。アメリカ合衆国は、他国からこの国にやってきて、国を前進させ続けるために自身の才能と努力を捧げてきた人びとによって発展してきたという素晴らしい歴史があり、その伝統もドリーマーたちが受けついでいる。

ビル・ゲイツのフェイスブック投稿より翻訳引用

もともと米国は、大陸から自由と平等を求めてやってきた移民の人びとによってできた国です。人種や生い立ちに縛られずに自由にアメリカン・ドリームを追うという意味で、ドリーマーこそが真のアメリカ人だと訴える、非常に熱いメッセージです。

オバマ「外見や出身地が米国人の条件ではない」

DACAを導入したオバマ元大統領も、今回の撤廃決定を受けてフェイスブックに過去最長の声明を投稿しました。

若い人びとを標的にするのは間違っている。なぜなら、彼らは何も間違ったことはしていない。そしてこのDACA撤廃は、自滅的行為でもある。なぜなら、彼らは、我われの愛するこの国で新しい事業をはじめたり、研究所に務めたり、軍隊に入ったり、その他さまざまな方法で国に貢献したいと望んでいるからだ。(中略)

我われを米国人たらしめているのは、外見でも、出身地でも、宗教でもない。すべての人びとは平等に創られている、という崇高な理念に対していかに忠実であるのかということだけだ。

バラク・オバマのフェイスブック投稿より翻訳引用

シャーロッツビル事件でも声明を発表していたフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、実際に交流したドリーマーたちとの思い出を交えながらトランプ政権の排他的な姿勢を改めて非難しました。

我が国にとって、悲しい日だ。DACA終了の決定は、ただ間違っているだけでない。若い人びとにアメリカン・ドリームを提供し、暗闇から抜けだそうと励まし、政府を信じさせたあとに、突然それを理由に罰するという意味で、とりわけ酷い仕打ちだ。(中略)

私自身、この数年間に何人かのドリーマーたちと知り合いになったが、彼らの強さや明確なビジョンにはいつも感銘を受けてきた。彼らは、恐怖に怯えながら生きるべき人びとじゃない。

マーク・ザッカーバーグのフェイスブック投稿より翻訳引用

妻が中国系米国人であり、自身もユダヤ系のザッカーバーグにとっても、きっと悲しい出来事だったでしょう。

利益を上げるだけではない、企業トップの社会的責任とは

2017年8月中旬に起こったシャーロッツビル事件でもそうですが、社会の根幹を揺るがす重大な事件が発生したときに、企業トップがこういった政治的な発言をするケースが最近は多いようです。

もちろん、ひとりひとりにさまざまな思いや信念があるでしょう。しかし、今までにないほど多くの実業家が政府をはっきりとした言葉で批判する背景には、このような問題について面倒なので関わりたくないからとだんまりを決め込んだままでいると、下からの突き上げが激しく、かえって企業イメージが悪化して経営に悪影響が及ぶからだという見解もあります。

大企業は、従業員にも顧客にもさまざまな立場の人がいます。このような企業は、単に利益をあげて株主に還元するだけでなく、よりよい社会を積極的につくっていくという責任も負っているのではないでしょうか。「私はこの件についてコメントを差し控えます」と逃げる姿勢は決して許されない、という風潮がますます高まっているようです。

photo by Gettyimages

Writing by吉野潤子

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