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もはや職場の標準形。シェアオフィスの浸透進む [The New York Times]

The New York Times

もはや職場の標準形。シェアオフィスの浸透進む [The New York Times]

オフィススペースの共有は今や自営業者やスタートアップ企業、若い専門職たちの専売特許ではなく、新しいスタンダードになりつつある

家族で法律事務所を営むノースカロライナ州のリー・ローゼン氏は、一番下の子どもが大学に入学し家を出たタイミングで自宅を仕事場にしようと決めた。事務所の賃貸料3万5000ドル(約400万円)が浮く計算。書面はキッチンや図書館で書くので事足りた。ひとつ、クライアントとの面談だけが問題になった。

「この地域では、始めに弁護士と直接会いたがる傾向があるのです」。そこで借りることにしたのが、月払いの会議室。1年で10回ほど借りて、以前の事務所家賃の3分の1ほどに収まった。

個人や企業が時間ごと、日ごと、あるいは月ごとにスペースを借りる共有ワークスペース。テクノロジーの発達のおかげでモバイルPCを持って歩けば、場所が変わってもすぐに仕事ができる。

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ニューヨークの共有ワークスペース「ハーレム・コレクティブ」。2017年6月28日撮影 (Will Glaser/The New York Times)

国際不動産サービス会社ジョーンズ・ラング・ラサールのリサーチ部門幹部、トム・キャロル氏によると、同社では2030年までにオフィス市場の30%がフレキシブル・スペースになると予想している。

シェアオフィスへの関心が高まり、不動産デベロッパーは投資方法の再考を迫られている。「従来のオフィス概念では、昨今の環境の目的にフィットしない」とキャロル氏は言う。

ホットデスクから賃貸プライベートオフィスまで

共有ワークスペースの価格の下限は、共有エリアにあるデスクの使用権を払って空いているデスクスペースを使う「ホットデスク」だ。

上限は予約制の賃貸プライベートオフィスだろう。いずれにしろ、さまざまな共有オフィスサービスの共通点は、短期利用が可能で、賃貸の仕方がフレキシブル、オフィス関連の雑務から解放されることだ。

さらに空間自体は一切使わず、ビジネス用の住所(自分専用の場合が多い)を使用する権利だけを支払うバーチャルオフィスもある。契約には電話番号の設定、業務補助、会議室の使用なども含まれている。

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ニューヨークの超高層ビル、ワン・ワールド・トレード・センターでサーブコープが提供する共有ワークスペース。2017年6月28日撮影 (Will Glaser/The New York Times)

ジェーン・バラットさんの名刺にある住所はニューヨークの超高層ビル、ワン・ワールド・トレード・センターだ。けれどバラットさんは数年前に企業社会を後にし、今はホットデスクを利用して若者向けの投資会社ゴールドビーンを経営している。

契約しているのはレンタル、バーチャル両方のオフィスサービスを手掛けるサーブコープ。クライアントに好印象を与えたいときには、85階の会議室を使える契約になっている。

サーブコープは「借り手のプロ」として、商業用不動産の所有者と個々のテナントの間に立っていると、最高執行責任者(CPO)のマーカス・ムファリジ氏は言う。つまりサーブコープが一括してスペースをレンタルし、それを小規模なビジネスのニーズに合わせて分割して貸し出すのだ。

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ニューヨークの超高層ビル、ワン・ワールド・トレード・センターでサーブコープが提供する共有ワークスペースで、若者向け投資会社ゴールドビーンを経営するジェーン・バレットさん。2017年6月28日撮影 (Will Glaser/The New York Times)

共有ワークスペース人気をチャンスにした企業もある。「ウィ・ワーク(WeWork)」がマンハッタンの中心部で提供している共有ワークスペース。ノルウェー・エアシャトルのコミュニケーション・ディレクター、アンダーシュ・リンドストローム氏は、若々しくてクリエイティブな雰囲気が気に入ってすぐに馴染んだと言う。

2013年、同社が米国への乗り入れを開始したときにオフィスを借りようと決めた。ウィ・ワークのスペースは利用し始めて2年。「すべてのサイズの会議室が使える上に、キッチン設備やプリンターなど基本的なニーズが揃っている」と満足げだ。

従来オフィスにはないコミュニティ感覚

また「コミュニティ感覚」を提供しようと試みるサービスも多数ある。マンハッタンの152丁目で共有ワーキングスペースを提供する「ハーレム・コレクティブ」のハビエル・マルティネス氏は、月ぎめの小規模な借り手だけでは利益を出せないことに気付いた。

そこで毎月決まった額の賃貸料収入が見込める大口のテナント4者と契約した上で、より小さな合間のスペースを移動しながら仕事しているクライアントに貸し出した。さらに、ビジネスがつながりそうなテナント同士の紹介も始めた。

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ニューヨークで「ハーレム・コレクティブ」が提供する共有ワークスペース。2017年6月28日撮影 (Will Glaser/The New York Times)

今年の夏、ジュエリーデザイナーのルス・オルティスさんは、ハーレム・コレクティブを見学した。ダイアモンド・ディストリクトで借りていたスペースよりも安いところを探していた。何よりも前のスタジオにはなかった自然光が、ハーレム・コレクティブのスペースにはあった。

中庭があるのも嬉しかった。ハーレム・コレクティブのマネージャー、アレックス・ツァン氏は従来のオフィスとは違い、ひと月ごとの契約で試しに使ってみることもできると説明した。

「あちこち移動しながら仕事をしているフリーランスや、仕事があるところへ行くソーシャルメディア関連のマーケッターなどに完璧にフィットする賃貸モデル」だと言う。「またバッグをまとめて別の国へ仕事に行く、そういう働き方にぴったりです」

©︎2017 The New York Times News Service[原文:Shared Work Spaces Evolving Into a New Normal/執筆:Christine Negroni](翻訳:Tomoko.A)

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