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留学や海外生活なしでも私が「ニューヨーク・タイムズ」で働けた理由

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留学や海外生活なしでも私が「ニューヨーク・タイムズ」で働けた理由

上乃久子さんは、カフェグローブでも掲載中のアメリカを代表する日刊紙「ニューヨーク・タイムズ」東京支局で働く取材記者。帰国子女でもなく、留学経験もなく、英語圏で1か月以上生活をしたこともない純ジャパニーズ女子が有名メディアで勤務していると聞けば、誰もが「どうやってそのポジションに就いたの!?」と驚くはず。

今、彼女の書いた英語勉強本が話題となっています。上乃さんのキャリアアップ術、そして、バイリンガルとは違う純ジャパならではの学習法をひも解いてみましょう。

きれいな英語よりも「伝えたい」意欲

田舎の公立の中高に通いなんとなく英語が好きだった上乃さんは、地方大学の英文科を卒業。大学の事務助手を経て、バイリンガル雑誌社から翻訳会社など、英語とは"ほんのり"縁がある仕事についていたものの、本格的なギアが入ったのは、1999年にロサンゼルス・タイムズ東京支局へ転職してから

採用試験は、応募者200人から1名を選ぶ狭き門。面接では突然ニュース映像の同時通訳を求められ、上手に訳そうとするがばかりに黙り込む人が続出するなか、上乃さんは緊張しながらも、「できませんと言ってしまえば全てが終わる」と、最後まで口ごもることなく通訳を貫徹したのだとか。

上乃さんいわく「大切なのはきれいに整った英語よりも、とにかく今何が起こっているのかを伝えたいという意欲」。臨機応変な振る舞いや度胸も、ステップアップの背中を押してくれる大いなる味方になりそうです。

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「英語のバウムクーヘン」の年輪とは?

ロサンゼルス・タイムズでは、初の100%英語環境での勤務。毎日が英語との格闘で、英語で上司から怒られる夢にうなされる夜もありました。日本人の取材記者として上司から求められるスキルは"quick & dirty"。つまり「文体などは多少乱れてもいいから、迅速に情報をくれ」ということで、きれいな英語を準備していたら間に合わない。とにかく要求にすばやく反応する瞬発力がこの時期に養われたのだそうです。

ロサンゼルス・タイムズ時代の縁で、2012年にニューヨーク・タイムズ東京支局に入社してからは、特派員の取材に同行して逐次通訳をしたり、取材の手配や資料のレポートなど、英語を最大限生かした現場で忙しく働く上乃さん。

数々の失敗を乗り越えるたびに、ボキャブラリーを増やしてリスニング、スピーキング、ライティング全てに力を蓄えてきた上乃さんにとって「英語はバウムクーヘンみたいなもの」。ちょっとずつ勉強したり、出身の異なる同僚たちと英語でコミュニケーションをとることで、薄い年輪が増えていき、いずれは太い幹になる。このバームクーヘンをイメージすれば、英語への苦手意識もするするほぐれていきそうです。

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上乃さんが考案した純ジャパ向け英語の勉強法

そんな経験を踏まえた上乃さんの著書『純ジャパニーズの迷わない英語勉強法』には、日本人ならではの英語の学習法がまとめられています。たとえば、日本人が苦手な"R"の発音の仕方を見てみると......

(メジャーリーグで活躍するイチロー選手が)バッターボックスに入る際、スタジアムDJによる「イチゥロー・スズキー」という独特の節回しが響きわたるのですが、あの「ゥロー」がまさに「r」の発音なのです。

60ページより引用

「sorry」「right」「really」など、英会話でも使う機会の多い「r」を含む単語は、イチローコールを思い浮かべるとよさそうです。

また英語の瞬発力をつけるために、自分の1日を50英文で表現して、繰り返し練習する方法も勧めています。

スピーキングで一番困るのは、話そうと思ったときにまごついて言葉が出てこないこと。こうした事態を避けるには、英語の基本構文を頭の中に叩きこんでおけばいいのです。

16ページより引用

たとえば、「I commute by train(電車で移動する)」「We review the current project(現行プロジェクトを見直す)」など、自分の行動を短文で用意して、ぱっと口から出るまで瞬発力を鍛えることも大切です。

上乃さん曰く、英語を週1回3時間勉強するより、毎日30分学習するほうが効果的とのこと。

・さきほどの50英文(または独自の50英文)を音読......5分

・英文をおうむがえしに発音するシャドーイング......10分

・英語を聞いて文字に書き起こすディクテーション......15分

以上を1日1セット、できれば2セット行います。まるで自宅筋トレのようですが、これならすぐに実践できそうですね。

次回は、ビジネスシーンで簡単に参考にできる英語の使い方について教えてもらいます。お楽しみに!

上乃 久子(うえの ひさこ)さん

1971年岡山県倉敷市生まれ。1994年に四国学院大学文学部英文学科卒業後、同大学の事務職に就職。その後、東京都内のバイリンガル雑誌社、翻訳会社、ロサンゼルスタイムズ東京支局、国際協力機構(JICA)を経て、現在、ニューヨークタイムズ東京支局に取材記者として勤務。サイマル・アカデミー同時通訳科修了。

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『純ジャパニーズの迷わない英語勉強法』

著者:上乃久子発行:小学館定価:1,300円(税別)

>>Amazonで購入

(取材・文/Hiroko Yah、撮影/野澤朋代)

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