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週30分の問いかけを。部下との信頼を築くコミュニケーション

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週30分の問いかけを。部下との信頼を築くコミュニケーション

ゆとり・さとり世代の部下の扱いに手を焼いている管理職、多いはずです。しかし、部下というものは年下に限らず、同期やかつての先輩が部下になることも。

上司として、部下の教育やコミュニケーションのとり方に戸惑いを感じるシーンは、オフィスにおいて多く見られます。

どんな関係性であれ、部下は部下。彼ら彼女らをしっかりと育てていく役割が、管理職には当然あります。

ヤフーにおいて上級執行役員に就き、かつて人事責任者をしていた経歴を持つ本間浩輔著『ヤフーの1on1』より、部下を成長させるコミュニケーションの技法について紹介します。

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週1回30分間は部下のための時間

ヤフーの1on1は、原則として週に1回、30分程度かけて行います。進捗報告や評価面談など、組織における上司と部下の面談にはいろいろなものがありますが、私たちの1on1は、部下のために行う面談です。ですから、30分の対話が終わったときに、部下が「話してよかった」と思えば、まずは成功です。(中略)

面談を部下のための時間にするために、まず大事なことは「部下に十分に話をしてもらうこと」です。なぜなら、1on1は部下の行動や経験学習を深めることを目的としていて、そのためには、部下は自分の経験を詳細に思い出して、言葉にして、深く内省することが必要だからです。

10~29ページより引用

1on1とは、簡単にいえば、定期的に上司と部下との間で行う1対1の対話のことを指し、週1回30分の「部下のための時間」こそが人を育て、組織の力を強くすると著者はいいます。

しかし、何らかの面談を行っている企業や組織は、すでに山ほどあるはず。ヤフーの1on1は、巷のそれと何が違うのでしょうか。

上司と部下という関係性には、どうしても立場による力関係が発生するものです。普通にしていたら、部下が上司に対して自然に自分の考えを述べるという環境は、本来難しいもの。上司の関心や興味に基づく質問を展開していては、よくある面談になってしまう。

上司の側からすれば、ひとり当たり30分もの貴重な時間。課長職であれば、課全体のメンバーに自分の時間を定期的に割いていくからには、そこで有益な情報を得て、方向性を示していきたい気持ちもやぶさかではありません。

しかし、1on1は、評価のための面談ではないということ。良い悪いの評価を避けて、部下の思いや考えを深める問いかけに終始していく忍耐強さが必要になりそうです。

社員の才能と情熱を解き放つ

ヤフーでは、1on1によって経験学習のサイクルをまわすことのほかに、1on1によって社員の「才能と情熱を解き放つ」ことも大切にしています。

才能と情熱を解き放つとは、ヤフーの社員が、仕事や仲間からの支援をきっかけにして自らの才能に気づいて、自らのエネルギーがあふれ出す情熱を解き放つような仕事をするような会社にしたいという思いを言葉にしたものです。

では、社員の才能と情熱を解き放つにはどうしたらよいのでしょうか?

私たちは、才能と情熱を解き放つためには、①いろいろな仕事を経験して、②上司や職場の仲間から観察してもらい、③経験を振り返りながら自分の職業観について考えることが大切だと思っています。

58~59ページより引用

日本には3万種類の職業があり、ひとりの人間が経験できる仕事は、せいぜい1桁ではないかと著者はいいます。

たしかに、今の日本において、自由に転職を繰り返す風土は、まだありません。自分とその仕事の適性だけを考えて働いていくわけにはいかない、家族のため生活のために職業人生をまっとうするという人が多いことでしょう。

そこで、ヤフーでは、社員がさまざまな仕事を経験し、その中から少しでも自分に合った仕事を見つけていくことを推奨しています。自分の視点では見えない適正を周りに観察してもらうことで知っていく、そして、その経験や見地をベースに、自分の職業観を打ち立てていく。

その一連のプロセスを1on1の中で進めていくことにより、ひとりひとりの社員が持つ才能や情熱を解き放つことができるとのこと。

たしかに、仕事の向き不向きは、やってみないと分からないものも多くあり、客観的な視点を参考にしていくことで、だんだんと明確になっていくことがあります。

それぞれが持つ才能や情熱は、人の手意見に耳を傾けつつ経験を経て自分で内省していくことにより、本物として輝いていくのかもしれません。

部下と信頼関係を構築する

聞き上手の共通点。それは、高等技術というよりも、うなずきや相槌、そして体の向きや姿勢といった基本的な要素であると思います。1on1でも、同じようなことが言えます。質問やフィードバックなど、積極的な働きかけをしなくても、部下が話しやすいような雰囲気をつくることができる人はいます。

そのような上司と1on1をすると、部下はいつの間にか、思ってもいないことを話すようになり、上司からヒントをもらわなくても、話しながら自分で答えを出したり、納得したりして満足して1on1を終えていく。

つまり、相手に安心感を与える動作を駆使することによって、話しやすい雰囲気や、上司と部下との信頼関係を構築することができているのだと思います。

107ページより引用

ヤフーの1on1のスクリプトを見ると、一般的なコーチングやカウンセリングに似ているけれど、大きな違いがあると著者はいいます。それは、コーチングやカウンセリングが業務上の関係を持たない、プロフェッショナルとクライアントの間で行われることに対し、1on1は上司と部下との間で展開されるものであるという違いです。

前者は日常と切り離された状況で行われますが、後者は上司と部下だからこそ、職場で見ていて分かる事例がつかめる状況にあります。

しかし、だからこそ、注意が必要なようです。ヤフーに限らず、上司は人事権を持っています。部下が人材育成や長期的な目標について、忌憚なく語るためには、上司との間に信頼関係が構築されていなくては不可能です。

1on1の対話をする上で、応答技法を丁寧にしていく。その部下に真摯に向き合っていく。

意外にも泥臭く、しかし地味に努力が求められる手法こそが、今、大切な時代なのかもしれません。

ヤフーの1on1

著者:本間浩輔発行:ダイヤモンド社定価:1,800円(税別)

photo by Shutterstock

ナカセコ エミコ

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