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「僕がお客様を見たくて作った店」オルグイユ・加瀬史也さん

今いちばんおいしい東京をどうぞ/Gault & Millau avec cafeglobe

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「僕がお客様を見たくて作った店」オルグイユ・加瀬史也さん

東京フレンチは、いま30代シェフの店が面白い――。「ゴ・エ・ミヨ」編集長・宮川俊二さんが注目する3店をご紹介していく連載「今いちばんおいしい東京をどうぞ」。トップバッターとなる「オルグイユ(L'orgueil)」は、今年で32歳を迎えるシェフ、加瀬史也さんが開いたレストランです。

「オルグイユ」の特徴は、シャンパーニュとの相性を第一に考えたお任せのコースメニュー前編でご紹介した通り、素材の味を生かした料理とシャンパーニュが織りなす鮮烈な味わいが、「こんな食後感、今までなかった」と食通を唸らせています。

中途半端なペアリングにはしたくない

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加瀬さん「フランスのシャンパーニュ地方のレストラン『レ・クレイエール』で働いたときに、シャンパーニュのおいしさを知りました。組み合わせは、必ずソムリエと『どうしよう、どうしよう』と頭を捻りながら決めています。合わせてみてニュアンスにずれがあったら、たとえばビネガーを変えたらもっと寄るんじゃないか、とか......料理のほうを変えていきます」

これだけシャンパーニュとのペアリングを打ち出しているのだから、中途半端にはしたくないと話す加瀬さん。

加瀬さん「基本的にシャンパーニュ地方のワインは酸味が強いから、フルコースで合わせるとなると、料理も酸のつながりを大事にしないといけない。酸の強いシャンパーニュに、あえて酸味のない皿を合わせることもあります」

フランス語に苦しんだ修業時代

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加瀬さんは「レストラン ヒロミチ」で修業後、25歳で渡仏。最初に採用されたのは、三ツ星レストラン「ミッシェル・ゲラール」でした。

加瀬さん「英語もフランス語も全然できませんでした。アパルトマンも見つからず困っていたら、店のスタッフに『家を探しています。日本人です』と書いた紙を渡されて。『これを持って村を練り歩け』と。人口200人くらいの小さな村だから、誰か声をかけてくれるって(笑)。

ウジェニー・レ・バンは本当に片田舎で、バスの走っている村まで50キロくらい。スーパーも山道を15キロくらい行かないとないんです。シェフの息子が小学生のときに使っていた小さな自転車を借りて、ビデオデッキとフランス語版の日本のアニメのDVDを買いに行って、それでひたすらフランス語を勉強していました。日本人もほとんどいなかったので、フランス人とばかり遊んでいたら、だんだん喋れるようになりましたね」

その後、シャンパーニュ地方の二ツ星レストラン「レ・クレイエール」へ。日本に帰国後、「カンテサンス」の岸田周三シェフのもとで学んだことは、今も大きな財産となっています。

加瀬さん「岸田さんはなによりお客様を大切にする人でした。食材から調理まで最高にこだわった料理を考えても、お客様のリアクションが少ないと見るとどんどん変えていく。僕もその意識は常に持っていたいと思って、今でも心しています」

お客様を見たくて調理場をオープンに

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20代のころから、30歳になったら独立するイメージを描いていたという加瀬さん。常連がついているわけでもない自分のような若手は、味に自信があるだけでは埋もれてしまう......。そこでたどり着いたのが、大好きなシャンパーニュに特化するというコンセプトでした。

調理場をオープンにした店内は、カウンターを含めて12席。お客様の表情や、どんなペースで食べているかを見ながら調理したくて、こんな設計にしたのだそう。

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加瀬さん「お客様に見せたくて作ったというよりは、僕がお客様を見たくて作った調理場です。僕はレシピの完成度にこだわるというよりは、あのお客様は食べるのがゆっくりめだからとか、ご年配の方だから塩はきつめにしないようにとか、そっちのほうが気になってしまいます。お客様によって味を変えるのは良くないという料理人もいるけれど、喜んでもらえるのなら変えるべきだと思うし、その場でアレンジしていきたい。それもまたひとつの技術だと思っています」

店名のとおり、我が道を行く爽やかな「傲慢(オルグイユ)」ぶりが頼もしい加瀬さん。むしろ傲慢どころか、食べる人の顔を見ながら整えられる料理は、大切な家族のために作ったような温かみにあふれていました。

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「オルグイユ(L'orgueil)」オーナーシェフ/加瀬史也さん

1985年東京都生まれ。「レストラン ヒロミチ」で修業後、25歳でフランスへ。三ツ星レストラン「ミッシェル・ゲラール」、シャンパーニュ地方の二ツ星レストラン「レ・クレイエール」で経験を積む。帰国後「カンテサンス」を経て、2016年2月、30歳で独立。http://orgueil.net/

撮影/八田政玄 取材・文/田邉愛理

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