1. Home
  2. キャリア
  3. アマゾンなどネット通販の隆盛で、さびれた町に雇用ブーム [The New York Times]

アマゾンなどネット通販の隆盛で、さびれた町に雇用ブーム [The New York Times]

The New York Times

アマゾンなどネット通販の隆盛で、さびれた町に雇用ブーム [The New York Times]

インターネット通販の大手企業、アマゾンやウォルマート、Zulilyなどが、全米各地に巨大な配送倉庫を次々と建設している。ロケーションとして選ばれるのは、かつて製造業で栄えたものの、工場の閉鎖や撤退にともない過疎化した郡部の町。

20171104_nyt_warehouse_5.jpg
今は廃墟となった鉄鋼プラント跡地 (Sam Hodgson / The New York Times)

未熟練労働者を大量に採用する倉庫の進出で労働市場が盛りあがり、経済にとり残された地域と人びとが再び息を吹き返している。

20171104_nyt_warehouse_11.jpg
ペンシルベニア州ベツレヘムにあるZulilyの巨大倉庫 (Sam Hodgson / The New York Times)

雇用増加は全体平均の4倍

消費者の購買行動がリアルな店舗からオンラインショッピングに大きくシフトしているなか、注文された商品を少しでも早く届けることに、ネット企業はしのぎを削っている。

しかも、流通する商品は多岐にわたり、家具や冷蔵庫など大型消費財も増えていて、それが、数千人単位の単純作業スタッフを採用する大規模な配送倉庫が必要になる理由だ。2010年には、こうした倉庫は全体で数十万もの雇用を生み、雇用増加の全国平均の約4倍を記録している。

しかもここ数年、状況はさらに加熱の一途で、ケンタッキー州ブリット郡の倉庫で働く労働者数は2010年の1,200人から2017年には6,000人に増加。同様にウィスコンシン州ケノーシャでも250人から6,200人と25倍にせまる伸び率をみせている。

ネット通販の配送倉庫の建設地のほとんどは、その昔は製造業の大型プラントがあった地域で、各州の大都市と結ばれたハイウェイや鉄道が近くにあり、今は使われていない広大な工場跡地と労働力が低コストで利用できる

20171104_nyt_warehouse_3.jpg
ネット通販大手の巨大倉庫では数千人単位の従業員が働いている (Sam Hodgson / The New York Times)

仕事を求めて都市から移住も

ペンシルベニア州ベツレヘムのZulilyの配送倉庫で働くエレン・ガウグラーさん(54歳)の父親は倉庫のすぐそばにあった鉄鋼プラントの職工だったという。「父の時代は待遇もよくて職を失う心配もなかった。でも今は違う。倉庫の仕事は体力的には大変だけど、安定している」。

ガウグラーさんの仕事は倉庫内を歩きまわり、おもちゃやグラス、ベビー服など、リストに載っているあらゆるアイテムを棚から取りだして配送部門に引きわたすこと。時給13.50ドル(約1,500円)で水曜から土曜まで10時間シフトで働き、2016年は2度の昇給もあった。短大卒の学歴の彼女にとっては他の仕事にくらべて割りがよく、健康保険や有給休暇、年金プランがあるのも魅力だという。

20171104_nyt_warehouse_top.jpg
かつては鉄鋼業で栄えた故郷の町にできたZulilyの倉庫がエレン・ガウグラーさんの今の仕事場 (Sam Hodgson / The New York Times)

雇用の話を聞きつけて、都市部から移ってくる人もいる。ペンシルベニア州リーハイバレーのアマゾン配送センターで働くオマール・ペロットさん(38歳)もそのひとり。

ニューヨークのブロンクスで生まれたペロットさんは8歳のころにはすでにドラッグ・ディーラーだった。更生施設や刑務所を出たり入ったりを繰りかえしたのち、フロリダを経て、仕事が見つかるという噂をもとにリーハイバレーにやってきた。アマゾンの面接では「過去のことをちゃんと説明したよ。若くて、世の中をわかっていないバカだったってね」とペロットさん。

1年間、棚から商品を取りだす"ピッカー"として働き、2度の昇給を受け、フォークリフト免許も取得した。今の目標はスーパーバイザーになることだ。「子どものときは街でデカい顔ができるのがカッコいい大人だと思ってた。でも、一生懸命に働くことこそ自分を一人前の人間にしてくれるんだ

20171104_nyt_warehouse_10.jpg
犯罪に手を染めた過去を乗り越えてアマゾンの配送センターに雇用され、働く喜びと誇りを知ったオマール・ペロットさん (Sam Hodgson / The New York Times)

雇用ブームはいつまで?

地域に活性化をもたらしているこの雇用ブームはいつまで続くのだろう?

企業によっては倉庫内の作業にロボットの導入をはじめている。大リーグの球場並みの広さをもつウォルマートの配送センターでは、コンピュータ制御されたロボットが、商品棚が無数に並ぶ通路を整然と行きかっている。人間がロボットに取って代わられる日はたしかに近づいているようだ。

20171104_nyt_warehouse_8.jpg
ウォルマートの広大な倉庫内 (Sam Hodgson / The New York Times)

しかし、今現在のところは、まだまだ人間の手が大量に必要とされており、ネット通販の大型倉庫の採用者数はなお増加傾向にある

今年の初めフルタイムの従業員数は約1,100人だったウォルマートでは、10月には2倍の数にふくれあがり、来年の今頃までにさらに数百人の採用を計画している。

©2017 The New York Times News Service [原文:Where Internet Orders Mean Real Jobs, and New Life for Communities/執筆: Natalie Ktroeff] (抄訳:十河亜矢子)

  • facebook
  • twitter
  • hatena

    Ranking

    1. 「味わう」を意識すると人生は豊かになる。ソムリエ・佐藤陽一さんの哲学

    2. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    3. 若きジョブズが採用で重視した、たった一つのスキルとは?

    4. パリのグルマンを魅了する日本人若手シェフを知りたい!

    5. 40代こそ、家をIoT化するべき理由

    6. チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ 2018」いよいよ開幕!

    7. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    8. 式場が足りない! オーストラリア同性婚可決の思わぬ影響

    9. ポイントは割り下の黄金比率。究極の「すき焼き」レシピ

    10. 職場のめんどくさい同僚と距離をおく方法

    1. 若きジョブズが採用で重視した、たった一つのスキルとは?

    2. インフルエンザで倒れたくない今、摂るべき栄養素は

    3. 職場のめんどくさい同僚と距離をおく方法

    4. 「味わう」を意識すると人生は豊かになる。ソムリエ・佐藤陽一さんの哲学

    5. 視界がぼやける、いつも眠い......に共通する原因

    6. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    7. 車を買うときに必ずチェックすべきこと

    8. 人気ホテル評論家が指南する、失敗しないホテル選びのポイント

    9. 40代こそ、家をIoT化するべき理由

    10. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    1. 若きジョブズが採用で重視した、たった一つのスキルとは?

    2. 「味わう」を意識すると人生は豊かになる。ソムリエ・佐藤陽一さんの哲学

    3. 人気ホテル評論家が指南する、失敗しないホテル選びのポイント

    4. ファンデ変えた? と言われる印象アップ。似合う髪色がわかるカウンセリング

    5. インフルエンザで倒れたくない今、摂るべき栄養素は

    6. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    7. 車を買うときに必ずチェックすべきこと

    8. 職場のめんどくさい同僚と距離をおく方法

    9. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    10. 視界がぼやける、いつも眠い......に共通する原因

    アマゾンなどネット通販の隆盛で、さびれた町に雇用ブーム [The New York Times]

    FBからも最新情報をお届けします。