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これは巨大な地下神殿? いいえ、東京の大事な場所なんです [The New York Times]

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これは巨大な地下神殿? いいえ、東京の大事な場所なんです [The New York Times]

東京の北に位置する埼玉県春日部市。地下に広がる巨大洞窟には、自由の女神もすっぽり入りそうだ。

世界で最も人口の多い大都市を洪水から守っている貯水槽、首都圏外郭放水路。総工費2300億円をかけて2006年に完成した。

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(Kentaro Takahashi/The New York Times)

洪水時に氾濫の恐れがある首都圏の平野部から、地下トンネルを通じて水を引き込む。世界各地の都市が気候変動による異常気象時代に備える中、都市防災の究極の例といえるだろう。国土交通省 江戸川河川事務所 首都圏外郭放水路管理支所 所長・阿部国治さんは、見たこともないような洪水にも備えている、という。

巨大な貯水槽はサッカー場よりも広い。20メートル級の柱が天井を支えて立ち並ぶ空間は、まるで神殿のようだ。洪水時にはこの貯水場から、工業用ポンプでペースを調整しながら江戸川へ排水する。

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(Kentaro Takahashi/The New York Times)

気象庁によると1時間に50ミリ以上降る大雨は、日本全国で過去約30年の間に30%増えている。さらに80ミリの雨となると、70%と激増。気象庁はこうした豪雨の増加は気候変動によるものだとしている。日本が世界で最も雨量の多い国となる時代が来る可能性もある。

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埼玉県春日部市にある首都圏外郭放水路を見学に訪れた人たち。(Kentaro Takahashi/The New York Times)

海面上昇が起きれば、3800万人が暮らす首都圏は高潮にも脅かされる。特にかつて工業地帯だったウォーターフロントには今、大規模な再開発で新たにマンションやオフィスが立ち並んでいる。また長年にわたる地下水の汲み上げによって、東京の一部では20世紀の間に4.5メートルに達する地盤沈下も起きた。広大なゼロメートル地帯を保護しているのは、老朽化した堤防だ。

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(Kentaro Takahashi/The New York Times)

東大総合防災情報研究センターの片田敏孝特任教授は、ハードウエアでできることには限界があり、誤った安心感を持ってはいけないと警告する。防災インフラへの投資は必ず、地域の洪水マップや避難誘導といったサバイバルスキルを高める啓蒙活動を伴う必要があると言う。

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首都圏外郭放水路管理支所、管理第一係長の長康行さん。(Kentaro Takahashi/The New York Times)

首都圏外郭放水路では、洪水がないときには施設内の見学会を開催しており、巨大で薄暗い調圧水槽の床を歩くことができる。ツアーを案内してくれた放水路管理支所 管理第一係長の長康行さんは、人々に洪水の危険性や、どうすればそれに対処できるかといったことを考えてもらうために、こうした活動もまた大事な役割だと語った。

©2017 The New York Times News Service[原文:Tokyo Is Preparing for Floods 'Beyond Anything We've Seen'/執筆:Hiroko Tabuchi](抄訳:Tomoko.A)

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