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ナパやソノマが大打撃。カリフォルニア山火事はなぜおきた? [The New York Times]

The New York Times

ナパやソノマが大打撃。カリフォルニア山火事はなぜおきた? [The New York Times]

誉れ高いナパバレーワインのブドウ畑から道路を挟み、黒く焼け焦げた丘。調査員が道に立ち入り禁止のテープをはり、警備員を24時間配備している。彼らが侵入者から守っているのは、カリフォルニア州の歴史でも最も破壊的な火事の火元とみられている場所だ。

「私たちにとってここは犯罪現場なのです。そうでないと結論が出れば別ですが」そう語るのは、この調査を担当するカリフォルニア州火災局の警察官ロン・エルドリッジだ。「過失があったのか、それとも犯罪行為があったのか。それを見極めるのが我々の仕事です」

移民が放火したというデマも

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カリフォルニア州オークビル近くのヴィンヤードの空を嵐雲が覆う (Jim Wilson/The New York Times)

近年カリフォルニア州で起きた数千もの火事は、そのほとんどが人間によって引き起こされたものだ。例えば芝刈り機の刃が石に当たって散った火花、子供の火遊び、放火、溶接のトーチ、はたまた悪魔儀式など。

今回の火災では移民が逮捕されたというデマが流されたが、ソノマ・カウンティ警察が否定した。放火があったという証拠は、今のところ皆無だ。

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カリフォルニア州ソノマにあるガンドラック・バンドシュー・ワイナリーのぶどうも山火事によってダメージをうけた。 (Talia Herman/The New York Times)

2016年、テネシー州のグレートスモーキーマウンテン国立公園に広がった火災の場合、当初は公園内で遊んでいた10代の二人が火元とされた。風速130kmの強風(今回のカリフォルニア州と同等)を伴ったこの火災で、14人が亡くなり2,500の建物が破壊された。しかしその後の綿密な調査の末、火元が複数あったことがわかり、二人への刑事責任は取り下げられた。

火災調査員の重責

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ナパバレー火災の煙は、カリストガ近郊にも重く漂っていた。 (Jim Wilson/The New York Times)

同州では160人の火災調査員がフルタイムで働いており、その多くが北カリフォルニアの17の火元と見られる現場に送り込まれた。その責任は極めて重い。

火災の原因の特定は、巨額の経済的責任を最終的に誰が負うのかを大きく左右する。損害にはおよそ8,000の建物が含まれており、保険補償支払い額は10億ドルを越えると見積もられている。保険会社としては、その一部を埋め合わせる手段が欲しい。

エルドリッジによれば、火元については複数の説があるが、特に有力なものはないという。聞き込み調査を行い、場合によっては冶金や植物など、専門家を招く。火災前の地域一帯の様子を再現するソフトウェアも活用している。火災調査には、衛星写真、航空機、調査員ほか、あらゆるツールが投入される。

腹ばいになって草の焦げ方に目を凝らす

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カリストガに住むアーティスト、ポール・ブラック氏は炎が道路を飛び越えて、ソノマに向かって山腹を上っていく様子を見たと話す。 (Jim Wilson/The New York Times)

有能な火災調査員は、まず腹ばいになって仕事を始めると語るのは、土地管理局のジョン・スキナーだ。ごく小さな草がどのように燃えているかにより、火が回った速さと方向がわかり、火元を特定する手がかりとなるのだ。

「例えば背の高い草に隣接して火が燃え始めた場合、最初に根元が燃えるため、草は炎に向かって倒れます。よそで起きた火が草を抜けていく場合は、まず上部が燃えるのです」

とはいえ暴風がからむと、調査は厄介になる。例えば時を同じくして複数の電柱・電線が倒れたために複数の箇所で発火した場合は、別々に発火したのかよそから飛び火したのかを見極めるのが難しい。調査員は火元とみられる17カ所を調査している。だが多くの火事が融合したため、実際の火元数を特定するのは困難だ

強風と送電線というバッド・コンビネーション

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19世紀半ばから運営してきたガンドラック・バンドシュー・ワイナリーも被災した。(Talia Herman/The New York Times)

カリフォルニア州の山火事を研究して来た専門家は、結論づけるのは尚早だが、夜間の発火に激しい風が加わったことから、火元に電線が関係していた可能性があるという。少なくとも一カ所、カリストガでは、送電線が火元として特定されている

「風力が強い時は、電線が火元の可能性が疑われます。そうした例は多数記録されているのです」と言うのは、カリフォルニア州の米国地理調査局の専門家、ジョン・E.キーリーだ。

被災地に電線を敷設しているガス電力会社PG&Eは、証拠を確保するために、調査機関の要請に全面的に応じていると述べた。

広報担当者によると、同社では毎年1,200万本の樹木を伐採している。カリフォルニア州では電線から120cm以内の枝葉は全て除去することを定めている。

アリゾナ大学の火災歴史家、スティーブン・J.パインは、都会と自然が隣接するエリアで、風と電気の組み合わせによる火災の危険性が増しているが、容易で費用のかからない解決法はないと語る。「100年前には蒸気機関車が火災を引き起こすことで知られていましたが、今はそれが電線になったのです」

© 2017 The New York Times News Service [原文:The Answer to an Inferno's Spark Lies Waiting among the Ashes/執筆: Thomas Fuller and Kirk Johnson] (抄訳:スマキ ミカ)

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