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巨大テック企業、救世主となるはずが今や脅威に [The New York Times]

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巨大テック企業、救世主となるはずが今や脅威に [The New York Times]

フェイスブックは、2016年米大統領選の際に、選挙に影響を与える約8万件もの投稿がロシア系企業のアカウントから投稿されたと発表。この米大統領選へのロシア介入疑惑に関し、米上院情報委員会は10月31日と11月1日に公聴会を開き、フェイスブック、ツイッター、グーグル3社の幹部が証言した。(以下、2017年10月12日付ニューヨーク・タイムズ記事の抄訳)

煽動に最適なツール

2010年末頃、中東各地で花開いた「アラブの春」。このかつてない規模の民主化運動に大きな役割を果たしたのが、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアだ。SNSは自由や啓発、人類全体に明るい将来をもたらすと、業界はこぞってテクノロジーの利点を盛んにいい広めた。

そのころフェイスブック創業者マーク・ザッカーバーグ氏は、投資家向けマニフェストの中で、フェイスブックこそが「誠実かつ透明性のある政治議論」を生むツールであるとし、それゆえ「現代の最大の問題にむけて、よりよい解決策」が見つかると高らかに語った。

ところが最近、テック企業は問題を解決するどころか、むしろ問題を作り出しているとの非難を浴びている。その最たるものが、2016年の米大統領選に対するロシアによる干渉問題で、ソーシャルメディアは権力からの解放よりも、怒りを煽るツールとしてはるかに有用だったのだ。情報工作は非常に効率よく、誰にもわからないように行われたため、運営側も実際に何が起こっているかを気付くことができなかった。

テック四天王への権力の集中

もちろん、懸念すべき領域は選挙に限らない。テック企業は今や、とてつもない権力と影響力を蓄えている。買い物のしかたはアマゾン、知識の獲得方法はグーグル、人との付き合い方はフェイスブックによって決定されている。今や、王権は神から付与されたとする絶対王政のような権力がこれらの企業に集中。そして、反発する勢いも激しさを増す一方だ。

ニューヨーク大学スターン経営大学院スコット・ギャロウェイ教授は、「これまで10年間のテック業界をめぐる話題といえば、たとえば、どのCEOがキリストのような存在か、大統領選に出るのは誰か、職場のリーン・イン(訳注:女性が野心を持ち、挑戦すること)に一番成功しているのは誰か、というようなものでした」と語る。ギャロウェイ教授は、新著『The Four』で、フェイスブック、アマゾン、グーグル、アップルの4強が及ぼす影響力を分析している。「しかし最近、風向きが変わりつつあります」

大慌てのイメージ挽回、その目的は

フェイスブック、ツイッター、そしてグーグルから相次いで、自社の広告や配信システムがロシア企業に悪用されたというニュースが公表された。11月1日の米上院情報委員会による公聴会を目前に、各社とも自社イメージを挽回すべくPR作戦に必死だ。

フェイスブックのシェリル・サンドバーグCOOは10月第2週、連邦議会議員と協議後、大統領選のロシア干渉について、「起きてはならなかった」と公の場で謝罪した。グーグルのCEOサンダー・ピチャイ氏は10月12日、雇用創出の促進支援プログラムに10億ドル(約1,120億円)を提供すると発表した。こうした記者会見の根底にあるのは、インターネットはかなりの前からビジネスとして成立しており、企業の第一責務は株主による対応にあるという事実だ。

しかし、ベンチャー投資のヴィレッジキャピタル社長ロス・ベアード氏は、フェイスブックが広告主に提供するターゲット型広告商品は、「嫌ユダヤ人」という設定もできるようになっていたことを言及した上で、「シリコンバレーは社会の変革に貢献すると口では言いながら、結局は、金儲けが目的なのだ」と指摘する。

危機管理の基本ルールに違反

ソーシャルメディア側で矢面に立たされるのはやはり、33歳の若さで世界一の金持ちで影響力を持つ人物の一人となった、ザッカーバーグCEOであろう。

彼は2012年の自身のマニフェストに、「当社は『素早く行動し破壊せよ』をモットーに掲げている」と記載した。既にその記載は削除されたが、その言外に示された傲慢さを消し去ることはできないと批評家は語る。

前出のギャロウェイ教授は、フェイスブック社は問題への対応をまだ模索中だという。「問題には過剰なくらいの対応を、という危機管理の基本ルールに違反しています。利益を損なうものは一切できません、というのが彼らのスタンスなのです」とその対応を批判している。

米政府のぬるい対応、戦いは欧州から

しかし、こうした批判が高まる中、投資家、消費者、規制当局の態度には特に変化が見られない。消費者は新作iPhoneを待ちわび、20億人以上がフェイスブックを利用する。トランプ米大統領はツイッター上でのアマゾン批判にはご熱心だが、米政府は厳格審査を求める声を無視し、アマゾンによる高級スーパー、ホールフーズ買収を認可した。

一方、欧州では政府の対応に変化の兆しが見られる。EU当局は6月に、検索エンジンで92%の市場シェアを持つグーグルに、自社ショッピングサービスの製品の検索順位を同業他社製品より優遇したとして、27億ドル(約3,024億円)の制裁金を科した。

ドイツでは10月、新法が施行された。ソーシャルメディアは、ヘイトスピーチを削除またはブロックしなければ、巨額の罰金が科される可能性がある。英政府は、グーグルやフェイスブックをプラットフォームではなくパブリッシャーとして規制する方向で、「役割や責任、法律上の扱いを慎重に」検討を進めている。

© 2017 The New York Times News Service [原文:Tech Giants, Once Seen as Saviors, Are Now Viewed as Threats/執筆:David Streitfeld] (抄訳:田辺いくこ)

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