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「素材とは可能性の塊」素材に触発されて生まれたアート&デザイン展

「素材とは可能性の塊」素材に触発されて生まれたアート&デザイン展

以前、ボストン美術館で観た「#techstyle」という展示についてちょこっと触れました。素材の進化が、ファッションをも進化へ導いている様子に興奮したのを、昨日のことのように覚えています。

今夏オープンした富山県美術館の企画展

表現や技術を発揮するうえで素材がキーポイントになるのは、ファッションに限らず、デザインのプロセスにおいても同じ。2017年8月に全面開館した「富山県美術館」が開催中の企画展「素材と対話するアートとデザイン」では、素材が主役を担っています。

素材の魅力と、素材に触発されて生まれたアートとデザインが、「アート×素材」、「革新×素材」、「素材のきほん」、「インタレーション〜アートとデザインをつなぐ」という4セクションに分かれて展示されています。

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現代美術家やデザイナーによる作品や、素材の世界へと引き込む体感型インスタレーションが展示される「アート×素材」セクションより。emmanuelle moureaux (エマニュエル・ムホー) 《COLOR OF TIME》2017年(本展のための新作 ※画像はイメージ)
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新素材を使った革新的な作品を集めた「革新×素材」セクションより。坂下和長 《shallows》2013年 Photo : Taishi Fujimori / calm photo
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身近な素材の新たな一面に出会う「素材のきほん」セクションより。ニーナ・ファーベルト 《フォメス・フォメンタリウス―キノコ菌の新たな展望》2016年 Photo : ニーナ・ファーベルト

素材の可能性を追求するデザイナーたち

「MIYAKE Issey + Reality Lab.」や「ゴールドウイン」など、素材の可能性を追求するブランドの作品も展示されています。なかでも注目したいのが、「アンリアレイジ」

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今回、展示されるのは2016年春夏コレクションで発表した、受けた光を跳ね返す再帰性反射性インクを使用した「REFLECT」と、光を浴びると新品のホワイトデニムが古着のインディゴブルーデニムへと表情を変化させるフォトクロミック技術を採用したデニムパンツ

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これを服に使うの?? だとか、なんじゃこりゃ!? と、驚くようなモノを服の素材にしてきた同ブランドのデザイナー、森永邦彦さんは、「素材とは可能性の塊です」と話します。

アンリアレイジのデザイナーにインタビュー

思いもよらないところから出発して服を作りたいんですよね。ボールペンのインクで洋服を染色できないだろうか、道路にプリントされている交通サインの溶剤で洋服をプリントできないだろうか、ペットボトルの立体的なフォルムを作るように洋服を真空成形できないだろうか、紙幣やパスポートのホログラムを洋服に織り込めないだろうか......」(森永さん)

森永さんの目には、映るものすべてが服になりうるものと捉えられているよう。デザインされてこなかったものを形にする着眼点こそが、彼にとっては重要なのです。

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素材にこだわるデザイナーである森永さんに、改めてお尋ねしました。素材の進化でファッションは変わると思いますか、と。

「人の身体が変わらないと新しい洋服は生まれないと言われていますが、人の身体はなかなか変わりません。そうなると100年以上変わっていない服作りのなかで新しい服を生むには、道具や素材を変えるしかありませんよね」(森永さん)

なるほど......! 服は人間の身体を覆ったり、身体の形に合っていなければならなかったりと、仕上がりの制約があります。どんな形もありうるアートとは違い、機能性を加味しなければならない。となると、新しい服へと導いてくれる要素の1つに、素材は確実になりえるのですね。

今後のデザインの進化にも期待が高まる企画展。建築家、内藤廣さんが設計した美術館自体も美しいし、三宅一生さんによるスタッフユニフォームも必見です。

富山県美術館開館記念展 Part2 素材と対話するアートとデザイン

会期:〜2018年1月8日(月) 場所:富山県美術館(富山県富山市木場町3-20) 開館時間:9:30〜18:00(入館〜17:30) 休館日:水(祝日を除く)、祝日の翌日、年末年始 ※2017年12月24日は臨時開館 観覧料:一般1,300円

富山県美術館

多田亜矢子

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