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マーメイドに会えるバー。オフビートな観光スポットに [The New York Times]

The New York Times

マーメイドに会えるバー。オフビートな観光スポットに [The New York Times]

アメリカ北西部モンタナ州の都市、グレートフォールズ。マルムストローム空軍基地があるこの市は、最近、ある調査で「ゲイフレンドリーな都市」の州最下位になった。59,000人の大半がコンサバティブな保守派とされる。

そんな硬派なイメージとかけ離れた、ゆるーい魅力を放っているのが、「人魚に会えるバー」Sip'n Dip(シップンディップ)だ。

ブルーの照明でラグーンを演出

Sip'n Dipは「オヘア・モーターイン」というモーテル内にある、一見普通のポリネシア風ティキバーである。

洞窟のような店内には2枚の大きな窓があり、そこから直接プールの中が覗ける仕組みになっている。日中はモーテルのゲストが泳いでいるプールは、夕方のハッピアワー以降、閉鎖されてマーメイド専用になる。

人魚のコスチュームをまとい、ゴーグル、ロングヘアのウィッグを着けた女性が2人ずつペアになって登場。ひっくり返ったり、お尻を揺らしたり。20秒毎に息継ぎのために、水面に浮かび上がるため、その間だけは姿が見えなくなる。

マーメイド、募集中

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オヘア・モーターインの一角にあるキッチュなオアシス、Sip'n Dip。マーメイドがガラスの向こうで演じる水中ショーが一番の売り。2017年9月22日モンタナ州グレートフォールズで撮影(Rich Addicks/The New York Times)

マーメイド役を務めるのは現在、計12人。そのうち3人が産休を取っているので実際は9人で週6日のシフトを回している。

「誰かマーメイドできる人知らない? ホント困ってるの。でも、ブラトップと尾ビレのスーツがOKな人だけよ」と言うのは、女性支配人のサンドラ・ジョンソン=セレスさん。

マーメイドの一人、クローディアさんは、この仕事の一番難かしいところは「キャラクターになりきったままでいること」だと語る。4時間のシフトの終了間際になると、どうしても現実の生活に引き戻されてしまうそう。「副業はマーメイド、なんて言ったら経営陣はどんな顔をするかしら」という彼女は、昼間はお堅い普通の仕事に就いている。

男性版マーメイドの求人に反応したのは......

最近、サンドラさんは、オンラインメディアで注目を浴びた。

「男性版マーメイド、マーマン急募」「毎週火曜、レディースナイト勤務- Sip'n Dipにて」という求人広告をオンラインに出したところ、その投稿がネット上で拡散。これにモンタナ州知事や同州選出の議員らまでが反応した

「やばい! 先約があったんだ」とスティーブ・ブーロック同州知事がツイート。「参ったな〜忙しいんだ」とジョン・テスター連邦上院議員も。ティム・フォックス州司法長官が「Speedo(スピード)@ドライクリーニング」と参戦すると、「大丈夫、僕のを貸してあげる!」とライアン・ジンキ連邦内務長官も応戦のツイッター。

きっかけは母と娘のブレスト

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「ピアノ・パット」ことパット・スプーンハイムさん。85歳の今も現役のピアニスト兼シンガー。彼女の演奏を目当てにこの店に訪れる客も多い。2017年9月22日モンタナ州グレートフォールズで撮影(Rich Addicks/The New York Times)

マーメイドは、モーテルのオーナー一家のサンドラさんのアイデアだ。

半世紀以上前の1962年に開業したモーテルは、90年代半ばに経営危機に直面した。高速道路の近くに別のモーテルがオープンし、宿泊客が激減したのだ。バーラウンジから見えるプールに人影はなく、店の売上も激減した。

ある夜、サンドラさんは、客席で飲みながら母親と一緒にブレストし始めた。「人魚を雇わなきゃ、って冗談だったのよ。でも、お酒が進むにつれて、どんどん話が盛り上がって」

程なくして最初のマーメイドたちがデビューした。グリーンのテーブルクロスをダクトテープで留めて尾ビレに見えるようにしただけの衣装で。

この仕掛けはあっという間にヒット。客足が徐々に戻り始め、サンドラさんはレースを施した本格的な衣装作りに取り掛かった。

いつしか、「マストビジット」スポットに

海のない内陸のロケーションにありながら、南の島風コンセプトへの徹底したこだわり。最近、ちょっと風変わりな「知る人ぞ知るスポット」として、遠方からわざわざこの店を目当てにグレートフォールズを訪れる人が増えている。

普通の観光地に飽き足りない人向けに、オフビート(穴場的)な観光スポットを紹介するウェブサイト「ロードサイド・アメリカ」創設者のケネス・スミス氏は言う。「こういった一風変わった小さなスポットは人間味が溢れています。だから皆、遠く離れた場所まで探し求めるのでしょう」

© 2017 The New York Times News Service[原文:Welcome to the Campiest Place on Earth/執筆:Brooks Barnes](抄訳:Ikuko T.)

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