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アマゾンが年末商戦で押す「メイド・イン・インディア」[The New York Times]

The New York Times

アマゾンが年末商戦で押す「メイド・イン・インディア」[The New York Times]

今年、アマゾン・ドットコムで革靴や高級シーツといった人気のクリスマスギフトを探すと、お得商品は意外な場所から出品されている可能性がある。そう、インドだ。

出店するインド販売事業者は2万7000社以上

値下げを可能にする方法を常に模索するアマゾン。この2年間、インドの小売業者に対してアメリカ・サイトでの直販を積極的に呼びかけてきた。募集開始から少なくとも2万7000社が契約している。出店者は、腕時計ブランドTitanを展開しているReliance Industriesといった複合企業から、壁掛けやお香、手作りの銅製マグなどを販売するショップThe Boho Streetなどの中小企業まで、幅広い。

良いこと尽くめのパートナーシップ

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The Boho Streetの工房では、アマゾンに出品するベッドシーツを縫製していた。(Rebecca Conway/The New York Times)

アマゾンの努力の結果、消費者は商品を安く購入できるようになった。従来の輸入ルートであれば発生したはずのコストの一部が浮くからだ。アマゾンにとってもメリットはある。巨大な品揃えをさらに充実させ、出店者から高い手数料収入を得られるからだ。

インドの販売事業者にとって、アマゾンはアメリカ市場参入に関わる手間のほぼ一切を請け負ってくれるありがたい存在だ。The Boho Streetの創業者アビシェーク・ミッダさんは言う。「発送や顧客対応といったアメリカ国内の全業務をアマゾンに任せられるので、我々は最高品質の商品を作り、ラインアップを増やすことに集中できる」

かつてミッダさんは、Etsyを始めとする他のマーケットプレイスでも販売していたが、2年前にほぼ完全にアマゾン一社に絞った。同社の巨大な規模と充実したサービスのためだ。去年のサイバーマンデー(ホリデーシーズンのネットでのセール開始日)には、例年の4倍の売上を達成し、年間収益190万ドルの実現にもつながった。今年のブラック・フライデー(小売店などで大規模な安売りが実施される感謝祭明けの金曜日)は、売上が前日比で3倍になった。

「ブランドの作り方はアマゾンに教えてもらった」とミッダさんは言う。

インドは有望市場かつ重要な供給源

インド企業をターゲットにしたグローバル・セリング・プログラムの成長は、アマゾンの小売戦略の進化を物語っている。まず、アマゾンはインド第2位のECサイトAmazon.inを運営し、拡大するインドのネット購買者層にサービスを提供している。同時に、アマゾンにとってインドは、特に衣料品などの重要カテゴリの商品を安く高品質にアメリカ市場に供給できる生産国でもある。つまり、ウォルマート等の競合からマーケットシェアを奪う戦略を支える存在だ。

インドのグローバル・セリング・プログラムを統括するアビジット・カムラさんによると、アメリカ人は既にコットンタオルなどのインド製品を多く購入していると言う。「我々が目指すのは、グローバルなサプライチェーンを圧縮し、売り手と買い手の距離を縮めること」

アマゾンで販売されるインド製品

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バンガロールの街角に掲示されているアマゾンEコマースのビルボード看板(左)(Kuni Takahashi/The New York Times)

アマゾン・ドットコムで販売される1700万点のインド製品の中には、サリーなどインド系アメリカ人に訴求する商品もあれば、ジュエリーや健康商品といった、より一般受けするカテゴリも含まれるとカムラさんは言う。

アメリカ人消費者が見つけやすいように、インド商品の多くは特設ページAmazon.com/Indiaに掲載されている。年末商戦に備え、アマゾンは何か月もかけてインドの販売事業者と協力し、アメリカ国内の在庫を積み上げ、客の関心を引くためのタイムセールの準備をしてきた。在庫拡充のために販売事業者に融資した例すらある。

旨味のあるサービス事業

インドの海外販売プログラムはアマゾンにかなりの利益をもたらしている。広告から倉庫管理、発送までを含む包括的なサービスを契約した販売事業者は、通常、商品の販売価格のおよそ3分の1を諸々の手数料としてアマゾンに納めるからだ。

コンサルティング会社、ベイン・アンド・カンパニーの米州小売部門の統括責任者であるアーロン・チェリスさんによると、アマゾンにとって販売事業者は欠かせない存在だと言う。「アマゾンは自社の販売より販売事業者を相手にしたサービスからより多くの利益を上げている」。アマゾンによれば、通販サイトの販売個数の過半数は販売事業者の売上で成り立っている。

アメリカ人消費者のニーズを掘り起こしたインド人起業家

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ベッドシーツ用の布を黄色に染めた後、干している様子 (Rebecca Conway/The New York Times)

アマゾン・ドットコムのような密集したサイトで人目をひくためには、ニッチ商品が強みになる。Rajlinenの創業者クリシュナ・ムラーリさんのニッチ商品は、RV車(キャンピングカー)のベッドサイズに合わせた高級コットンシーツだ。

電子工学の技術者だったムラリさんは「RV車は見たこともない」そうだが、米メーカーの特注マットレスの存在を知り、RV車向けのマットレスの画像を研究したと言う。インド中部のインドールにあるムラリさんの工場は、RV車向けのシーツセットをアメリカで年間10,000セットも売り上げており、その多くはオーダーメードだと言う。

アマゾンCEO、インド事業に50億ドル投資を宣言

アマゾン・ドットコムには世界各国の販売事業者が出店しているが、アマゾンが最も積極的に出店を募っているのは安価な物品の供給源であるインドと中国だとチェリスさんは言う。

国内勢が幅を利かせる中国と違い、インドはアマゾンの巨大EC市場でもある。インドにおける商取引の大半はオフラインで行われているが、スマートフォンを通じてインターネットの普及が急速に進んでいる。アマゾンのCEO、ジェフ・ベゾス氏は13億人の人口を抱えるインドを自社の将来にとって欠かせない市場と捉え、インド事業拡大のために最低50億ドルを投資すると宣言している。

国内ECサイト、保護政策を打ち出すよう政府に要請

販売量でインド第一位のECサイトFlipkartは、中央政府に対し、赤字を辞さない海外企業による不当な競争から国内のインターネット企業を保護する政策を可決するよう圧力をかけている。一方、アマゾンは、ナレンドラ・モディ首相の最優先課題の一つである輸出を促進しているとして、自らを優良な企業市民と位置付けている。

© 2017 New York Times News Service[原文:Amazon, in Hunt for Lower Prices, Recruits Indian Merchants/執筆:Vindu Goel](翻訳:Ikuyo.W)

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