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離婚して不要になった婚約指輪のつかいみち [The New York Times]

The New York Times

離婚して不要になった婚約指輪のつかいみち [The New York Times]

摩天楼の夜景がきらめくマンハッタンのルーフトップ・ガーデンで開かれた、エマ・ジョンソン著『The Kickass Single Mom(最高のシングルマザー)』の出版記念パーティ。エンパイア・ステート・ビルディングを見晴らすこの会場は、離婚女性が手放したダイヤモンドの婚約指輪の売買仲介ビジネスで急成長している企業、Worthyのオフィスだった。

不要な指輪をネットオークションで売却

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離婚したシングルマザーを応援、ネットオークションで婚約指輪の売買仲介をするWorthyのオフィスで開かれた出版記念パーティ。2017年10月17日ニューヨークで撮影 (Dina Litovsky / The New York Times)

イスラエル人ビジネスマン、ベニー・デ・カーロ社長が創業したWorthyは、ダイヤモンドの指輪を売りたい個人と、その多くは小規模の宝石商やジュエリーデザイナーという買い手の橋渡し役を務める。手数料の相場は、5000ドル(約56万円)相当の指輪で20%、より価値が高い指輪の場合は率が下げられる。売り手が指輪をWorthyに送ると、鑑定して評価額を算出し、ネットオークションが開かれる。設定された最低競売価格に達する前なら、いつでも出品を取り下げられる仕組みだ。

辛い経験を癒やすセラピーにもなる

オークションにかかる日数は大体2日間。出品された指輪のおよそ20%は、最低競売価格に達しないため売買が不成立になるという。売れなければ、手数料は発生しない。Worthyがユニークなのは、不要になった婚約指輪を売ることは、辛い離婚を経験した女性にとって優れたセラピーになると考えている点。単なるオークション業者ではなく、離婚女性に癒しと、過去をふっきり新しいスタートを踏み出すきっかけを提供する企業であると自負しているのだ。

そのため、自社のホームページやブログ、前述のパーティのようなイベントを通じて、離婚女性に向け「婚約指輪を売る」というアイデアを積極的に広めている。また、売り手に働きかけるスタッフは、彼らの顧客がくぐり抜けてきた離婚に至るまでの「長い道のりを理解できるように」トレーニングも受けている。宝石鑑定士チームのチーフは元ティファニーに勤めていた宝石のプロで、問い合わせの電話では、売り手が持つダイヤの価値についてじっくり説明することもしばしばだ。

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『The Kickass Single Mom』を出版した著者、エマ・ジョンソン (Dina Litovsky / The New York Times)

喜びの声を寄せる利用者たち

Worthyのオフィシャルサイトなどに、ライフスタイル関連の記事を書いている編集ライターのステーシー・フリーマンさん(45)は、離婚歴がある3人の子どものシングルマザー。泥沼の離婚劇を体験した彼女自身はもらった婚約指輪を売らずに、ペンダントにリフォームして母親に持ってもらっているというが、「必要ができたら売ればいいから、保険証書みたいなものね」と話す。彼女の記事のテーマは一貫して、離婚してシングルになった女性の生き方や暮らし方であり、おすすめの出会いスポットからマネープランまで幅広いトピックスが特徴。

コネチカット州オックスフォードに住むモーラ・インライトさん(49)は、Worthyの典型的な利用者像に近いといえる。2012年に11年間の結婚生活に終止符を打ったのち、婚約指輪はしばらく手元に置いていたが、ある日、どのくらいの価値があるのかみてみようと思い立った。

「現金化することを考えるたび、だまされるんじゃないかと心配でした。ほんの数千ドル程度で売り払いたくはなかったので」。そんなとき、ネットでWorthyを知りコンタクトをとったところ、担当者がすぐに折り返し連絡してきた。「その素早さが決め手でした。私は忙しいものですから」とモーラさん。彼女の指輪は7000ドル(約78万円)で売れた。以来、離婚した友人みんなにWorthyを勧めているという。

このほか、同社はさまざまなコンテストも主催している。

1年間の結婚を解消したあと、自分のビジネスを立ち上げた経緯を書き送ったミルウォーキー在住のジャネル・ジョンソンさん(34)は、旅費と滞在費込みのニューヨーク旅行をみごと勝ち取った。しかも、ジョンソンさんの留守中、2人の子どものチャイルドケアにかかる費用もWorthyが支払った。彼女の婚約指輪は350ドル(約4万円)と購入時の4分の1のプライスで売却されたが、ニューヨーク滞在中のディナーの足しになったし「十分満足よ」とジャネルさんは笑う。

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(Dina Litovsky / The New York Times)

マルチに話題づくりをする戦略が的中

Worthyの成長はめざましい。1年前は30件にも満たなかった1日のオークション回数は、今では100件を超える。グーグルの人気検索ワードのランキングでは、大手のWPダイヤモンズにも迫る勢いだ。売り手と買い手双方に働きかけるため、異なるチャンネルを試した結果、ブログとコンテンツ、パートナーシップの3本柱を充実させることが最も効果的とWorthyは判断したとマーケティングの専門家は分析、しばらくこの路線を続けるだろうとみている。

出版記念パーティにオフィスを提供した作家のジョンソンさんとも、Worthyは協力関係を結んでいる。自社のウェブサイトで彼女の新作の本を宣伝する代わり、ジョンソンさんもまたWorthyの取材記事を発表するほか、彼女自身のホームページ経由で売り手が成立した場合にはリベートが支払われる。

「私の読者とWorthyの売り手はぴったり一致しているの。まるで完璧な結婚みたいにね」とジョンソンさん。ただし、そこに指輪は必要ない。

©2017 The New York Times News Service[原文:Company Markets Itself to the Newly Divorced With a Ring to Sell/執筆:Alina Tugend](翻訳:十河亜矢子)

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