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自分の最期は自分で決めたい。ある男性が選んだ方法は...... [The New York Times]

The New York Times

自分の最期は自分で決めたい。ある男性が選んだ方法は...... [The New York Times]

あるマイアミ在住の男性は、自分が望む最期を迎えられるように入念な準備をしていた。「蘇生不要」というタトゥを胸部に入れていたのだ。否応無しに目に入ってくる、鎖骨近くの黒い太字。読み間違えを避けるために、「不要」の部分には下線すら引いてある。さらに、本人の署名を模したタトゥも下に入っていた。

入院時には意識不明で身分証なし

ある意味、この意思表示は役立った。肺病や心疾患、糖尿病という病歴があったこの70歳男性は、今年、ジャクソン記念病院に運び込まれた。意識不明の状態で、身分証を携帯せず、血中アルコール濃度も高かった。

タトゥの意味するところは?

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今年マイアミの病院で死亡した、「蘇生不要」のタトゥを胸部に入れた男性の写真(署名部分はぼかし入り)。撮影日不明 (The New England Journal of Medicine via The New York Times)

総合医学雑誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの11月30日号に掲載された記事によると、一定の処置後も、男性は受け答えできるほどまでに意識を取り戻さなかった。タトゥで書かれたメッセージははっきりしていたが、男性がそのタトゥを衝動的に入れたかどうかは測りかねた。結局、医師達は生命倫理の専門家であるケネス・W・グッドマン博士に連絡を取った。男性の明白な希望に沿うようにという助言を受けた後、最も侵襲的な延命治療を見送ることにした。その結果、男性の容態は悪化し、死亡した。

生命倫理の専門家の意見

マイアミ大学医学部の生命倫理・健康政策研究所の所長であるグッドマン博士は、タトゥは熟慮されたものである、という判断を下した。「この男性は、『不要』という言葉を強調したタトゥをわざわざ入れていました。それも自分の署名までタトゥにしてもらっていた。実際にその気がなかったら、そんな手間はかけなかっただろうし、毎日鏡で目にして暮らさなかったはずです」とグッドマン博士は電話の取材に応じた。

終末医療についてのコミュニケーションはまだまだ不十分

(生命・医療倫理専門のシンクタンク)ヘイスティングス・センターの研究員で医療倫理の専門家であるナンシー・バーリンジャーさんは、医師らが専門家に助言を求め、患者の意思を尊重したことを評価する。終末医療に関して医師と患者間の意思疎通の向上を求める運動が高まりつつあるが、まだまだ道のりは長いとバーリンジャーさんは言う。親しい友人や家族とでさえ、自分の死について話したがらない人は多い。

医療施設が患者の希望を記録し、確認してくれるのか信用できない患者もいるだろう。また、終末医療や蘇生措置に関する希望を通知する方法についても、州や病院ごとに基準が異なる。「どうやって打開してよいのか分からない行き詰まった状態です。それでも、この男性はどうにか自分で問題を解決しようとしました」とバーリンジャーさん。

蘇生措置に関する意思を表明するための事前指示書

アメリカでは、緊急時に蘇生措置を拒否する権利が認められている。そして、単身で無能力状態に陥った場合に備えて、自分の意思を事前に公表しておくことができる。記録の方法は州によって異なり(タトゥの使用が含まれる州はない)、フロリダ州ではある様式を記入することになっている。マイアミの男性が亡くなる前、男性がその書類を事前に記入していたことがわかった。入院時に携帯されていなかったが、その後ソーシャルワーカーが発見した。

雑誌掲載記事の中で、医師達はこう述べた。「男性のタトゥは究極的に、本人の意思を明確に示したというよりも、混乱を招いた。無能力状態で最期を迎えた場合の伝達手段としてタトゥを使用することを、本報告は肯定も否定もしない」

事前に意思を伝えて、と専門家

今回の件で、事前指示書に対する世間の関心が高まる可能性があるとグッドマン博士は言う。このようなドラマチックなニュースが報道されると、人は自分の将来をもっと考えるようになるからだ。「事前指示書の重要性への関心は一時的なもの。大人なら、家族や友人に自分の希望をちゃんと伝えておくべきです」とグッドマン博士は言う。

© 2017 New York Times News Service [原文:His Tattoo Said 'Do Not Resuscitate.' Doctors Wanted Another Opinion/執筆:Jacey Fortin] (翻訳:Ikuyo.W)

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