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俺だいじょうぶかな? セクハラ報道で男性側も戦々恐々 [The New York Times]

The New York Times

俺だいじょうぶかな? セクハラ報道で男性側も戦々恐々 [The New York Times]

アメリカでは2017年、セクハラに関する女性たちの告発が相次いだ。大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン、政治ジャーナリストのマーク・ハルペリンなど著名人に対するセクハラ告発が注目を集め、ハッシュタグ「#MeToo(私も)」がムーブメントとなり、多くの女性がソーシャルメディアへの投稿で自らのセクハラ体験を明らかにした。

全米の職場でセクハラがまん延していることが発覚し、多くの米国人男性は自分の行動を振り返り、自問している──自分は大丈夫だろうか? 女性と平等に接してきたつもりだが、もしや無意識のうちに一線を越えてはいなかっただろうか?あるいは微妙で際どい行動をとっていないだろうか?

「パーティーをキャンセルしたい気分」

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サンフランシスコのデザイン会社、KBMホーグでディレクターを務めるオーウェン・カニンガムさん。2017年11月9日撮影 (Peter Prato/The New York Times)

サンフランシスコのデザイン会社、KBMホーグでディレクターを務めるオーウェン・カニンガムさん(37)は、会社の忘年会を控えて戦々恐々としている。男性と女性はどう交流すべきか、考え直して答えがはっきり出るまで「パーティーをキャンセルしたい気分だ」。

カニンガムさんは性差別の問題について、自分は敏感な方だと思っていた。けれど、近ごろの報道などを見て、これまでの自分の行動はどうだったか、深く考え直しているという。「女性への軽口はOKなのか?自分のちっぽけな権力を振り回してはいなかっただろうか?分からなくなってしまったんだ」。

やはりサンフランシスコでコンサルティング会社、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)に勤務するニック・マシューズさん(42)。「何も間違ったことをしたことはないと思う。けれど、自分の意図と違う風に捉えられたことがあるかどうかは分からない

「グレーゾーンがあると考える方がおかしい」

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サンフランシスコ中心部の朝のラッシュ。2017年11月9日撮影 (Peter Prato/The New York Times)

セクハラ問題について意見交換し考えるために、社内や業界内で男性だけのチャットグループを作る動きも生まれている。話し合う中で、友情や好意とセクハラの間の一線は越えやすいので、今よりももっと慎重に女性と接していくという男性もいた。男女平等への意識が高い男性の間でもセクハラ行為が起こり得る、というのは理解しがたいという意見もあった。

だが、サンフランシスコのチケット販売会社「ゲームタイム」の人材採用担当オースティン・ギルバートさん(31)は、逆に職場でのオンラインチャットによる「男性同士の会話」を警戒している。ハラスメント的なコメントをかえって「闇に葬ってしまう」可能性があるからだ。同社では「高校生みたいな内輪のチャット」グループを閉鎖してきた経験がある。「会社の方針として従業員には、オンライン上のコミュニケーションを監視することを伝えてある」と言う。「けれど実際には小さな会社では、誰も責任を持ってそうしたことはしていないのが普通だ」。

許されるハグの境界線はどこか?

長年、男女の従業員に反ハラスメント研修を義務づけてきた企業も多い。だが、米雇用機会均等委員会(EEOC)の昨年の報告によると、こうした研修の大半は効果がなく、職場でのハラスメントに関する報告は実際の発生件数よりもかなり少ない。

報告作成に関わったジョナサン・シーガル弁護士は最近、男性たちから職場での振る舞い方について妙な質問を受けることがあると言う。フロリダ州パームビーチで先月行われたある資金集めパーティーでは、複数の男性から、女性にハグをするのはよいか、許されるハグの境界線はどこかと質問された。

シーガル弁護士は、ハグをしてもよいかどうかは前後の流れや状況、相手との関係性などによると説明し、そもそも平等な関係に基づく友情と性的暴力の間に「グレーゾーン」があると考えてしまう方がおかしいと述べた。例えば、異性の旧友にハグをする場合と、職場のデスクで仕事をしている女性の同僚に後ろから抱きつくのとは全く違う。「その違いが分からないと言うならば、ハグはすべきではない」。

「女性を避けることは答えにならない」

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(Peter Prato/The New York Times)

シーガル弁護士が行っている反ハラスメント研修の延長に「セーフ・メンタリング」というプログラムがある。職場での人材育成において、男性が若い女性に指導を行う際、性的に不快な思いを与えずに指導する方法を伝授している。

ある日のセッションでは1人の男性管理職が、スポーツイベントのチケットが1枚余っていても男性の同僚しか誘えない気がすると言った。そこでシーガル弁護士は、セクハラにならずに女性の同僚を誘うにはどうしたらいいか、とテーマを振った。「女性を避けることは、セクハラの答えにならない」と言う。

それでも、マイク・ペンス副大統領にちなんだ「ペンス・ルール」を守っている男性たちもいる。保守的なキリスト教福音派のペンス氏は、妻以外の女性と二人きりでは食事をしないこと、アルコールが出されるイベントには妻の同伴なしでは出席しないことを公言している。

一方で、女性の同僚に直接、セクハラだと思うことがあるかどうか尋ねてみるのが一番だと言う男性たちもいる。組織マネージメントに関するカリフォルニアのコンサルティング会社「テーブルグループ」の創始者、パット・レンシオーニ氏(52)は「職場の女性に実際に聞いてみる」ことを実践した。

「セクハラ問題についてオフィスでみんなに聞いてみた。『この職場でこういうことが起こるのを心配したことはあるかな?』。するとこんな答えが返ってきた。『あり得ません、あなたがどういう人か、私たちは分かっているから』」。このアプローチは広く有効ではないかとレンシオーニ氏は言う。

企業の忘年会対策、「薄めカクテル」も

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(Peter Prato/The New York Times)

男性の不適切な行為について声を上げようという機運が女性たちの間で高まる中、今年は忘年会など飲酒付きの年末イベントが問題にならないか、懸念している企業もある。ニューヨークのイベント企画会社「23レイヤーズ」のサラ・フリードマン副社長によると、多くの企業では例年、週末の木曜か金曜の夜にパーティーを設定しているが、今年はそれを月曜や火曜の夕方に変更した企業があるという。また、これまで設営していたオープンバーをゲームコーナーに変える企業もあった。

あるクライアント企業からは、パーティー用カクテルを「とにかく薄めて」出してほしいと依頼された。変わっているが賢い注文だとフリードマンさんは思った。仕事の後のイベントは、セクハラの「最前線」。だから企業は「安全対策に抜かりがない」のだと、フリードマンさんは納得している。

©2017 The New York Times News Service[原文:Men at Work Wonder if They Overstepped With Women, Too/執筆:Nellie Bowles](抄訳:Tomoko.A)

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