1. Home
  2. キャリア
  3. ジャズのNetflix? クインシー・ジョーンズが動画配信サービス開始 [The New York Times]

ジャズのNetflix? クインシー・ジョーンズが動画配信サービス開始 [The New York Times]

The New York Times

ジャズのNetflix? クインシー・ジョーンズが動画配信サービス開始 [The New York Times]

ジャズの歴史の中で長らく愛好家たちは、新しいお気に入りの曲を見つけるためにラジオを聴いたり、図書館所蔵のレコードの中から探したり、LPレコードやビデオをレンタルしたりしていた。しかし今日では、オンライン上......とりわけYouTube上で探す人がめっきり多くなった。メジャーアルバムのほとんどが、動画ストリーミング・プラットフォームに進出している。また、コンサートのブート盤、スタジオ・セッション、古いドキュメンタリー映像など、かつてトラックダウンが不可能と言われていたものも動画配信されるようになった。

ジャズ界の巨匠がローンチ

そして今、ジャズ界からハイクオリティな動画コンテンツばかりをキュレーションしたライブラリーを提供する新たな動画プラットフォームが登場した。これにより、業界のレベルが一段と底上げされそうだ。ジャズ・ミュージシャンで音楽プロデューサーのクインシー・ジョーンズは、このたび「Qwest TV(クウェスト・ティービー)」をスタートした。「Qwest TV」はコンサートやドキュメンタリー映像のオンライン・ライブラリーで、そのほとんどがYouTubeなど他の動画ストリーミングサイトでは視聴できない独自コンテンツとなっている。

「人は、聴いたことの10%、観たことの30%だけを覚えているものだ」。ジョーンズはあるインタビューの中でこのように発言している。そして、「Qwest TV」については、このデジタル時代にジャズが生き残るための手段になると語っていた。

12月15日のサービス開始時には、50種類の動画を配信する。その多くは30~90分くらいの長さだ。たとえば、今年亡くなったジャズ歌手のアル・ジャロウのドキュメンタリー動画、ジャズ・ピアニストのジェイソン・モランがトリオで演奏するコンサート映像などが視聴できる。「Qwest TV」は、いわばジャズに特化した「Netflix(ネットフリックス)」のようなもので、会員登録すれば少額の月額料金でビデオ・ライブラリーが見放題だ。

84歳にしてキックスターターで資金集め

「Qwest TV」のアイデアが生まれたのは、2014年のことだった。フランスのテレビプロデューサーのレザ・アクバラリー(39)が、ジャズ音楽祭「Jazz à Vienne(ジャズ・ア・ヴィエンヌ)」でプログラマーとして働いていた時に、会場でジョーンズに話を持ちかけたことがきっかけだったという。ジョーンズは「彼が私たちのところに来て『独自の音楽チャンネルを作ろうよ』と言ってくれたので、私も『よし、やろう』と言った」と当時を振り返った。

ジョーンズは、84歳にして驚くほど進歩的な考え方を持つ人物だ。彼はアクバラリーとともに、ジャズ史に残る名曲だけでなく、最先端のジャズ音楽の広がりと活気をも「Qwest TV」の動画コンテンツに正確に反映させるようにしている。最近のメインストリームからも積極的にピックアップしたり、アヴァンギャルドな選曲も行っているのだ。

このアイデアは、どうやら好評なようだ。クリエイティブなプロジェクトのためのクラウドファンディング・プラットフォーム「Kickstarter(キックスターター)」で今年初めに資金調達を行ったところ、目標金額の2倍近い約16万ドルが集まった。月額使用料は、標準画質ならたったの9ドル以下、高画質なら12ドル程度だ。年会費を選択すると、もう少し割安になる。ユーザーは、スマホでもパソコンでも視聴でき、同期ソフトを使えばテレビでも楽しめる。

「たしかに、ニッチなマーケットだと思う。でも、ジャズの素晴らしいところは、国境を超えて人々に愛されているということだ」。アクバラリーは、こう強調した。「たとえば、チューチョ・バルデスやカマシ・ワシントンなどといったジャズ・ミュージシャンでは、スタジアムを3万人で埋め尽くすことはできないかもしれない。でも、世界中の主要都市ごとに500~7,000人くらいのファンを集めることはできるんだ」

若者がジャズに触れる機会に

ジョーンズは、全米の教育機関との提携にも意欲的だ。ジョーンズは米国政府について「文化省がないことは、これは国民にとって大きな痛手だ」と不満を漏らした。そこで、全米の学生が「Qwest TV」の動画を自由に視聴できるようにして、ジャズ史上の名曲から最先端のトレンドまで「若者がジャズの最新情報を知る」一助になればいいと意気込みを語った。

「Qwest TV」のコンテンツは、そのほとんどが欧州のテレビ局から提供されたものだ。欧州では、このような番組に対し支給される公的助成金の金額が一般的に米国よりも大きい。また、ジャズに対する興味関心も、本場米国より欧州の方が高いという。アクバラリーは、これらの欧州産コンテンツについて国際配信ライセンスを取得し、「Qwest TV」を米国における独占配信サービスとした。

しかし、このサービスはまだそこまで有名ではないようだ。近年、映画館で上映された米国製のジャズ・ドキュメンタリー映画(『I Called Him Morgan』や『What Happened, Miss Simone?』など)のほとんどが、「Netflix」との独占契約を結んでいるのだ。

「もちろん、世界をジャズ一色に染めるつもりなんてない」アクバラリーはこう前置きしつつも、「グルメなレストランとでも言った方が、しっくりくるかもしれない。毎晩テーブル20個が埋まれば、それで充分。ハイクオリティな動画をうまくキュレーションしてHDで提供し、視聴者との間に良好で密接な関係が築ければ、それで充分ということだよ」と今後の希望を語った。

© 2017 The New York Times News Service [原文:Netflix For Jazz? Quincy Jones's Qwest Tv Takes Concerts And Films Digital/執筆: Giovanni Russonello] (抄訳:吉野潤子)

  • facebook
  • twitter
  • hatena

    Ranking

    1. 「そうだ、京大行こう」/お金にならない学び #1

    2. やる気がでない人は充電の仕方が間違っていた!

    3. 副業でもっと稼ぎたい? このスキルがあなたを後押しする

    4. 更年期だけじゃない。誰にでも起こるホットフラッシュの6つの原因

    5. 平成生まれと昭和生まれの意識調査、意外な結果に

    6. これからは「生き方が働き方」に。好きなことを仕事にしていくヒント

    7. あなたの目は大丈夫? 働く女性の目元問題、ウソ、ホント。

    8. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    9. 「直感に従えば、必ず答えが見つかる」理由

    10. 雨だけど「髪、まとまってる! 」って歓喜したい

    1. 平成生まれと昭和生まれの意識調査、意外な結果に

    2. 信頼されている人は、この姿勢を忘れない

    3. 更年期だけじゃない。誰にでも起こるホットフラッシュの6つの原因

    4. もしも部下が発達障害だったら?

    5. やる気がでない人は充電の仕方が間違っていた!

    6. 犬 「なんて登り降りしやすいんだ!」

    7. 「いつでもおしゃれ」な人のワードローブのルール

    8. もっと早く知っておきたかった「独学」のこつ

    9. Facebookにサヨウナラ。しあわせな人間関係を呼ぶ4つの習慣

    10. 「何をやっても痩せない」から卒業!

    1. 性欲がないのは歳のせい? いいえ意外な理由があるんです

    2. 仕事ができる人ほどランニングをするのは理由があった!

    3. 「その症状はストレスのせい」と教えてくれる8つのサイン

    4. 「週一納豆」が身を助ける。納豆の驚くべきパワー

    5. もしも部下が発達障害だったら?

    6. 平成生まれと昭和生まれの意識調査、意外な結果に

    7. お金が自然と増えていく「貯金体質」の身につけかた

    8. 信頼されている人は、この姿勢を忘れない

    9. 【緊急座談会】他人事じゃない! 働く女性のリアルな「更年期」事情

    10. ヨーロッパで最も裕福な王族 トップ5

    ジャズのNetflix? クインシー・ジョーンズが動画配信サービス開始 [The New York Times]

    FBからも最新情報をお届けします。