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ショッピングもコーヒーも思いかけず生まれた。NYタイムズ絶賛「気晴らし」の文化史

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ショッピングもコーヒーも思いかけず生まれた。NYタイムズ絶賛「気晴らし」の文化史

人生には、生きる上で必要不可欠なものがたくさんあります。しかし、生活必需品でない気晴らしの範疇にあるもののなかに、歴史上の偉大な発見があったりもするのです。スティーブン・ジョンソン著『世界を変えた6つの「気晴らし」の物語』より、長い歴史を経て身近にありつづける気晴らしのはじまりをご紹介します。

気晴らしとしてのショッピングのはじまり

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それまで服を買うことは、単純で実用本位のやり取りであり、露天商や商人との交換だった――卵や牛乳を買うのと大差なかった――が、見て回る「ウィンドウ・ショッピング」の活動は、それ自体が人気の体験になった。贅を凝らしたロンドンの店舗が生まれる前、人は具体的に買うべきものがあるときに市場に行った。

043~044ページより引用

ショッピングが気晴らしであるという働く女性、多いのではないでしょうか。遡れば、17世紀最後の2〜30年頃、ロンドンの高級エリアの通りに、おそらく史上初めての新しい店舗が生まれました。美しい織物、装身具、インテリア用品......。それらをずらりと並べる店舗が、数ブロックに集まったのだとか。

店先には大きなガラス張りのショーウインドウと、人目をひくスタイルで商品を並べた輝くディスプレイ。店内には美しい柱や鏡、照明と長いカーテンがひしめきあう魅惑の空間。1700年代初期のある評者は、その様子を「完璧に飾り立てられた劇場」と表現したといいます。当時の人々の驚く姿や、女性たちの心躍る様子が目に浮かぶようです。

こうした劇場風の今に通じるディスプレイのスタイルは、商品を買うという単純な行為だけではなく、これまでになかった雰囲気を醸しだすことが目的だったようです。必要だからモノを買う、という時代から、空間と時間を楽しむ気晴らしとしてのウィンドウショッピングが誕生した瞬間です。

気晴らしとしてのコーヒーのはじまり

人間がどうしてコーヒー好きになったか――そして、現在地球上で最も人気の高い精神活性化合物であるカフェインを常用するようになったか――の物語は、通常、エチオピアのハラルという都市から始まる。そこはコーヒーを実らせる植物、アラビカコーヒーノキが初めて栽培化されたと言われる場所だ。

しかし見方によっては、物語はそれよりはるかに古い。突き詰めると、アラビカコーヒーノキの遠い祖先が実のなかにカフェインを生成し始めたのは、その化学成分が心地よい精神的刺激を起こすことに人間が気づくはるか前のことだった。

334~335ページより引用

コーヒーこそ、オフィスですぐに気晴らしできるアイテムです。コーヒーが医薬品か快楽品なのかは、最初から紙一重だったといいます。短気記憶力を高め、眠気を抑えるという効用は、カフェイン飲料が持つ魅力であり大きな特徴です。17世紀のコーヒーの愉しみ方は、味覚だけではなく、ヨーロッパ人をしゃきっとさせ、記憶力高めるところにあったようです。

さらに、18世紀頃には、コーヒーと紅茶がヨーロッパの食事にかかせないものになっていったといいます。人がコーヒーの繊細な味そのものを楽しむようになるのは、19世紀から20世紀にかけて。コーヒーを愉しむ場所として、コーヒーハウスと呼ばれる社交場も整っていきました。最近、サードプレイスと呼ばれた世界的コーヒームーブメントも、今に始まったことではなさそうです。こうしてコーヒーは、だんだんと気晴らしのための飲み物へとなっていったのです。

本書では、このほかにも香辛料やバニラビーンズ、音楽などが誕生し、人間の生活に欠かせないものになるまでの興味深い経緯が綴られています。読んでみると、予想外の発見や驚きがありそうです。

世界を変えた6つの「気晴らし」の物語

著者:スティーブン・ジョンソン発行:朝日新聞出版 定価:2,100円(税別)

photo by Gettyimages

ナカセコ エミコ

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