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封建社会のサウジで変わりゆく女性たちの暮らし [The New York Times]

The New York Times

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封建社会のサウジで変わりゆく女性たちの暮らし [The New York Times]

女性にとって制約の多い社会として世界でも一、二を争う国、サウジアラビア。サウジの女性たちは一人で旅行することを禁じられ、就ける職業を制限され、車を運転することも人前で髪を見せることも禁じられている。そのサウジアラビアに変化のきざしが現われている。

ここへ来てサウジの実権を握った若き王子、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(32)が下す数々の決定は、サウジ女性の人生に革命をもたらすかもしれない。まもなく彼女たちはサッカーの試合をスタジアムで観戦できるようになる。要職にも女性が指名されている。今年6月からは女性にも車の運転が認められる。取り締まる交通警官の側にも女性が登場しそうだ。

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男女が別々のグループでくつろぐサウジアラビアの首都リヤドの公園 (Tasneem Alsultan/The New York Times)
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サイハトでのブックフェアのオープニング。私有地で開催されたために女性たちは顔を覆うベールを外していた (Tasneem Alsultan/The New York Times)

だが、改革の影響は、女性たち1人1人の住んでいる場所、年齢、宗教、さらに多くの人々が宗教的権利と考えている男性親族による女性支配を男性側が放棄する意志があるかどうかなどによって異なるだろう。

性別に基づいた厳格なサウジアラビアの法律は、イスラム教の教えを超保守的に解釈した延長とみなされることが多いが、実は社会に深く浸透した文化的な規範でもある。つまり、女性を解放する政策がどんなにハイペースで進んだとしても、文化が変化するには時間がかかるかもしれない。

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男性しかいないリヤドのショッピングモールの駐車場。今年6月からは女性の運転が許可されるが、それまで女性たちは男性の親族に頼るか運転手を雇うしかない (Tasneem Alsultan/The New York Times)
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アル・コバールで行われた家族向けのコンサート。サウジアラビアの公共スペースの多くは男女が別々になるよう設計されている (Tasneem Alsultan/The New York Times)

サウジアラビアでは公共の場のほとんどが男女別々になるよう設計されている。レストランの入り口で「家族用」とあるのは女性を含むグループのための入り口で、「独身用」とあるのは実際には「男性用」という意味だ。

首都リヤドのあるショッピングモールには「女性王国」と名付けられた女性専用フロアがある。わずかな例外を除いて学校は、小学校から大学まで男女別学。自分のことを特に信心深いと思っていない人たちでも、多くは同性としか交流しない。さらに保守的な人々の間では、自分の母親や娘、姉妹以外の女性の親族と付き合うことはほとんどない。兄弟の妻たちの顔は生涯一度も見たことがないという男性もいる。

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サウジアラビアのビーチで会った少女たち。6歳の女の子は「弟はここで泳げたけれど、私は泳げなかったことを忘れないわ」と言った (Tasneem Alsultan/The New York Times)
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サウジアラビアの結婚式で花嫁介添人を務める少女たち。花婿が到着するまで、女性の招待客は顔を隠している (Tasneem Alsultan/The New York Times)

外の世界を知った若者世代

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サウジアラビアのディルイーヤの浜辺でバーベキューをする男性グループと近くでそれを眺める女性グループ (Tasneem Alsultan/The New York Times)
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サウジアラビアの首都リヤドの男性向け洋品店 (Tasneem Alsultan/The New York Times)

けれどそうしたルールは昔ほど厳しくなくなってきている。サウジアラビアの人口2200万人のうち約3分の2は、30歳未満の若者たちだ。彼らは古い世代が体験したことのないほど外の世界に触れて育っており、アメリカなどの外国に留学経験のある若者も何万人といる。ソーシャルメディアや衛星テレビを通じ、サウジにいながらにして他国をよく知ることもできる。

自分たちならではのルールを作っている若者も多い。女性らしい体形を隠すために全身を覆う黒いガウン「アバヤ」の代わりに高級ブランドのアクセサリーを身に着けている女性もいる。イスラム女性の多くが頭にかぶるスカーフ「ヒジャブ」を、男性を寄せ付けないようにではなく、魅了するようにかぶる女性たちもいる。公共の場では服装を控えめにし、家族でない異性との交流を避けるという「常識」に従っても、プライベートな場では気ままに振る舞えるようになっているのだ。

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サウジアラビアのカティーフで週末、ホームパーティーに集まった女性の友人同士 (Tasneem Alsultan/The New York Times)
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聖地メッカのグランドモスクにある「ザムザムの泉」で水をくむ女性たち (Tasneem Alsultan/The New York Times)

多くの若者たちはそうした変化をとらえて、友人を集めて開く地下室でのコンサートや男女一緒のボードゲーム大会、無検閲のハリウッド映画を見る鑑賞会など、何とか苦労して男女交流の場を作り上げている。女性たちが外では絶対に着れない衣装で踊るサルサ教室だってある。

サウジ女性の立場は前国王の時代から少しずつ変わってきた。1960年代、故ファイサル国王は女子教育を導入し、保守派から非難を浴びた。国王は義務教育ではないとして批判をかわしたが、数年後には最も保守的な人々さえもが自分たちの娘を学校へ送るようになった。

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キング・ファハド国際空港へ向かう道路沿いで花を売る男性たち (Tasneem Alsultan/The New York Times)
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サウジアラビアの飲食店の多くでは男性と女性のコーナーは別々になっている (Tasneem Alsultan/The New York Times)

2015年に亡くなったアブドラ国王の下では、女性が初めて店員やスーパーのレジ係といった職に就くことを許され、国会に当たる諮問評議会の議員に30人の女性が加わった。

だが、アブドラ国王の死後、王位に就いたサルマン国王の息子、ムハンマド皇太子はダイナミックな若きリーダーとして頭角を現し、女性にとっても変化は加速している。女性の服装や男女の交流など大衆の行動を厳しく監視していた宗教警察は、ムハンマド皇太子によって権限を制限された。

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ジェッダのある家で開かれたサルサ教室に参加する女性たち (Tasneem Alsultan/The New York Times)
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サウジアラビアの学校の大半は男女別学だ (Tasneem Alsultan/The New York Times)

しかし、サウジ女性にとっては依然、多くの制約が残っているのも真実だ。女性のための運転学校はまだないし、保守的な男性はこれからも自分の妻や娘に運転させないだろう。すべてのサウジ女性はいまだにパスポートを取るのにも外国へ行くのにも、一定の職業に就いたり治療を受けたりするのにも、男性の後見人(通常は父親、夫、息子など)の許可を必要とされる。女性の権利団体らは、この男性後見人制度と闘うことを次の目標としている。

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雇い主の家族の結婚式で働くフィリピンから出稼ぎに来ている家事手伝いの女性たち (Tasneem Alsultan/The New York Times)

©2017 The New York Times News Service[原文:Change for Saudi Women, but Not at Once/執筆:Tasneem Alsultan and Ben Hubbard](翻訳:Tomoko.A)

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