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起業家にとって最強の応援団に/iSGSインベストメントワークス 佐藤真希子さん

インタビュー/働くあなたに伝えたいこと

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会議室へ入るなり、その日目にした新たなビジネスモデルを興奮気味に語るiSGSインベストメントワークスの佐藤真希子さん。それくらい熱く、いい意味で無邪気で、自分を飾り立てない。

インタビュー中に、悔しかった気持ちを思い出しほろりと涙する場面もあった。さまざまなことに泣き、笑ってきたキャリア。独立系ベンチャーキャピタル(以下、VC)のパートナーである「現在」へと歩んできた、佐藤さんの道を伺った。

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佐藤真希子(さとう・まきこ)さん

株式会社iSGSインベストメントワークス取締役・代表パートナー。株式会社サイバーエージェントへ新卒一期生として入社。同社インターネット広告事業本部に配属となり、3年目に同社ベストプレイヤー賞(MVP)を受賞。同社営業部門では初の女性マネージャーとして、営業に加え採用・組織構築において同社の事業拡大に貢献。その後、株式会社ウエディングパークへの出向を経て、株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズ出向。国内のシード・アーリーステージのベンチャー企業を対象とした投資事業に従事。2016年2月に独立系ベンチャーキャピタルにおける国内初の女性パートナーとして現職に就任。

子育てをしながら走り抜けた日々

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佐藤さんが新卒で入社したのは、創業2年目のサイバーエージェント。破竹の勢いで成長する企業を創業当時から中で見られる経験は、宝くじを当てるより稀有なのではないだろうか。佐藤さんの「本当に紆余曲折あった」という言葉だけでは想像もしきれないほど、刺激的な毎日だったに違いない。

「入社時の20人程度から、上場して数千人規模の会社になりました。その後、私はグループ会社で新規事業に携わっていましたが、急成長した頃の経験をもう一度したい、という思いが捨てきれなかったんです。ちょうどその頃、元上司に次のキャリアについて相談していたら『ベンチャーキャピタリストなら今までの経験も人脈も活かせるのではないか』と教えてもらって。サイバーエージェントにベンチャーキャピタル事業が立ち上がったタイミングだったので志願して、異動しました」

サイバーエージェント・ベンチャーズに異動したものの、いわゆる金融業は初めて。業務と並行して金融知識も必死で勉強したという。

9年間務める間に、子どもを3人産み、それぞれ半年で復帰しました。第一子が生まれた時は仕事と慣れない育児で、本当に毎日必死でした 。時短勤務だったので、担当している起業家と24時間向き合えないことに申し訳なさも感じていました。また、どんなに頑張って必死にやりくりしてもなかなか評価されにくいという現実もあって……」

ベビーシッターや家事代行サービスも駆使していたため、時短勤務によって額面の給料が減った分、マイナスになる月も続いた。幸いに上司や同僚の理解もあり働きやすい環境だったが、もっと自分を活かせる場所があるのではないか。そう思ったのは、77年生まれの同期VCが集まる会に参加したときだった。

「そこに集まっていた同期VCのみんなは代表取締役やパートナーという、ベンチャーキャピタルではトップの役職者ばかり。仲間のひとりに冗談交じりに『なんでほかのキャピタリストより圧倒的にキャリアも実績もあるのに出世しないの?』と言われたんです。その場では子育てやキャリアアップを希望していなかったことなどを理由に一生懸命言い訳していましたが、ずっとその言葉が心にひっかかっていて……。もし私がこの先もVCとしてキャリアアップできなかったら、当時少しずつ増えていた女性VCたちが将来の希望を持てないだろうなとも思って

それまで一度も転職を考えなかったのは、「サイバーエージェントが好きだったから」。創業期から一緒に走ってきた会社には、強い愛着があったのだろう。それでも2015年に転職を決意。入社してから16年が経っていた。

自分を高く評価してくれる新しいパートナーとの挑戦

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当初は日本のベンチャーキャピタルで初めて、女性パートナーとして独立系のファンドを立ち上げようと考えた。思いは「起業家にとって最強の応援団を作る」ということ。投資家をまわり出資社を集め、いよいよひとりでファンドを組成しようという直前に、ファンドを組成することが目的化していることに気が付き思いとどまった。自分だけでは起業家をサポートできる範囲が万全ではないと感じたのだという。

「ちょうど同じタイミングで、現在のパートナーである五嶋と菅原と定期的に情報交換をしていました。独立系ファンドを立ち上げようとしている彼らと実現したいことが一致しているだけでなく、彼らは私のこれまでのVCとしての経験や強みや弱みも理解し評価したうえで、パートナーとして一緒にやらないかと言ってくれました

五嶋の金融会社やDeNAでのさまざまな実務経験、菅原のアイスタイル社創業期から東証一部までCTO、現在はCFOとしての実務経験、そこに私のサイバーエージェントでの実務経験が集まれば最強の応援団が実現できるから、と。そこで、iSGSのパートナーとして2016年2月に参画し、6月に3人でファンドを立ち上げました」

前職ではひとりで何社も担当するスタイルだったが、現在は3人ですべての投資先をサポートしている。起業家にとって、3人の実務経験や人脈を24時間365日使えるだけでなく、iSGSの投資先の起業家同士が集える場もある。ファンド出資社とも力を合わせることで、起業家にとっての最強の応援団ができているのではないかと言う。

「今はとても充実しているし、尊敬できるパートナー達と仕事ができ、すごく幸せです。たとえひとつの組織の中で花開くのが難しくても、外に出ることで一気にキャリアアップできることもある。今は、足りない部分を埋めるより、得意とする部分を徹底的に磨いていく時代ですよね。3人の得手不得手をお互いがカバーしあい、iSGSとしての個性ができあがってきていると思います」

チャレンジする人をずっと応援していきたい

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情熱的な佐藤さんのプライベートの趣味は、なんとスナックに行くこと。働く母にとって、たまに夜の予定がある日は、その会が終わった後の時間もまた貴重な自由時間だ。

「まだ帰りたくないな、というときにスナックへ行きます。ママや隣のお客さんと盛り上がって、さまざまな人とコミュニケーションが生まれます。行きつけのスナックには起業家も多く、そこでのネットワーキングもまた楽しいんです」

かたや日常的には、近頃話題のボクシングフィットネスに週3回ほど早朝に通っているのだとか。昼も夜もアクティブに活動している。

学生の頃はチアリーダーとして、チームを応援する立場だった。今は女性VCとして、女性の起業家を応援していきたいという。

「VCは女性にとても向いている仕事ですし、多様性が大事な中で女性VCをもっと増やしていきたいと思っています。また、女性の起業家にももっとスケールの大きなビジネスを進めてほしい。ただ、女性だけを応援するというわけではなく、ミレニアル世代や地方ビジネスなど、バイアスをかけずに応援していきたい。厳しいときは厳しく、つらいときこそ寄り添い、あたたかく、一緒に泣いて笑って、起業家とともに新しい時代を作っていきたいですね」

佐藤さんの夫も、ベンチャー起業家。将来的には、夫婦で「チャンレジする人を応援すること」も実現したいとも思っている。もう一度経験したかったサイバーエージェントのような成長。サイバーエージェントを越えていくような新しい時代の起業家と、これからも共に走り続けていくのだろう。

Q.お気に入りの化粧品は?

化粧品ではないが、眉とアイラインのアートメイクが気に入っているという。毎日数分でも積み重ねれば多大な時間。それをゼロにできるのもひとつのイノベーションだとか。

Q. 現在読んでいる本、愛読書は?

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最近読んだ本は『40歳が社長になる日』(岡島悦子著)。

Q. お気に入りのファッションアイテムは?

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kay meのジャージーワンピース。洋服を選ぶ時間もこれならほぼ0分にできる。着ていてラクで、自宅で洗え、男性が多い業界の中で華やかに見せられるので大好きだという。

Q. 欠かせないスマホアプリは?

Facebook、Instagram、NewsPics、Dマガジン。

Q. 1か月休みがあったら何をしたいですか?

アフリカなどの行ったことのない国を放浪し、新しいインプットやビジネスチャンスを考えながら旅行したい。

撮影/柳原久子、取材・文/栃尾江美、企画・構成/寺田佳織(カフェグローブ編集部)

栃尾江美

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