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孤高の画家がほんとうに愛したもの。『ゴーギャン タヒチ、 楽園への旅』監督インタビュー

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女性としてさらなる輝きを目指すなら、磨くべきは感性の豊かさであり、そのために必要なものは、いかに芸術と触れ合うかということ。そんななか、2018年のアート界で再注目されている存在といえば、生誕170周年を迎えたポール・ゴーギャン。日本でも絶大な人気を誇っていることは言うまでもないが、2月にはタヒチ時代の絵画が初来日することでも話題となっている。

それに先立って観ておきたい映画といえば、1月27日(土)より公開される『ゴーギャン タヒチ、 楽園への旅』。劇中では、19世紀を代表する天才画家ゴーギャンがどのような思いでタヒチに渡り、いかにして傑作を生み出したのか、その秘密に迫ることができる。そこで今回は、本作を手掛けたエドゥアルド・デルック監督に、ゴーギャンとタヒチの魅力について語ってもらった。

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エドゥアルド・デルック監督

監督が映画を制作するきっかけとなったのは、自身がフランスの国立高等美術学校で勉強をしていた頃に出会ったゴーギャンの紀行エッセー『ノア・ノア』。その生き様に心を突き動かされたというが、同じようにゴーギャンの虜となっている人は多く、2015年には一枚の絵が当時の絵画史上最高額となる約355億円で落札されたこともある。それほどまでに世界中の人々を魅了してしまう理由はどこにあるのだろうか?

エドゥアルド・デルック(以下デルック監督):彼の絵に関していうと、まず遠い異国であるタヒチの文化が非常にエキゾチックで、インパクトがある。しかし、それだけではなくて、原始的な生活も描いているので、「人間の昔ながらの姿はこういうものだったんだ」と誰もが無意識のうちに自己投影して惹かれてしまうんだよ。しかも、それは表面的なものではなく、本来人間はどういうところからやってきて、どういった生活をしてきたのかというのも感じることができるんだ。だからこそ、いろんな人を引きつけているんじゃないかな。

アートの枠を超えて広がるゴーギャンの魅力とは?

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いまや、その熱気はファッション界にまで波及し、2017年10月にはルイ・ヴィトンとのコラボレーションが実現。ニューヨークを拠点に活動する現代アーティストであるジェフ・クーンズが手掛けた「MASTERSコレクション」の第2弾として、ゴーギャンの「かぐわしき大地」がモチーフとなったバッグとアクセサリーが発売された。これらの現象について、監督は当然のことだとうなずく。

デルック監督:僕はここ3、4年の間、世界中で開催されていたゴーギャンに関する展覧会ほぼ全部に足を運んだけれど、そこで思ったのは彼の作品というのは非常に普遍的。そして、いま見てもとても斬新で最先端を行くモダンさがあるし、深さも輝きもあるんだ。世の中には、いろんな絵や映像が氾濫していて、そのなかで記憶に残るものと残らないものに分かれるけれど、彼の作品は記憶に残るもの。美的な面においても昇華させているので、いまでもこれだけ話題になっているし、いろんなコラボレーションで使われることについてはまったく驚かないよ。

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そんな素晴らしい作品を数多く生み出した背景として欠かせないのは、タヒチの美しい景色。劇中でも思わず目を奪われるシーンの連続となっているが、実際に撮影で訪れた監督が感じたこととは?

デルック監督:今回は、インスピレーションもたくさん受けることができたよ。タヒチといえば、「青い空、白い砂、透明感のある水」というのが世界中で共通する型にはまったイメージだけれど、僕が実際に現地の光景を見て驚いたのは、タヒチはもっと奥が深くて強いインパクトのある場所だったということ。だから、今回はその固定観念を崩したくて、黒い砂や曇った空、そして荒れた海といった自然のあるがままの姿を描きたいと思ったんだ。なぜなら、いまのタヒチ人が形成されていったのは、そういった自然環境に囲まれていたからこそ。神秘的で歴史豊かな場所なんだということをすべて映し出せたことは、とても満足しているよ。

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映画を観れば、タヒチの美しさをリアルに感じることができるが、それだけにいつかは訪れてみたい場所のひとつとして憧れている読者も多いはず。そこで、準備や撮影期間を含め、3か月以上タヒチに滞在していたという監督に訪れるべきスポットについても聞いてみた。

デルック監督:ロケ地として訪れたトティラ(Tautira) は、村の小さな教会や半島みたいな部分がすごく美しいので、すごくオススメだね。ただ、今回は撮影だったこともあり、旅行のようにあちこちは行っていないけれど、タヒチ島の向かいにあるモーレア島というのも美しい場所として知られているよ。あとは、現地の人々も素晴らしい魅力と独特なおもてなし精神を持っているので、大型ホテルでありきたりな滞在をするのではなく、自分自身でいろんなところに足を運んで、より多くのタヒチ人たちに触れてもらいたいね。

好奇心に導かれるままに進むことにおもしろさを感じる

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ゴーギャン同様に、タヒチからさまざまな刺激を受けたという監督。ゴーギャンからは自分がやりたいことに妥協しない精神を学んだという。最後に、今後ますますの活躍が期待されている監督に、仕事における原動力についても教えてもらった。

デルック監督:僕は日常的にいろんなものに興味を持っているんだけれど、家族との生活はもちろん、自分を取り囲む仕事の環境や友人たち、それぞれがインスピレーションの源。とにかく好奇心旺盛だから、僕にはやりたいことは数えきれないほどあるんだ。たとえ、これから何をやりたいかというのが明確にわかっていなくても、「惹かれたものを掘り下げていったらこうなった」というような手探りの方が僕はおもしろいかなとも思っているところだよ。

* * *

そんな監督だからこそ、本作では単なる伝記映画に終始することなく、自由な脚色を加えて力強い作品に仕上げている。文字通り全身全霊で芸術に立ち向かったゴーギャンが作り出したのは、時代を超えて愛される名画の数々。それらの傑作に秘められた苦悩と愛、そしていまだかつて見たことのないタヒチの神秘的な景色は、あなたの感性にも新たな“色”を与えてくれるはず。

『ゴーギャン タヒチ、楽園への旅』

主演:ヴァンサン・カッセル/監督:エドゥアルド・デルック/脚本:エドゥアルド・デルック、エチエンヌ・コマール、トマ・リルティ/撮影:ピエール・コットロー/音楽:ウォーレン・エリス /2017年/フランス/102分/カラー/原題:Gauguin Voyage de Tahiti/後援:タヒチ観光局/配給:プレシディオ

© MOVE MOVIE - STUDIOCANAL - NJJ ENTERTAINMENT © cdr

2018年1月27日(土)より、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ他全国順次ロードショー

http://gauguin-film.com/

志村昌美

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