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カトリーヌ・ドヌーヴら「口説く自由を」#MeTooに一石投じる

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ワインスタイン事件を発端に、セクハラ男を糾弾する“フェミニズム”運動が広がるなか、2018年1月9日、フランスの中心的メディアであるル・モンド紙に「口説く自由」を認めるべきだという投稿記事が掲載され、話題になっています。

100人の女性たちが擁護する「口説く自由」

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文責は5人の女性。心理分析医サラ・シッシュ、作家カトリーヌ・ミエ、女優であり文筆家でもあるカトリーヌ・ロブ=グリエ、ジャーナリストのペギー・サストル、アブヌース・シャルマニです。

内容に同意する100名の女性のリストの中には、女優カトリーヌ・ドヌーヴジャーナリストのエリザベート・レヴィらの名が並びます。

世間の流れに真っ向から逆らうように見えるこの意見表明。公開以来、SNSには激しい非難の声があふれています。槍玉に上がるのは、多くの場合、知名度の高いカトリーヌ・ドヌーヴ。まるで彼女らがレイプや痴漢行為を擁護しているかのように罵倒する発言が、散見されます。そのほか、そこまで激しい内容でなくても、100人の女性たちをアンチ・フェミニストと捉える人の発言が目立ちます。

SNSを密告手段に使う風潮への異議

ただし、この意見書をよく読めば、100人の女性らの言い分は、決してセクハラを擁護するものではなく、いまの激しく熱狂的な動きに同調できないとするものだと分かります。

レイプは犯罪です。しかし、押しつけがましかったり不器用だったりする口説きは、不法行為ではありません。(中略)

ワインスタイン事件よりこの方、女性に対する性的暴力を、正しく認識しようという動きが生まれました。特に職場では、社会的立場の優位さを不当に用いる男性もいるのです。この動きは、必要なものでした。しかしながら、この言論の自由は、いまや、反対のものになっています。というのも、私たちは、適切な話し方ができず、反対意見を表明できず、世間の動きに追従しなければ、裏切り者や共犯者とみなされるのですから。

Le monde」より翻訳引用

同意見書は、SNSを密告手段として使う現代の風潮にも疑問を呈しています

事実、#metooは、メディアやSNSに密告と公開糾弾のキャンペーンを引き起こしました。その対象となった個人は、返答する機会も弁解する機会も与えられず、性犯罪者同様に扱われています

Le monde」より翻訳引用

「豚を屠殺場に」ハッシュタグと、性的自由

英語圏では#MeTooのハッシュタグで広まった“フェミニズム”運動。実は、フランス語圏では#BalanceTonPorc(豚を放り出せ)という激しい表現のハッシュタグが使われてきました。

この「豚」を屠殺場に送ろうという熱は、女性が力を発揮するのを助ける動きとは程遠く、現実には性的自由の敵の役に立つものなのです。

Le monde」より翻訳引用

つまり、常に被害者としてふるまう女性たちの態度は、現代女性の最終的な目標であるはずの男女平等に反する姿勢なのではないかと、考えているわけです。

じつは「豚を放り出せ」というハッシュタグが流布したとき、その暴力的な言葉にひそかに眉をひそめたフランス人は、私の周りにも複数人いました。言葉にすることはなくても、同じようなもやもや感を持っていた人は、ほかにもいると思います。

「口説く権利」なくしては性的自由はあり得ない、と考える100人の女性たち。

彼女たちの投稿は、ユニラテラルな風潮だけに流されず、性の自由とは、男女平等とは何なのかといった、多角的な議論の必要性に気づかせてくれます。もちろん、どこまでが口説きで、どこからがハラスメントなのかなど、グレーゾーンにフォーカスを当てることも必要になるでしょう。

いずれにせよ、全世界が右向け右であるように見えるいま、あくまで正々堂々と意見表明し、討論の端緒を開いたことには意味があるのではないでしょうか。

Le Monde

photo by Gettyimages

冠ゆき

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