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綺麗すぎるコスメ広告はSTOP! #MeTooの余波が画像修正にも [The New York Times]

The New York Times

女性のエンパワーメントといえば、政治家に立候補したり、#metoo運動で自分の考えを主張するといった行動を思い浮かべる人は多いだろう。しかし、これまでずっと聖域とされてきたある慣例には、まだノータッチだ。それは、「パーフェクト」という達成不可能な状態を目指して、画像を修正・加工するという行為だ。

化粧品広告の画像修正を禁止

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Photo by Gettyimages

2018年1月15日、米ドラッグチェーン大手のCVSが、自社の美容製品に関するすべてのイメージ画像の「重要な変更」を禁止すると発表した。店舗、ウェブサイト、ソーシャルメディア上の画像が対象となる。4月以降、女性消費者がCVSブランドの口紅や香水、スキンケア用品を購入するときに目にする写真については、肌を滑らかにしたり、色味を修正したりなどといった大幅な修正はされていないことになる。

この方針は言ってみれば、女性たちが思わず憧れてしまう完璧な美貌を買い物客に見せつけることで、「あなたは大したことない」というメッセージを送る行為に、もう加担しないということだ。そして、「写真の女性のようになりたい」という願いは、じつは決して叶えることはできない。なぜなら、モデルの女性たちでさえ、実物は写真と全然違うのだから。

CVSでは、自社製品のイメージ画像を加工しないと約束しただけでなく、同社が販売しているすべてのブランド(ロレアル、メイベリンなど)にも同様のお願いをした。そして、もし修正・加工をする場合には、それが消費者にはっきりとわかるよう「修正済み」のラベルを商品に貼るようにと伝えた。さらに、CVS は「ビューティー・マーク」というキャッチーなネーミングの認証マークも作った。ひび割れた丸の中にハートマークが入っているようなデザインのこのマークは、ありのままの姿を伝えているすべての広告宣伝画像に適用される。CVSでは、4月から新システムへの移行が始まり、2020年までには完了する予定だ。

だから、カラスの足跡(目尻のシワ)がはっきり写った広告写真に、今から心の準備をしよう! これから私たちが目にする広告には、肌のシミや目の下のクマも多少見られるようになるだろう。ちょっと想像しにくいかもしれない。私たちは、画像加工済みの世界に長くいすぎたのだ。だから、毛穴がはっきり写っている写真が出回るようになったら、少し衝撃を受けるだろう。

CVS社長のヘレナ・フォアークス氏は、「わが社の店舗に来てくださる女性客の皆さまには、できる限り高い透明性と信頼性を提供することが重要です。女性たちが、自分のことをイマイチだと思うのではなく、良い気分になれるような美をつくっていきたい」とコメントした。

それにしても、「重要な変更」とは一体何を意味するのだろうか? 吹き出物やおでこのシワを消すという行為は、あるブランドにとってはささやかなことかもしれないが、人によっては重要だと感じるかもしれない。企業の透明性の定義は、人によって異なるものだ。

CVSによると、「重要な変更」とは「人の体型、サイズ、プロポーション、肌や目の色、シワ、そのほか、個人の特徴を変更したり強調すること」を意味するそうだ。浮いたりハネたりしている髪の毛を修正で整えるのは対象外となる。

「現在、わが社の取引先と話し合っている最中です」とフォアークス氏は語った。「もし有名女優が撮影に現れたとして、彼女が夜遅くまで働いていたせいで目の下にひどいクマがあったとしたら、それを消すことで、彼女のイメージは大きく変わるでしょうか? 私は個人的には変わると思いますが、そう思わない人々もいるでしょう」

ジュリア・ロバーツやダイアン・キートンのケース

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ダイアン・キートン、ゴールデン・グローブ賞授賞式でのスピーチ、2014年1月撮影 (Photo by Paul Drinkwater/NBCUniversal via Getty Images)

2011年、化粧品ブランドのランコムは、女優ジュリア・ロバーツを起用した『タン・ミラク』ファンデーションの広告を巡って英国広告基準局(ASA)とトラブルになった。広告の中のロバーツの肌は、まるで内側から輝いているようだ。シワやシミが一切なく、まさに商品名の通り「ミラクル」な肌。結局、この広告は同局から掲載禁止処分を受けた。同局の説明によると、ロバーツの肌の美しさが、宣伝しているファンデーションではなくデジタル加工の力によるところが大きいということが問題だったのだそうだ。

2014年、女優のダイアン・キートンがゴールデングローブ賞授賞式でスピーチを行った時にも似たようなことが起こった。スピーチの際のキートンは、68歳という年齢相応の貫禄に満ちた様子だったが、その(テレビ中継の)直後に流れたロレアルのコマーシャルには20代にしか見えないような肌をしたキートンが登場したのだ。その落差が大きすぎたせいで、キートンは大勢の人々から揶揄される羽目になってしまった

画像修正によるネガティブな影響の具体例としてもっとも多く挙げられるのが、若い女性たちのボディイメージに与える影響だ。ちなみに米国医師会(AMA)では、これが健康にかかわる問題であるとはっきり認めている。たとえ頭では「こんな綺麗すぎる画像はおかしい、ありえない」とよく理解していたとしても、前述のキートンのようなあつかいは、成熟した大人の女性である私たちにとって明らかに有害なだけだろう。

© 2018 The New York Times News Service[原文:Airbrushing Meets the #MeToo Movement. Guess Who Wins/執筆: Vanessa Friedman](抄訳:吉野潤子)

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