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オレンジ、パイナップル、キノコ……これが未来の新素材! [The New York Times]

The New York Times

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ビッグブランドが注目する未来的でクールな素材

近年ハイファッションのブランドやスポーツウェアのブランドが注目しているものに、リサイクル素材やオルタナティブ・ファブリックがある。キノコ、オレンジ、あるいは蜘蛛の巣のDNAに着想を得たタンパク質で作られた繊維など、風変わりな素材から作られた生地のことだ。環境への配慮だけが理由ではない。こうした未来的でクールな素材が、いま消費者にうけると見られているのだ。

牛を使わない革、蚕を使わないシルク、動物を使わないファー、廃棄物から作られた生地。これからの1年は、そうした素材を作る方法を編み出したテクノロジー企業と、ファッションブランドの提携のニュースが続きそうだ。すでにフェラガモはオレンジの繊維で作られたスカーフを販売しているし、ステラ・マッカートニーは蜘蛛の糸と同じ特性を備えた人工シルクで洋服を作った。

ステラ・マッカートニーから、いち早くスパイダーシルク

ステラ・マッカートニーはビーガンとしても知られるデザイナーで、ファッション業界で唯一、持続可能な生地を提唱してきた。現代美術館の展示「Item: Is Fashon Modern?」に、人口シルクでゴールドのドレスを作って出品した。また、2017年10月に開かれたパリ・ファッションウィークの舞台裏では、同素材で作ったチョコレートブラウンのボディスーツとパンツを披露している。

「まだ完璧とは言えませんが、普通のシルクとは質感が微妙に違うだけで、れっきとしたシルクです」。ステラ・マッカートニー・ブランドの持続可能性・倫理的トレード部門のトップ、クレア・バーグキャンプは語る。どのような応用が可能かについてはまだ試験中だが、マイクロシルク素材を開発したカリフォルニア州の企業、Bolt Threads社と長期契約を結んでおり、1~2年先には洋服の販売を開始する予定だ。

まだテクノロジーが開発初期のため、こうした生地は当分の間限られた量しか作ることができないし、商品も高価になる。Bolt Threadsの場合、最初のスパイダーシルク製ネクタイ(1本314ドル)の販売にあたり、3月に抽選を導入した。

ノースフェイスやアディダスも

似たようなテクノロジーを研究し異なるやり方で生産しようとしている企業もあるが、製品の販売はまだ先になりそうだ。たとえば、日本企業スパイバーは米国のアウトドアウェアブランド、ザ・ノース・フェイス社と契約を結んだ(2016年にMoon Parkaのプロトタイプを開発)。ドイツ企業AMSilkはアディダスと提携しており、商品名は明かせないが今年発売の予定だという。

アディダスでは、海岸や海辺で回収されたプラスチックを再生してスニーカーを生産している。これはプラスチックに反対するグループParley for the Oceans(パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ)との提携開発した商品ラインだ(ステラ・マッカートニーはアディダスのコラボレーターとして、デザインをいくつか提供した)。

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プラスチック、紙などの素材から作られるツイード地。2017年、Maison Lesageのパリのアトリエで。今後一年程度の間に多くのファッションブランドが、牛を使わない革、蚕を使わないシルク、動物を使わないファー、廃棄物を利用した再生生地などを作る企業との提携を発表すると見られている。(Elizabeth Pantaleo/The New York Times)

オレンジ、パイナップルの葉、菌糸体、魚網……新素材続々!

代替生地に有望な素材はまだまだある。フェラガモのスカーフコレクションに素材を提供したのは、イタリア企業Orange Fiberだ。また、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトンが所有するオーガニックファッションブランド、Edunではパイナップルの葉の繊維を使ったPiñatex と呼ばれる革状の素材を製品化している。それを作っているのはロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートを拠点とするAnanas Anamだ。

さらにマッシュルームの根っこのような繊維、菌糸体を革の代替品として加工するのが、サンフランシスコのベンチャー企業、MycoWorksだ。見た目がスウェードのような素材で、耐久性テストが待たれている。

こうしたバイオファブリックに加えて、ステラ・マッカートニーのブランドと提携するグループ、Keringは、ファッションアイテムをリサイクルし、水などの活用資源を減らす技術の研究に投資している。マッカートニーのファラベラGOのバッグは、イタリア企業Aquafilによる漁業網やカーペットなど廃棄物をリサイクルして作った素材で作られている。

有名投資家も代替素材を後押し

ここ数年、特にトウモロコシや藻類といったバイオ燃料が当初の期待に応えられないことがわかってから、いくつかのベンチャーキャピタルが代替生地の開発を支援するようになった。

その筆頭に、オンライン・ファッション&ライフスタイル誌「Buro 24/7」を創設したロシアの実業家、ミロスラヴァ・デュマがいる。

5月には、デュマがFashion Tech Labをスタートした。サスティナブルファッションとウェラブルテクノロジーを投資開発するベンチャーだ。eコマースの投資家Carmen Busquetsが、5000万ドルを出資している。前述のOrange Fiberに加え、幹細胞から様々なファーやレザーを育てるVitro Labsも、支援を受けている。

シャネルは紙の糸や3D印刷を研究

毎シーズン新しい糸を作るよう業者にプレッシャーをかけることで知られるシャネルでは、紙の糸を開発している。もうひとつ力を入れているのが、3Dプリンターを使ってすぐに着られる洋服を作ることだ。シャネルのアトリエ、Lesageのクリエイティブディレクター、ユベール・バレールはこう述べた。「カール・ラガーフェルドは想像もつかないようなことをやるべきだと言っているんです。クリエイティビティというのは、自分の生きる時代をつかむことでもありますから」

© 2018 The New York Times News Service [原文:Fashion's Interest in Alternative Fabrics Keeps Growing/執筆: Astrid Wendlandt] (翻訳:スマキ ミカ)


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