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「座りっぱなしはやっぱり悪い」を裏付ける新説 [The New York Times]

The New York Times

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長時間何もせずに座っていると心臓に良くない。最新の研究でわかった意外な事実です。 もちろん、座りっぱなしが身体に悪いというのは今や常識ですが、座りがちな生活をしていると心臓の筋肉にダメージを受けやすいというのですから気になります。毎日9〜10時間座っている人、つまり、オフィスで仕事をするビジネスパーソンの多くが、心臓疾患になりやすい傾向にあるのでしょうか?

座りっぱなしとトロポニンの関係

過度に座っていると、血液に十分な酸素を供給する心臓の働きが弱くなる。この関連性はすでに知られていました。しかし、座るという、どうみても心臓にあまり負担がかからない行動がなぜ問題なのかは不明でした。

最近、ある心臓専門医グループがトロポニンに着目し、その謎を解明しようとしています。トロポニンとは筋肉を構成するタンパク質のひとつで、心不全などにより心筋細胞が損傷すると、正常であれば検知不可能なほど微量なはずの心筋トロポニンが、循環血液中に大量に流出します。心臓発作レベルまでいかなくとも、血中のトロポニンの濃度が通常より高い状態が続くのは十分に危険であると考えられており、心筋内で何か障害が起きていることが予想されます。

先ごろ、学術誌『Circulation』に掲載された論文では、このトロポニン濃度と座りっぱなしの因果関係を調査した研究結果が発表されました。

1,700人のデータを分析

実験では、テキサス大学サウスウエスタン・メディカルセンターの監修のもと、研究機関ダラス・ハート・スタディが保持していた、性別、人種、年齢も多岐にわたる、心臓に関する大規模な健康調査データを利用。心臓検査を受け、血液サンプルと健康状態問診票を提供し、さらに、運動量や睡眠の質などを自動計測するアクティビティ・トラッカーを1週間身につけた被験者の中から、胸の痛みや息切れなど心疾患の症状がある人を除いた、約1,700人あまりを抽出して、彼らの血中のトロポニン濃度を分析しました。

アクティビティ・トラッカーの記録をみると、多くの被験者が日に10時間以上座りがちな生活習慣を送っており、運動はほとんどしていないことが判明。それよりは動いている人の場合でも、せいぜい歩く程度で、特にエクササイズはしていませんでした。ただし、動けば動くほど座る時間は短くなるわけで、これら平均的な日常生活グループのトロポニン濃度は正常値を示しました。また、積極的に運動しているグループのトロポニン濃度はやや低めなものの、とりわけ大きな差はありませんでした。

一方、日に10時間超座っているグループの血中からは、高いトロポニン濃度を検出。なんと心臓発作が起きた状態をわずかに下回る程度の数値で、「潜在的な心外傷」と呼ぶべきハイリスクをおっていたのです。しかも、年齢や性別、BMI数値、心機能など、ほかのファクターとトロポニン濃度を対比させて検証したあとも、座りっぱなしとトロポニン濃度の強い関連性は明らかでした。つまり、エクササイズに励むのはもちろんいいけれど、まずは座っている時間を減らすことが健康な心臓への近道というわけです。

運動もやっぱり必要

テキサス大学サウスウエスタン・メディカルセンターの心臓専門医ジェームズ・デ・レモス教授も、「座りっぱなしでいる行動習慣は、肥満やインスリン抵抗性、心臓の脂肪沈着とも関係しています」と、座る時間を減らすことの効用を語ります。また、今回の研究結果は、運動=トロポニン濃度の改善を表すものではありませんが、座っている姿勢そのものが悪いというより、座ったまま何もしていないことのほうが問題だともレモス教授は指摘。スマートフォンに見入って、動かすのは指だけ。そんな毎日が心疾患の原因になると示唆します。

階段を使う、一駅なら電車に乗らず歩く、駐車場では入口から遠いところに停めるなど、ちょっとした行動パターンの切り替えで、できるだけ身体を動かすヘルシーな生活習慣を身につけましょう。

©2017 The New York Times News Service [原文:Why Sitting May Be Bad for Your Heart/執筆: Gretchen Reynolds](翻訳:十河亜矢子)


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