Q:料理に使うなら、ココナッツオイルとオリーブオイルのどちらがよい?
A:健康への影響を考えると、料理にはオリーブオイルを使った方がよいです。
大さじ1杯のココナッツオイルに含まれる飽和脂肪酸は、(同量の)オリーブオイルのおよそ6倍。米国心臓協会が1日摂取量の上限としている約13グラムにほぼ達してしまいます。飽和脂肪酸の大量摂取は、心疾患リスクを高めるLDL(「悪玉」)コレステロール値の増加と関連付けられています。
いっぽうオリーブオイルは、心臓にやさしいといわれる地中海料理の中心的要素で、身体によい多価不飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸を含みます。
米国心臓協会も勧めるオリーブオイル
「どちらかを選ぶなら、オリーブオイル。飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の代わりに一価不飽和脂肪酸を適量に取ることは、心臓の健康によいから」と、米国心臓協会の広報担当者で、登録栄養士でもあるアネッサ・チャンブリーさんは言います。2017年に同協会は、心臓病の予防のために飽和脂肪酸の代わりに不飽和脂肪酸の摂取を呼びかける指針を改めて強調した勧告を発表しました。その他、健康的な食生活全般を念頭に置くことも勧めています。
飽和脂肪酸を含む油の中では、まだまし
ココナッツオイルの主成分である(飽和脂肪酸の)ラウリン酸とHDL(「善玉」)コレステロール値の増加を関連づける研究もありますが、LDLコレステロールの増加にもつながってしまうようです。とはいえ、飽和脂肪酸を含む他の油と比べれば、ココナツオイルはよい選択肢かもしれません。最近の大規模な研究では、(バターに多く含まれる)パルミチン酸などの飽和脂肪酸と比べ、ラウリン酸は心疾患リスクをそこまで増大させない、という結果が出ています。
抗酸化作用よりも飽和脂肪酸の悪影響に注意
ココナッツオイルの支持者は、「抗酸化作用のある植物性化学物質がココナッツオイルには豊富に含まれている」と指摘します。しかし、ハーバード大学医学大学院のQi Sun准教授によれば、エクストラバージン・ココナッツオイルこそ(エクストラバージン・オリーブオイルと同様に)植物性化学物質を含むものの、市販のココナッツオイルの大半は精製してあり、抗酸化物質をほとんど含まないとのこと。エクストラバージン・ココナッツオイルから得られる効果にしても、「抗酸化物質のよい働きよりも、飽和脂肪酸の悪影響の方が大きい」そうです。
バターやショートニングの代わりに
もちろん、人間は脂肪、コレステロール、抗酸化物質といった成分単位ではなく、食物を口にしています。ココナッツオイルは一部の人が主張するような特効薬ではありませんが、完全に避ける必要もありません。特に、バターやショートニングの代わりに焼き菓子に使ったり、カレーの香りづけに使用したりする場合は、気にすることはないでしょう。ただ、健康全般を考えるなら、原則としてオリーブオイルを料理に使った方がよいでしょう。
© 2017 The New York Times[原文:Ask Well: Is It Better to Cook With Coconut Oil or Olive Oil?/執筆:Sophie Egan](翻訳:Ikuyo. W)
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