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グルテンフリー、必要ない人には逆効果という研究報告 [The New York Times]

The New York Times

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photo by Getty Images

Q:グルテン不耐症(小麦などに含まれるタンパク質・グルテンに過敏に反応する体質)ではありませんが、食事内容をグルテンフリーや穀物抜きにした場合、体に悪影響はありますか? 逆によい影響はありますか?

健康な人には勧められない

A:グルテンフリーや穀物抜きの食事は健康上のリスクを引き起こす恐れがあります。過敏症でなければ、お勧めできません。また、そのような食事法で健康効果が得られる可能性は低いでしょう。

「健康な人が、健康増進のためにグルテンフリーにする利点はありません。グルテンフリーの食事自体に健康効果はないからです」と、コロンビア大学セリアック病研究所の臨床研究ディレクターであるベンジャミン・レブウォル医師は言います。

懸念される食生活の質の低下

グルテンを含む小麦やライ麦、大麦などの穀物を避けた場合の大きな問題は、食生活の質の低下です。レブウォル医師曰く、「最もよく見られるのは、グルテンフリーにしてから食物繊維の摂取量が激減するケースです」。胃腸の健康にとって重要な食物繊維。不足すれば便秘や腸の不調を引き起こしたり、満腹感が得られにくいためにカロリーの過剰摂取や体重増加につながったりする可能性があります。他にも食物繊維を取れる食品はありますが、穀物が優れた栄養源であることは確かです。食物繊維の1日当たりの推奨摂取量は性別や年齢により20〜40gですが、アメリカ人の大半はこの目標値を大きく下回っています。

身体によい全粒穀物を排除することになる

グルテンフリーにして全粒穀物を避けることは、特に問題です。というのも、未精製の全粒穀物には身体によい要素が多く含まれており、特に心臓の健康に役立つとされているからです。全粒穀物を豊富に取り入れた健康的な食生活は、心臓病や特定のガン、2型糖尿病、肥満、感染症になるリスクや呼吸器疾患などによる死亡リスクの低下と関連づけられています。

グルテンフリー食品の問題

レブウォル医師によると「一般的に、グルテンフリー食品は脂肪分、糖分、塩分の割合が高い傾向にある」そうです。グルテンは生地の弾力性を出す成分として、また、加工食品のつなぎとして使われており、栄養補助食品やハム、ソーセージなどにも入っています。そういった食品のグルテンフリー版は、物足りない食感をごまかすために、「より不健康な成分になりがち」だと言います。

セリアック病の疑いがあれば、まず検査を

さらに、グルテンフリーの食事はセリアック病発見の妨げになる恐れがある、とレブウォル医師は指摘します。セリアック病の検査としては、抗体を調べる血液検査と腸損傷を調べる生検がありますが、グルテンフリーの食事に切り替えるとわずか2〜3週間で異常が検出できなくなってしまいます。「医師にとっても患者にとってももどかしいシナリオは、例えば、色々な症状を訴える患者がグルテンフリーの食事に切り替え、9割ほど体調が改善するような場合です。その時点で、セリアック病かどうかは見分けられません。セリアック病が疑われる場合、食事をグルテンフリーにする前に検査を受けるべきです」とレブウォル医師は勧めます。

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photo by Getty Images

根拠のないグルテンフリー万能説

グルテンフリーは減量や認知機能改善、健康増進に有効、と謳う書籍やネット記事は多数ありますが、そういった主張に根拠はありません。過敏性腸症候群(IBS)の患者の中には、グルテンを含む食品を避けることで症状が改善する人もいますが、グルテン以外の要因による可能性が高いと研究は示唆しています。

本当にグルテンを避けた方がよいのは人口の7%

(深刻な自己免疫疾患である)セリアック病に該当し、グルテンフリーの食事法をしっかり守らなければならないのは、アメリカ人のわずか1%ほどです。さらに、セリアック病検査で陽性にはならないものの、軽い消化器の異常が見られるグルテン過敏症は人口の約6%を占めます。グルテン過敏症の主な診断方法は、グルテンフリーの食事法で症状が改善するかを確認することです。

必要ないのにアメリカ人の3人に1人がグルテンフリー

上記以外の人にグルテンフリーの食事法はお勧めできません。しかし、リサーチ会社・NPDグループの2013年の調査では、アメリカ人の3人に1人はグルテンの摂取を避けるようにしている、という結果が出ています。

インターネットで広まった誤解

イェール・グリフィン予防研究センター所長のデビッド・L・カッツ博士は、近刊予定の著書The Truth About Foodの中で、グルテンフリーについて言及しています。「過敏症の人への潜在的悪影響がインターネットで喧伝され、『グルテンは誰にとっても有害な毒素』というイメージが出来上がってしまった。これは誤解だ。ピーナツアレルギーではない人にとってピーナツが有害でないように、不耐性でない人にとってグルテンは無害だ」

グルテンを避けるのは食生活と健康にとって有害

さらにカッツ博士に言わせれば、「グルテンが身体に悪いと聞いて全粒穀物を避けるのは、果糖の悪影響を聞いて果物を断つようなもの」。グルテンを除いた食事法は、多くの場合、グルテンフリーであっても加工度の高いジャンクフードが含まれ、栄養豊富な全粒穀物が抜けています。「系統的にグルテンを避けるのは、食生活と健康の両方にとって有害」とカッツ博士は警鐘を鳴らします。

© 2018 New York Times News Service [原文:Ask Well: Is There a Downside to Going Gluten-Free if You’re Healthy?/執筆:Sophie Egan](翻訳:Ikuyo.W)

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