1. Home
  2. キャリア
  3. 温暖化で雪が足りない! 未来の冬季五輪はどうなる [The New York Times]

温暖化で雪が足りない! 未来の冬季五輪はどうなる [The New York Times]

The New York Times


20180203_nyt_5

photo by Getty Images

2018年2月9日から韓国・平昌で開幕する冬季五輪。この雪と氷のスポーツの祭典を過去に開催したことのある都市は、世界に21都市あります。2050年にはなんとその多くが、地球温暖化のせいで二度と冬季五輪を開催できなくなってしまう──。カナダ・ウォータールー大学のダニエル・スコット教授(地理学)らのチームが、驚きの研究結果を発表しました。

今世紀の半ばまでに、過去の冬季五輪開催地のうち9都市は、五輪開催が不可能なほど暖かくなってしまう

20180203_nyt_1

9都市とは、ソチ(ロシア)、ガルミッシュ・パルテンキルヒェン(ドイツ)、バンクーバー(カナダ)、オスロ(ノルウェー)、シャモニー(フランス)、インスブルック(オーストリア)、グルノーブル(フランス)、サラエボ(旧ユーゴスラビア)、スコーバレー(米)。2041年から2070年には、この9都市で、2月に最低気温が氷点以下まで下がる日が激減すると見られています。

過去の冬季五輪開催都市のうち3都市では、人工雪を足しても雪不足になる

20180203_nyt_2

2041年から2070年には、ロシアのソチ、独ガルミッシュ・パルテンキルヒェン、米スコーバレーの3都市で、2月1日時点で30センチ以上の積雪(人工雪を含む)が激減するとみられています。

雪不足、すでにさまざまな取り組みが

20180203_nyt_3

2014年ソチ五輪フリースタイル競技会場では、むき出しになった地面を白いカバーで覆い隠した。(Doug Mills/The New York Times)

スコット教授らの予測では、スノーマシンで作る人工雪も含めて計算しています。しかし人工雪は、細いノズルから噴出された水が、冷たい外気に触れて一瞬にして凍ってできるもの。氷点下でなければ、そもそも頼りにできません。これまでも、気温が氷点下まで下がらなかった場合には、スノーマシンよりも「過激」な方法で雪を用意しています。

例えば、記録的な暖冬の中で行われた2010年のカナダ・バンクーバー五輪。わらの塊1000個を持ち込んでスキーコースをかさ上げし、上から天然の雪と人工雪をかぶせて対応しました。

また、比較的暖かいために冬季五輪の開催地としては異例だった2014年のロシア・ソチ五輪では、前年の雪を日陰に置き、断熱材をかぶせて保管していました。さらにバンクーバー、ソチの両都市で、ドライアイスを詰めたパイプをスキーコースに埋めるといった技術も採用されました。下側からコースを冷やすことで最大2日間、雪を保存できたそうです。

しかしこうした努力にもかかわらず、選手たちからは「雪の量が十分でないためにコンディションが平等でなかった」との苦情があったそうです。例えば、スキーでは滑走する時間によって、スピードの出やすさにばらつきが出て不公平だという声が上がりました。

ソチでは、スノーボードの選手たちから、ハーフパイプの危険性が指摘されました。高くジャンプするために勢いが必要なのに、雪質の変化や溝ができたせいでスピードが落ちてしまうためでした。予選では半数以上の選手がバランスを崩したということです。

将来は数か所のローテーション開催も?

今までの冬季五輪では、競技会場を屋内に移すことで気まぐれな天候に対応してきました。例えばスケートはかつては屋外で行われていたのです。しかし、ジャイアント・スラローム(スキーの大回転)や男子クロスカントリーの50キロなどのコースを、山ごと動かすことはできません。

気候温暖化が進んでも、世界に寒冷地は残るでしょう。しかし、冬季五輪の候補地はどんどん減りつつあるのです。将来はいくつかの都市をローテーションで回るようになる、という可能性だってあり得ます。

また温暖化は開催地だけではなく、選手のトレーニングにも影響します。アメリカの一部スキー場では、スキーシーズンの長さが2050年までに現在の半分になり、2090年には5分の1になってしまうと予測されています。エリート選手は雪を求めて移動を強いられるようになるかもしれません。

さらに深刻なのは、ウィンタースポーツにこれから触れようという未来のアスリートたちへの影響です。スキーができる地域の山や、アイスホッケーで遊べる近所の池が消えてしまったら、エリート選手はどうやって育っていくのでしょうか?「非常に興味深い問いですが、その答えは誰にも分かりません」とスコット氏は述べています。

©2018 The New York Times News Service[原文:Of 21 Winter Olympic Cities, Many May Soon Be Too Warm to Host the Games/執筆:Kendra Pierre Louis and Nadja Popovich](抄訳:Tomoko.A)

  • facebook
  • twitter
  • hatena

    Ranking

    1. ビジネスシーンの3大密室で問われる女のスキル

    2. 頑張らなくていい。イケメン歯科医が手ほどきするマウスケア 【いい男に会いに行く】

    3. 部屋の印象を決めるのはソファ。見ておきたい最高級店がオープン

    4. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    5. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    6. 元CA漫画家に聞く CREWたちのチームビルディング

    7. 料理好きがこぞって認めた、ストレスフリーの最高のキッチンとは?

    8. 28%の離職率を4%に変えた、サイボウズ流チームワークとは

    9. 人生の密度が濃い人と薄い人、差をつくるのは「レスポンス能力」

    10. 家でバリスタのコーヒーを。IoTコーヒーメーカーで好みの味を再現

    1. ビジネスシーンの3大密室で問われる女のスキル

    2. 頑張らなくていい。イケメン歯科医が手ほどきするマウスケア 【いい男に会いに行く】

    3. 人生の密度が濃い人と薄い人、差をつくるのは「レスポンス能力」

    4. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    5. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    6. じつは見られてます! アラフォーの「老け感」は◯元から

    7. 料理好きがこぞって認めた、ストレスフリーの最高のキッチンとは?

    8. 「伝説の美女」のつくり方。ロングセラーの美容法が愛されるワケ

    9. 習慣をデザインすれば人生が変わる。スタンフォード大教授の「デザイン思考」

    10. 元CA漫画家に聞く CREWたちのチームビルディング

    1. ビジネスシーンの3大密室で問われる女のスキル

    2. 頑張らなくていい。イケメン歯科医が手ほどきするマウスケア 【いい男に会いに行く】

    3. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    4. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    5. 脱・マンネリ食器。2,000円台でできる、ちょい足しダイニングコーデ

    6. 定時で会社を脱出するのに必要なのは「習慣化」だった? しっかり定時に帰る方法

    7. 料理好きがこぞって認めた、ストレスフリーの最高のキッチンとは?

    8. 謝りすぎる人だけが気づいていない、心理的な負担と解決策

    9. ダイエットにカロリー制限はもう必要ない。米研究チームが発表 [The New York Times]

    10. 肌もボロボロになる? 女医に聞いた「花粉症の噂」の本当のところ

    温暖化で雪が足りない! 未来の冬季五輪はどうなる [The New York Times]

    FBからも最新情報をお届けします。