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自己肯定感があると人生がするりと動く。自信の持ち方が身につく絵本

仕事の本棚

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「なぜ自分ばかりが、このような思いをしなくてはならないのか」。いくつになっても、このような思いに苛まれることが多くあります。そんな心に語りかけてくれる言葉を、元・世界No.2営業ウーマンであり、ビジネス作家の和田裕美著『ぼくはちいさくてしろい』 より紹介します。

本著は道徳教科書(平成30年度版『いきるちから』日本文教出版刊)に掲載されて話題になった絵本のリニューアル復刊。困難やウイークポイントを、自らの強みに変えていく考え方について教えてくれます。

“弱み”を“強み”に変えていく思考

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あるところに ちいさくて まっしろなペンギンがいました。
「ぼくは さびしいよ……」
ペンギンは ひとりぼっちでした。
「どうして ぼくは はいいろのぶぶんも くろいぶぶんもなくて まっしろなのかな? 」
「しろいのも すてきなのよ。ゆきのなかで かくれんぼが いちばんになれるでしょう」
「おかあさん おかあさんなの? 」

1~8ページより引用

作家であり、営業コンサルタントとして活躍する著者・和田裕美さんは、外資系教育会社ブリタニカでフルコミッション営業として世界142か国中第2位の成績を収め、20代で女性初の支社長となったエピソードが有名です。これまで出版してきた著書は、累計200万部を突破。代表作の多くは、営業や管理職としての仕事術といった内容が中心になっています。

世界を相手にビジネスの場で戦ってきた著者は、オフィスにおいて物事を明るく前向きにとらえていく「陽転思考」について随所で語ってきました。その考え方の源は、亡き母が教えてくれたものだといいます。それがこの絵本の中に凝縮されているのだとか。

絵本の中の主人公は、小さな白い、ひとりぼっちのペンギン。他のペンギンと姿が違う、家族も仲間もいない。そんなペンギンの耳に、心の中に住んでいるお母さんが静かに語りかけてくれます

たとえば、ジェンダーの認識の違い、オフィスにおける人との考えの違い……。子どもの頃だけの話ではなく、今の私たちの生活にも十分に通じる考え方のようにも感じられます。

弱いからこそ弱い人の痛みが分かる

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「おかあさん おかあさん どうして ぼくは ほかのこよりも はしるのがおそいの?」
「それはね まえをはしっていたら うしろのこがころんでも きがつかないでしょう。あなたは ほかのだれかが ころんだら おこしてあげるやくめなの」
「こんな ふぶきは つめたくて たまらないよ」
「あついと すきなひとと よりそえないから さむいときも いいものよ」

9~11ページより引用

幼いころ、何をするのも遅くてのろまであって……と自らを表現する著者は、人と会うのが怖く、人と関わること自体が苦手であったようです。そんなときに、「なんでもゆっくり、遅いことも余裕があっていいことだ」と母にいってもらったことが、心の中に小さな明かりがともり、いつしか小さな自信になっていったのだといいます。自分のよいところに気がつき、「こんなダメな私にもちょっとはいいところがあるんだ」と気づくことで強くなれたのだとか。その幼少時の体験が、現在の著者を形作る素になり、今に繋がっているようです。

物事は、悪くとらえようとすれば、いくらでも悪く考えてしまうものです。絵本の中の小さなペンギンは、足の遅さをお母さんペンギンに訴えていますが、子どものころを思い起こしても、足が速い・遅いは、絶対的なスキルであり、努力で補いきれない一面があります。しかし、それを変えてしまおうとするのではなく、足が遅いからこそ弱い人の気持ちが分かり、支えてあげられることができるのだと、お母さんペンギンは小さいペンギンに語り掛けています。このような捉え方は、オフィスにおける部下の育成などで、応用できる考え方であるといえるでしょう。

前に進むから勇気が生まれる

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「ゆうき? ゆうきはどこにあるの?」
「まえをむいて あるいていくと ゆうきとであえるの。いろいろなことにむかっていけば さいしょは ちいさなゆうきでも どんどん おおきくなっていくの」
「そのさきには なにがあるの」
「わくわくする あなたの みらいがあるの」
「わくわくする みらい? ぼくは みらいにたどりつけるかな? 」
「ゆめがあるなら だいじょうぶ」

20~24ページより引用

自分の中に勇気が見いだせないとき、ふと足が止まってしまうということは、人生におけるさまざまなシチュエーションで起こりうることです。前を向いて歩いていくことで、勇気に出会えるのだとお母さんペンギンは語っています。たとえばオフィスでいえば、苦手なことをやり続けていくと、いつしか自信が生まれて、勇気が湧いてくる。その真理は、納得ができるところです。

少しずつ勇気が大きくなっていくことで、わくわくするような自身の未来が待っている。夢を持っていれば大丈夫なのだと、ペンギンのお母さんは小さなペンギンにさらに語りかけています。ひとりぼっちだと悲しんでいた小さなペンギンは、心の中に住んでいるお母さんの言葉を胸に、太陽に向かってたしかに歩いていきます。やがて、小さなペンギンは、悪い条件を受け入れて、自分が持っている良い部分を少しずつ探せるようになっていきます。

異端を抱えながらも前に進んでいこうとする、現在を生きる子どもたちに向けられた、白い小さなペンギンのストーリー。私たちの毎日においても、学び励まされることが大いにありそうです。

ぼくはちいさくてしろい

著者:和田裕美
発行:クラーケン
定価:1,389円(税別)

photo by Getty Images

ナカセコ エミコ

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