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居場所をなくした私が、夢を叶えるまで。冒険家を生んだマインドセット・チェンジ

近年ビジネスの世界でも、「マインドセット」という言葉を耳にすることが増えてきました。マインドセットとは、“思い込み”や思考回路のクセのようなもの。壁にぶつかったとき「自分には変えられない」「女性だから」「この歳だから」と簡単にあきらめてしまうのも、ある種のマインドセットです。

2018年3月8日に開催された「HeForSheセミナー2018」では、「マインドセット・チェンジ」をテーマに有識者が登壇。20歳の時、世界最年少で北極点と南極点、世界7大陸最高峰すべて制覇する「エクスプローラーズ・グランドスラム」を達成した南谷真鈴(みなみや・まりん)さんが基調講演を行いました。

「HeForSheセミナー2018」に南谷さんが登壇

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冒険家の南谷真鈴さん

「HeForShe」は、国連機関「UN Women」によるジェンダー平等のための連帯キャンペーン。「HeForShe」に賛同するユニリーバ・ジャパン、PwC Japanグループ、文京区およびUN Women日本事務所が共催する日本でのイベントは、今年で2回目になります。

南谷さんは、登壇者のひとりであるユニリーバ・ジャパン取締役・島田由香さんのラブコールに応じ、久しぶりに南アフリカから帰国。夢を叶えるためにどんな「マインドセット・チェンジ」が必要だったのかを真摯に語ってくれました。

自分の心の山を乗り越えたい

1996年生まれの南谷さんは、両親の仕事のため1歳半からアジア各地を転々。家では日本語、外では中国語、学校では英語という生活を送るうちに、自分の居場所とアイデンティティを見失ってしまったと話します。

「転機は13歳のとき。学校のプログラムでヒマラヤ山脈のアンナプルナに行き、自然によって自分が人間に戻ったような、初めての感覚をおぼえました。目の前には壮大なエベレスト。こんなに高い山に登ったら、自分のどんな心の山も乗り越えて、きっと自分を見つけられる……そう思ったんです」(南谷さん)

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17歳で帰国後、エベレスト登頂の夢を叶えようと動き出した南谷さん。両親が離婚し、家族からの資金援助は望めないなか、学生寮から1日100通ペースで企業に支援を求めるメールを送り続けたそう。

「そのときのマインドセット・チェンジを振り返ると……当時は本当に、えんえんと続く真っ暗なトンネルにいるような気持ち。エベレストに登ったアルピニストの方にも会いに行きましたが、彼には『17歳の女子高生がエベレストに登れるわけがない、何を考えているんだ』と面とむかって言われました。

でも誰がなんと言おうと、資金がなかろうと、この夢だけは絶対にあきらめたくない。エベレストは私にとって“チケット”なんだと。そう決めたんです」(南谷さん)

考えは言葉になり、やがて運命になる

やがて少しずつ支援者が増え、集まった資金で登頂計画を進めていた矢先、日本でのトレーニング中に思わぬ事故が

「ちょうど3年前、2015年の3月7日でした。冬山で下山中、チームリーダーが『危ないから気をつけろ。足もとを見て、滑るかもしれないから』と言ったんです。私は不安を感じて下を見て、その瞬間……滑り落ちました」(南谷さん)

250メートル滑落し、死ぬかもしれないと感じたと南谷さん。30秒が30分に思えるようなスローモーションの時間のなか、なにかにすがるような気持ちで「ここは私が死ぬ場所じゃない!と叫んだ瞬間、ピタッと滑落が止まったのだそう。

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「リーダーが悪いわけではないけれど、やはりあの言葉が滑落のきっかけとなり、『死なない』と叫んだことで生き延びられたと感じています。

マーガレット・サッチャーは『考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる』と言いましたが、本当にそう。自分の可能性は無限だと思い続けなければ今の私はいないし、資金を集めるときも自分のパッションが伝わらなければ、ドミノ倒しのように夢が実現されることはなかった。

マインドセット・チェンジは考えるところからはじまる。もっと自分を肯定する『できる』というニュアンスのある言葉を使ってほしいです」(南谷さん)

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モチベーションは上げるのではなく上がるもの

基調講演の半ばから、南谷さんの呼びかけで舞台に上がり、その言葉を引き出していた島田さん。もっとポジティブな言葉を使うべきという南谷さんの言葉に、大きく頷いていました。

「忘れがちだけど、自分が発する言葉や書いていることは、思った以上に自分に入ってきています。それが愚痴なら、ぜんぶ自分で取り込んでいることになる。リーダーならば、チームに語りかけるときは『ミスをするな』ではなく、やりたい・成し遂げたいことを目標にしていきたいですね」(島田さん)

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ユニリーバ・ジャパン取締役の島田由香さん

島田さんが人事総務本部長をつとめるユニリーバ・ジャパンは、外資系でもあり、ジェンダーを問わず、自分らしい人生やキャリアを選ぶことを応援するという風土。「UN Women」がトップからジェンダー平等に向けて変革を起こすため、各国首脳10名・世界的企業のCEO10名・大学学長10名を「IMPACT10x10x10(インパクトテンバイテンバイテン)」として選出した際には、ユニリーバのグローバルCEO ポール・ポールマンも選ばれました。

「私も人事としていろいろなことをやるけれど、チームの見方と私の見方が違うこともある。みんなの意見を聞き、私自身も問いかけを受けるなかで、自分のなかにまだこんな思い込みがあったのかと、いつも気づかされています

みんな思い込みに気づかないで、ブレーキを踏んでいる。枠を決めちゃってるんですよね。自分にはやれないとか、こんなことをしたら失礼じゃないかとか……全然そんなことない。モチベーションは、上げるのではなく上がるもの。やりたかったら、やっちゃえばいいんです!」(島田さん)

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始まったばかりの「HeForShe」でも、ほとんど手作りでイベントの企画・開催にコミットしているという島田さん。スタッフ全員で参加者に配る資料を組みながら、去年をはるかに超える1000人もの参加者を迎える喜びを実感したと話してくれました。

参加者ひとりひとりに、確かな手応えを残した「HeForShe」のメッセージ。まずは自分の心から変えてみよう、そう思わせてくれました。

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HeForShe

Sponsored by ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社

撮影/中山実華(5、6枚目) 取材・文/田邉愛理

田邉愛理

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