1. Home
  2. ライフスタイル
  3. サウジでポップコンサート解禁。でも観客が踊るのはNG [The New York Times]

サウジでポップコンサート解禁。でも観客が踊るのはNG [The New York Times]

The New York Times

イスラム教国のなかでもとりわけ保守的とされ、つい最近までポップミュージックのコンサートが認められていなかったサウジアラビアで、エジプト生まれの人気男性シンガー、ターメル・ホスニーのコンサートが開かれることになった。

だが、チケットを手にいれた人々は愕然とした。そこにはっきりと書かれていたのは「コンサートの最中に踊ることを厳禁とする」の文字。さらには「身体を揺らすこと」も固く禁じられていたからだ。

ツイッターには皮肉の声

20180328_nyt_1

アラブの人気歌手ターメル・ホスニー。2014年11月、アラブ首長国連邦のアブダビで行われたコンサート風景 (Photo by Cedric Ribeiro/Getty Images)

ターメル・ホスニーの曲の歌詞には、セクシャルなほのめかしや隠語もときどき見受けられる。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が推進する改革にのっとり、政府機関は彼のコンサートを認可する代わりに、観客に対してさまざまな禁止事項を設けることで“公序良俗”を守ろうとしているのだろう

しかし、サウジアラビア本国や中東のSNSには、批判やあざけりの声がとびかった。

「ダンスも身体を揺らすのもダメって、行く意味があるのかい? ミュージックコンサートだよ?」とあるツイッターは嘆く。また別なツイッターでは「ターメル・ホスニーのコンサートに行く人たちへ。踊らないで、揺れないで、ひたすら預言者に祈るんだよ」とか、「観客は沐浴でお清めをしてからコンサートに行くべきかもね。終わったらすぐに夕べの祈りを捧げられるから(主催者も満足だろう)」など、皮肉たっぷりのコメントが並んだ。

ムハンマド皇太子の急速な改革路線

コンサートでの細かな規制は、保守的で厳格なサウジアラビア社会に異国の文化を導入させる手法の一例といえるかもしれない。

32歳のムハンマド皇太子は2017年の就任以来、性急かつ過激なまでに改革を進めており、中東の覇権を争うライバルであるイランと真っ向から対決する姿勢を打ち出すほか、汚職撲滅と称して王族や富豪を一斉に拘束、聖職者の影響力の抑制も図っている。

20180328_nyt_2

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子 (Photo by Dan Kitwood /Getty Images)

2017年9月には女性に自動車の運転を認めることを発表。ギリシャ人シンセサイザー奏者のヤニーなど、コンサートはすでにいくつか開催されているし、娯楽施設である映画館を35年ぶりに開館する予定だ。皇太子の改革には、国家財政の原油への依存を減らし、観光産業をおこしたい目算も含まれている。

不満をつのらせる保守派

逮捕を恐れて、あからさまには言わないものの、サウジアラビアの保守派は皇太子の改革に強い不快感をおぼえている。ターメル・ホスニーのコンサートに関する投稿は、実はその多くがコンサートの開催自体を非難するものだ。

「ターメル・ホスニーにツバを吐きかけてやる。コンサートを認めた奴らにもツバを吐きかけてやる」とするツイッターのほか、「サウジアラビア政府よ、あなたがたがコーランに従うなら忠誠を誓おう」と書かれたツイッターは続けて、政府機関がムスリムの掟に違反する行為に固執するなら、サウジ国民から政府として認められることはないと警告している。

ただし、こうした抵抗を、目下のところムハンマド皇太子を歯牙にもかけないようだ。3月には首都リヤドでファッションショーも開かれる。

絶対王政をしくサウジアラビアは、1932年の建国からこのかた、イスラムの法の忠実な体現者として国家を運営してきた。そして、イスラム教徒が最もあがめる聖地メッカもこの国にある。

©2018 The New York Times News Service [原文:No Dancing, No Swaying: Saudi Pop Concert Comes With Warning/執筆: Nour Youssef](翻訳:十河亜矢子)

  • facebook
  • twitter
  • hatena

    Ranking

    1. これぞ安全策。会社に勤めながら、まずはライトな副業を始めてみよう

    2. 子どものスマホデビュー前に確認しておきたい注意点とポイント

    3. 仕事が終わらないとき、生産性を上げることを考えるまえにするべきこと

    4. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    5. 「うまく言葉にできない」なら。自分の感情を言語化し伝える力を強化するコツ

    6. 「運気も肌も輝いている人」にならおう。ハッピーオーラをつくる5つの方法/春先美肌座談会[後編]

    7. 肌もボロボロになる? 女医に聞いた「花粉症の噂」の本当のところ

    8. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    9. Sexが痛い!婦人科医からの性交痛治療アドバイス [The New York Times]

    10. 冬の隠れ悩み「デリケートゾーンのかゆみ」には正しいケアを

    1. 子どものスマホデビュー前に確認しておきたい注意点とポイント

    2. 仕事が終わらないとき、生産性を上げることを考えるまえにするべきこと

    3. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    4. 「運気も肌も輝いている人」にならおう。ハッピーオーラをつくる5つの方法/春先美肌座談会[後編]

    5. 肌もボロボロになる? 女医に聞いた「花粉症の噂」の本当のところ

    6. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    7. これぞ安全策。会社に勤めながら、まずはライトな副業を始めてみよう

    8. Sexが痛い!婦人科医からの性交痛治療アドバイス [The New York Times]

    9. 語彙力とは「言い換え力」である。ビジネス会話で意識したい2つの軸

    10. 当てはまるものが1つでもあるなら、新しい仕事を見つけたほうがいいかも?

    1. その筋肉痛、心臓発作の前兆かも? 見逃しやすい8つの症状

    2. 体験者が語る「卵巣がん」の怖さ。むくみや疲れをPMSだと思っていたら......

    3. 誰かに教えたくなるやばい日本史。歴史上のあの人物には裏の顔があった!

    4. 子どものスマホデビュー前に確認しておきたい注意点とポイント

    5. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    6. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    7. 内向的な人でもきっとできます。「ゆるい人脈」の作り方

    8. 仕事が終わらないとき、生産性を上げることを考えるまえにするべきこと

    9. Sexが痛い!婦人科医からの性交痛治療アドバイス [The New York Times]

    10. 当てはまるものが1つでもあるなら、新しい仕事を見つけたほうがいいかも?

    サウジでポップコンサート解禁。でも観客が踊るのはNG [The New York Times]

    FBからも最新情報をお届けします。