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文書鑑定人ってどんな仕事? [The New York Times]

The New York Times

ニューヨークタイムズの人気コラムVocations。さまざまな職業に就く人にインタビューし、一般に知られていない仕事の内容を紹介します。

アリゾナ州フェニックスの研究所アフィリエイテッド・フォレンジック・ラボラトリーで法廷文書鑑定人を務めるアラン・クレイトルさん(48歳)

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法廷文書鑑定人のアラン・クレイトルさん。フェニックスのアフィリエイテッド・フォレンジック・ラボラトリーにて2018年2月9日撮影(Credit Caitlin O'Hara/The New York Times)

筆跡鑑定で偽造文書をあらいだす

——文書鑑定とはどんな仕事ですか?

仕事のほとんどは複数の筆跡を比較して、筆者が同一かどうか、または偽造文書でないかを確認する、というものです。両方を判断しなくてはならないこともあります。アフィリエイテッド・フォレンジック・ラボラトリーでは民事事件を取り扱っています。たとえば遺書の内容に家族が異議を唱えた場合などです。

——民事事件で記憶に残るものはありますか?

ある女性の財務記録に関わる民事裁判で証言したことがあります。息子がずっと世話をしていたのですが、女性の死後、(女性の娘にあたる)姉たちが弟を訴えました。「署名を偽造して母親の小切手を使い、預金を引き出した」と言うのです。姉たちは小切手の金額を弟の相続分から差し引くことを望んでいました。鑑定によって故人が署名した文書と息子が偽造したものを示すことができました。ただ残念なことに、弟を罰しようとした結果、お姉さんたちは余計に損してしまいました。

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光を分離してインクや紙の特性を明らかにする画像スペクトルコンパレータを調節するアラン・クレイトルさん。(Credit Caitlin O'Hara/The New York Times)

習得には膨大なトレーニングが必要

——刑事事件も扱わないのですか?

実は二足の草鞋を履いていて、法執行機関であるアリゾナ州公安局にも所属しています。そこでは刑事事件を扱っています。たとえば、恋人殺害の容疑で起訴された女性の事件を手がけたことがあります。その事件では、女性が虐待被害にあっていたと弁護側が主張し、恋人が書いたという10通の謝罪文を証拠として提出しました。家族に宛てた別の手紙の筆跡とも比較し、裁判前の聴聞会で恋人はそれらの謝罪文を書いていないと私は証言しました。その結果、それらは証拠として認められないことになりました。

——どんな経歴をお持ちですか?

化学に重点を置いた犯罪科学の学位を持っています。1993年にアリゾナ州の麻薬分析官として働き始め、押収されたマリファナやコカイン、メタンフェタミンなどの麻薬の識別に当たりました。その後、法廷文書鑑定人の求人があったので、応募したところ採用され、2年間の研修を受けました。ベテランの同僚の横に控えて作業を学び、筆跡に関する論文を読み、古い検定試験をじっくり見て研究しました。鑑定は習得する技術です。熟達するには何百という筆跡の照合比較を行う必要があります。

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顕微鏡で判を観察するアラン・クレイトルさん。(Credit Caitlin O'Hara/The New York Times)

技術を駆使してトリックをあばく

——他には、どんな文書を鑑定するのですか?

銀行強盗のメモや、爆破予告を含む諸々の脅迫状、運転免許証、出生証明書など何でもありです。改ざんの可能性がある場合、紫外線を用いる画像スペクトルコンパレータなどの装置を使って、違うペンで改ざんされていないかを検証します。目視ではインクの違いを見分けられないことがあるからです。

——悪質な行動を目にすることが多いと思いますが、精神的にどう受け止めていますか?

駆け出しの頃は、老人や子どもにつけ入る事件では憤っていましたが、今では大分冷めた見方をするようになりました。それでも、大多数の人は善良で、法に従う市民です。公正な裁きに貢献できた時や、冤罪を晴らせた時、やりがいを感じます。

© 2018 New York Times News Service [原文:Catching Forgeries and Aiding Justice/執筆:Patricia R. Olsen](翻訳:Ikuyo. W) Top image via Shutterstock

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