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週末は葉山に。柔らかなアタマを取り戻すブルーノ・ムナーリ展

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1930年代、最初期のキネティック・アート(動く彫刻)であり、モビールの先駆けとなる作品を生み出した人物、ブルーノ・ムナーリ。画家であり、彫刻家であり、グラフィック・デザイナーでも、インダストリアル・デザイナーでも、発明家でもあるという、多くの顔を持つ彼の日本最大の回顧展「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」が開催されています。

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《読めない本》試作 1955年、パルマ大学CSAC

展覧会会場には、彼の全生涯にわたる約320点が並びます。しかもそのうち半数近い約150点が日本初公開。美術に端を発しながら、その後、照明や家具なども含む多くのプロダクトや印刷物へと独創的な活動を展開した彼を参照することで、現代におけるそれらのあり方を問いただす契機になるような展覧会です。

想像をめぐらせて楽しむ。感性を刺激する作品

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《穴のあるコンポジション》1950年、カーサペルラルテ=パオロ・ミノーリ財団

さて、なぜ副題に「こどもの心」とあるのか。これは、ムナーリが注力したことの1つに、こどもの感性や創造性を刺激する作品制作があるからです。息子がいた彼は、第二次世界大戦後、息子のための仕掛け絵本制作をスタート。以降、さまざまな趣向を凝らした絵本や遊具、美術教育プログラムを発案しました。

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折りたたんで持ち運び可能な彫刻。《旅行のための彫刻》1965年、富山県美術館

正直なところ、ムナーリの作品はとても抽象的で、パッと見ただけでは何が描かれているのか、何を表現したかったのか、わかりづらいものが多くあります。ですが、これこそが彼が考える「感性の刺激」。

ちなみに彼以前の絵本は物語が言葉によって展開され、絵はストーリーの場面を切り取って説明するにすぎませんでした。けれどムナーリは視覚表現のあらゆる可能性を利用し、たとえば材質の異なる3種の紙で風景とストーリーを紡ぐなど、視覚イメージによって物語を構成することを試みました。それ「らしい」ものからイメージをいかようにも膨らませていくことができる。目にしたものからいろいろなことを発想する、まさに感性を刺激する作品なのです。

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《チューブ型照明器具:フォークランド》1964年/1999年、特定非営利活動法人市民の芸術活動推進委員会

お子さん連れにぴったりの展覧会ですが、筆者は大人にこそ薦めたい。大人になると、物事の考え方が型にはまって画一的になりがちです。ムナーリの作品に触れて、ぜひ、自由に、柔軟に物事を捉える大切さを思い出してください。

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《触覚のボード》1994年、カーサペルラルテ=パオロ・ミノーリ財団

なお、筋肉を刺激すると脳が活性化されると言われています。身体のなかでもっとも大きな筋肉は太ももですから、歩くことは発想力アップにも効果的。同展覧会は「神奈川県立近代美術館 葉山」にて開催中ですので、葉山まで足をのばし、脚を動かすことからも豊かな刺激を受けましょう。

© Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ

会期:〜2018年6月10日(日) / 会場:神奈川県立近代美術館 葉山 / 開催時間:9:30〜17:00(入館〜16:30) / 月休(4月30日は開館) / 観覧料:一般1,200円 ※ブルーノ・ムナーリに関する講演会やギャラリートークも開催。詳細はホームページ参照。

神奈川県立近代美術館

多田亜矢子

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