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ため息を誘う精緻さ。ハイブランドのレースドレス初一般公開

レースの本場、フランスのカレにあるレース・モードセンターで、2018年6月9日から2019年1月6日に開催予定なのが、Haute Dentelle(オート・ダンテル)展。展覧会名は「オート・クチュール」と「ダンテル(レース)」をかけ合わせたものになっています。

最高級品に用いられるリバーレース

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そもそもレースは、ヨーロッパ生まれの唯一の布地と言われています。

一口でレースと言っても種類はさまざまで、機械編みに限ってもラッセルレースリバーレースに分かれます。普段よく見かけるものは、たいていラッセルレースで、20世紀半ばに発明された編機で作られているもの。

一方、いわゆるオートクチュールや、高価なプレタポルテに用いられるのはリバーレース。19世紀にイギリスで作られたリーヴァー機にフランスのジャカールの発明を加え、細い糸をより合わせながら複雑で繊細な模様を織りあげたものです。ラッセルレースとは比べ物にならない手間と時間がかかっていて、またそれに見合うクオリティを持つ品でもあります。

一例を挙げるなら、英国キャサリン妃のウェディングドレスにふんだんに用いられたレース。あれも、フランス北部で作られたリバーレースでした。

1000時間をかけてつくられたオートクチュールドレスも

「オート・ダンテル」展では、そんな贅沢なレースを間近に観賞することができます。過去5年間において14のブランドで発表されたドレス65点が一堂に会し、そのうちの63点は、これが初めての一般公開。ブランドごとにドレスの元になったレースも並べられ、どのような手法・工程を経て完成に至ったかがわかるような展示となっています。

オートクチュールのドレスは、ものによっては完成までに延べ1000時間という膨大な手間がかかっているものも。そんな製作の舞台裏を、オート・ダンテル展からいくつかご紹介しましょう。

ヴァレンティノ

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リバーレースのドレス、ヴァレンティノ2015-16秋冬オートクチュールコレクション、Solstiss et Darquerのレース ©Robin

ヴァレンティノ2015-16秋冬コレクションのドレスは一見シンプルにも見えますが、よく見れば複数のレースやチュールが巧妙に重ねられています。種類の違うレース同士を並べたり、切り貼りしたりすることで、全く新しい表情が生み出されています。加えて、襟と肩の飾りには丸いビーズの刺繍が施され、メタル製の糸で整えるという凝りよう。

アルベルタ・フェレッティ

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リバーレースのドレス、アルベルタ・フェレッティ2016-17秋冬コレクション、Méryのレース ©Robin

アルベルタ・フェレッティレースを愛するデザイナーのひとり。このドレスに使われているレース2種のモチーフは、1950年と1970年に作られたものです。アルベルタ・フェレッティは、2016-17秋冬コレクションのドレス29点のうち7点にこのレースを用いました。写真のドレスでは、レースを縦にあるいは横にと用いることで、繊細で複雑な表情を生み出しています。

マルタン・マルジェラ

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リバーレースのタキシードスーツ、メゾン・マルジェラ2012-13秋冬コレクション、Sophie Halletteのレース ©Robin

マルタン・マルジェラからは、2012-13秋冬コレクションの手仕事による作品が3点展示されます。このコレクションで発表された15点のうち6点がレースに焦点を当てたものでした。写真のタキシードジャケットは、英国エドワード時代(1901-1910年)のヴィンテージ素材を組み合わせて作ったものです。レースはもちろん、そのほかの素材もすべて同時代のもの。例えば、プリーツをあしらった襟は当時のサテンのペチュコートを用い、ジャケットの留め金はニューヨークで見つけたクリスタル製のドアノブが用いられています。

シャネル

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リバーレースのスカート、シャネル2015春夏オートクチュールコレクション、Solstissのレース ©Chanel, Karl Lagerfeld

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リバーレースのスカート(詳細)、シャネル2015春夏オートクチュールコレクション、Solstissのレース ©Chanel, Karl Lagerfeld

カール・ラガーフェルド率いるシャネルも、レースの可能性をくまなく探求してきたブランドです。2015春夏コレクションのこのスカートも、よく見れば丁寧にひとつひとつレースに切れ込みが入れられていることがわかります。

ズハイル・ムラド

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ビーズと羽の刺繍が施されたリバーレースのドレス(詳細)、ズハイル・ムラド2017-18秋冬コレクション、Sakae Laceのレース ©Zuhair Murad

レースにビーズや金糸で刺繍を施す手法も、よく用いられます。例えば、Zuhair Murad(ズハイル・ムラド)の2017-18秋冬コレクションのドレスには、レースの上にビーズ鳥の羽が刺繍で縫い付けられました。

イーチン・イン

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ジャージとリバーレースのドレス「アフロディテ」、イーチン・イン2013-14秋冬オートクチュールコレクション、Sophie Halletteのレース ©Shuji Fujii

イーチン・インの2013-14秋冬コレクションにもリバーレースが用いられています。上は、ジャージーとレースを組み合わせたもの。

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シリコン加工されたリバーレースとチュールのドレス「ジェルミナル」、イーチン・イン2013-14秋冬オートクチュールコレクション、Sophie Halletteのレース ©Shuji Fujii

こちらは、特許取得済みであるTzuri Gueta(ツリ・ゲタ)のレースのシリコン加工技術を用いたもの。このドレスでは、レースはまるで建築の一材料のように用いられ、元の形が辿れないほどの変化を遂げています。

こうして見ていると、レースは単なる素材としての布地の立場を越えて、デザイナーたちにインスピレーションを与える源になっているように思えます。また、50年前、100年前のレースやデザインが、現代のファッションに生かされているのを見ると、「新しいもの」=「現代のもの」とは限らないことにも気づかされます。

限りなくアートに近いモードの世界を覗ける展覧会のはじまりです。

Museum for Lace and Fashion , DENTELLE DE CAUDRY

冠ゆき

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