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女性がつくればうまくいく? 共感を呼ぶプロモーションのしかけ方 [MASHING UP]

MASHING UP/マッシングアップ

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2018年2月22〜23日にトランクホテルで開催されたビジネスカンファレンスMASHING UPUnleash Yourself (自分自身を解き放とう)のテーマの下、多彩なセッションやワークショップが繰り広げられました。カフェグローブはイベントに密着取材、パワフルな現場の様子をレポートします!

女性がもとめる商材は、女性が女性のためにデザインしたほうがフィットするのでしょうか。日々プロモーションに携わる4人の本音のトークセッションから、「ダイバーシティからインクルージョンへ」という新たな方向性が見えてきました。

女性が作ったほうがうまくいく、が9割

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ブルーカレント・ジャパン 本田哲也さん

「まず質問。女性向けのサービスや商品は、女性が作ったほうがうまくいくよねって思う人はどれくらいいますか?」

モデレーターをつとめるブルーカレント・ジャパン代表取締役社長、本田哲也さんの、こんな問いかけから始まったセッション。会場には女性の参加者が多かったこともあり、8割~9割の人が手を挙げました。

著書『戦略PR』(アスキー新書刊)で広告業界にPRブームを巻き起こした本田さんですが、この結果には「あれ、訊かないほうが良かったかな……」と弱り顔。「女性が作ったからといって、必ずしもうまくいかないんじゃない? って思う人は少数派なんですね」と、旗色の悪さを実感した様子です。

「女性の声」を中心にしたことの良さ

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プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)田上智子さん

セッションに登壇したのは、実際に女性をターゲットにしたコンテンツに携わる3人の女性たち。まずはプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)広報のシニアマネジャーである田上智子さんが、2017年に公開された“家事分担ムービー”制作での経験を語ります。

「家事分担をJOBからJOYへ」と題し、男性が家事に参加するきっかけ作りを目指したこの動画。当初の男性メインの制作チームでは、なかなかしっくりくる作品が出てこなかったといいます。

田上さん「男性がどうしたら“物理的”にお皿を洗うか──というテーマだったんですが、どうも納得できず、いったんプロジェクトを休みにしたんです。その後、女性がチームのリーダーになり、彼女も家事と仕事の両立に悩んでいた人だったので、それがいい方向に作用しましたね。

でも監督は男性で、彼の視点もすごく動画を左右しました。『人から言われるんじゃなく、自分が気づくほうが男性はその気になる』とか。逆に女性の声を中心に作ったことの良さを感じたのは、『男性が悪者にならないように』という配慮ができたこと。働く女性の希望が暴走すると、男性が見たくないドラマになる心配もありますから。試行錯誤を経て、家事だけでなく気持ちも分担しようと“わけあいたいのは、わかりあいたいから”というキーワードが生まれました」

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インフォバーン 中村 圭さん

この動画を見て家事分担の奥深さを感じたと話すのは、インフォバーンのプロデューサー・クリエイティブディレクターである中村 圭さん。

中村さん「家事シェアって家事を分担することを目的にしがち。でもこの動画のカップルの若いころのように、肉まんをあえて半分にしたりするのは、そのほうが幸せだから……ですよね。家事もそうで、家事シェアは幸せを分かち合うための手段なんだと気づかされました」

「大きな声」に「小さな声」が消されてしまう

田上さんの経験を聞き「とてもうらやましい」と率直な想いを述べたのは、JCOMグループジュピターエンタテインメントでCSチャンネル「女性チャンネル-LaLa TV」の番組編成、プロモーション含めた全体マーケティングを担当する森 綾さん。

森さん「女性主体のチームで、少数の男性の意見をうまく取り入れて作品を作っていくというバランス感は理想です。JCOMの男女比は5:5。私のチームは女性が7割と多いけれど、なかなか意見や企画が通らない。最終的にトップ3割の男性の意見で覆ってしまうときがあります。その風土を少しずつ変えていこうという会社の努力もあり、ダイバーシティの一環として私が部長になったのですが……」

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ジュピターエンタテインメント 森 綾さん

この言葉を聞いて「女性向けチャンネルの『LaLa TV』でも、男性の声が強くなるんですか」と、驚く本田さん。「結局、誰の声が一番大きいか。それは男女の比率とはまた違う問題ですよね。多様性、ダイバーシティといわれてけっこう経っているけど、押さえ込まれている声や意見はまだまだある」と頷きます。

田上さんからは、「今まで発言しづらかった女性の声を拾って、上に発言できる人になってほしいという、森さんに託された強いメッセージを感じます。そういう会社の姿勢は第一歩として、とても大切なこと」と励ましの言葉が。ダイバーシティ過渡期の環境では、森さんのように葛藤しながらも、遠慮がちな女性の「小さな声」を拾い上げようと奮闘する女性たちがいるのだと痛感しました。

ダイバーシティからインクルージョンへ

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続いて話題は、自分より下の世代とともに、より良いチームを作るにはどうしたら? という方向へ。インフォバーンで女性向け商材のプロモーションを多く手がける中村さんの流儀は、「前向きに巻き込む」

中村さん「いっしょにお昼にいったり、日常的なコミュニケーションのなかで、“得意”や“好き”の情報を集めておきます。新しいプロジェクトが動き出したら、この子に頼んだらいいテンションで来るだろうなとか、そんな視点で多様なチームを作っています」

田上さん「個の世代だなと感じますね。本人のやりたいことと、得意なことを掛け合わせてアサインするとうまくいく。年に1回くらいは、そういう形でみんなのピークパフォーマンスを引き出せると、すごくいい結果が出せるんじゃないかな」

森さん「JCOMはもともと中途採用で形成されていたのですが、新卒の採用をはじめて10年くらいたち、社内の雰囲気も変わってきました。お互いが受容しあい、リスペクトしあえる関係になれたら、ひとりひとりの強みをうまく引っ張り出せる気がします」

本田さん「“聞く”、傾聴して巻き込む、という感じですね。ソーシャルメディアの時代に、これはすごくポイントになる気がする。男性の共感を集めたいから男性が作る、女性の共感を集めたいから女性が作るというよりは、さまざまな人を“巻き込む”。インクルージョン的な作り方が大事ということなのかな、と感じました」

田上さん「そうですね。“女性だから女性の気持ちは全部わかっている”と妄想するのは危険だし、男性だから女性の気持ちはわからないと決めつけちゃうのもおかしい。自分にはわからないこともきっとある。だから多様な人を巻き込むことが大切なんだと思います」

ダイバーシティからインクルージョンへ──。これからのテーマが見えてきた今回のセッション。男女の垣根を越え、それぞれの強みを発揮できる“いいチーム”を作ることが、共感を呼ぶプロモーションのカギになりそうです。

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女性がつくればうまくいく、って本当?

MASHING UP 2018年2月23日@トランクホテル 3F/森 綾(ジュピターエンタテインメント)、中村 圭(インフォバーン)、田上 智子(プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン)、本田 哲也(ブルーカレント・ジャパン

撮影/野澤朋代、取材・文/田邉愛理

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