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まるでスタートアップ。女性IT起業家の小学校はとってもテック![The New York Times]

The New York Times

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米国人起業家スーザン・ウー氏がオーストラリアに開校した小学校「ルミニアーズ・アカデミー」の生徒たち。2018年2月13日撮影。(Asanka Brendon Ratnayake/The New York Times)

オーストラリアの首都メルボルン郊外で、2018年1月に開校した小学校「ルミニアーズ・アカデミー」。宿題も、普通の教室も、制服も、昔ながらの成績表もない。代わりにあるのは「クリエイター・スペース」や「青空思考」のセッション、プレゼン資料の作成などだ。

室内にはホワイトボードやビーンバッグチェア(クッション型の椅子)が備え付けられ、まるでスタートアップ企業のオフィスのよう。まさしく、この学校は、シリコンバレーのある起業家のアイデアから生まれたのだ。

テック企業幹部が目ざす教育改革

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自らがオーストラリアに創設した小学校「ルミニアーズ・アカデミー」で取材に応じる「テック界で最も影響のある女性」スーザン・ウー氏。2018年2月13日撮影。 (Asanka Brendon Ratnayake/The New York Times)

「テック界で最も影響のある女性の一人」と呼ばれているスーザン・ウー氏(44歳)は、これまでツイッターやレディット、ストライプといったソーシャルメディアやIT企業にアドバイスや投資を行ってきた。

いま、彼女のチームは、自分たちが教育革命を起こしつつあると信じている。ルミニアーズ・アカデミーは児童教育の新しいモデルであり、子どもたちに未来の世界にただ参加するだけではなく、その設計者になる準備をさせると約束している。

「現在の学校教育のモデルは100年以上も前に、産業革命のために築かれたものです」とウー氏は言う。「当時、重視されていたのは、ある種の型にはまった労働者を作り出す、画一的な工場のような教育。でも、今や世界は変わっています」

テック業界の学校開設ブーム

米国のテック界では、テスラ創業者のイーロン・マスク氏やネットフリックスのリード・ヘイスティングスCEOなど、学校開設を手掛ける企業幹部が増えている。だが、教育専門家らの間では、企業の資金が学校教育に及ぼす影響について議論され、警告が発せられることも少なくない。一方、IT実業家らが創設した学校は、鳴り物入りで開校するわりには今のところ成功していない。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOらが出資したグーグル幹部マックス・ベンティラ氏の学校「オルトスクール」は損失が続き、2017年に一部を閉校した。

しかし、ウー氏は、彼女の学校モデルやチーム、オーストラリアという土地柄は他の例とは異なると言う。米国に比べてオーストラリアでは私教育がより一般的だ。また、オーストラリアの多くの独立系の学校同様、ルミニアーズも非営利法人だ。

さらに、彼女と共同創設者のソフィー・フェントン氏、アマンダ・ターワイ氏のチームは、ビジネス感覚と教育に関する専門知識を束ねた強力なタッグを組んでいる。フェントン氏は2013年にオーストラリアの「今年の教育者賞」を受賞し、ビクトリア州の高等学校修了試験の作成にも携わっている。

教室や授業内容はどんなもの?

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米国人起業家スーザン・ウー氏がオーストラリアに開校した小学校「ルミニアーズ・アカデミー」の授業風景。2018年2月13日撮影。(Asanka Brendon Ratnayake/The New York Times)

ルミニアーズ・アカデミーは、メルボルン郊外の高級住宅地ウィリアムズタウンにある元税関の建物を使っている。生徒は130人。授業料は、年間約1万豪ドル(約80万円)だ。

オーストラリアの多くの私立学校とは異なり、生徒たちは決まった制服を着ていない。代わりに推奨されているのは、一定の範囲の中で子どもたち自身が、自分で学校着のワードローブを築くことだ(多くの生徒は、J.クルーのカタログのようなマリンストライプ柄のシャツやカーキー地の服を着ている)。教室は「スタジオ」と呼ばれていて、学習机の代わりに作業用のテーブルがあり、カウチやビーンバッグチェアが配置されている。

ルミニアーズの学習モデルは、コンピューター・プログラミングに必要とされるようないわゆる「STEM科目」(科学・技術・工学・数学)に代表されるハードスキルと、「心の知能指数」ともいわれる感情的知性のようなソフトスキル、さらに雇用主がますます求めるようになっている「チームワーク」のバランスを取っているという。

スタートアップの事業計画のよう

テック界の思考方法は、この学校内のあらゆるところで目にできる。あるスタジオでは8~9歳の子どもたちが「社会交流」に関するプロジェクトについて考えていた。彼らが使っていたのは、既成概念に捕われずに発想する「ブルースカイ・シンキング」(青空思考)、何かを成し遂げるために必要な作業やリソースの範囲を明確にする「スコープ」、「MVP」(実用最小限の製品)、そしてデリバリー(提供)、ローンチ(立ち上げ)といった複数の思考段階を経る策定プロセスで、スタートアップ企業の事業計画といってもおかしくないようなものだった。

また校内の壁には、オーストラリアへの定住を希望する難民を支援するNPO「亡命希望者リソースセンター」と共同で行った生徒のプロジェクトが掲示されていた。生徒たちは提携相手となるグループを説得するために「ピッチデック」(パワーポイントで作成したプレゼン資料を指すテック界のジャーゴン)を作り、しかも説得に成功していた。

利益を生む方法を小さいころから学べる

近くの「クリエイター・スペース」では、マイクロファーム(小スペースを活用した菜園)で利益を生む方法について生徒たちが考えていた。このグループは今年度の終わりまでに実際に作物を栽培し、地元のファーマーズマーケットで販売するという課題を与えられている。

生徒の1人、8歳のイネス・モーガンちゃんは、クラスで行ったアリのコロニーの観察が、特に気に入っているプロジェクトだと語った。「私たちは『コロニーが破壊された』という仮説を立てました」とイネスちゃんは説明してくれた。何が起きたかというと「最初の1~2日はアリたちは大混乱でしたが、何日か経つと、みんなで協力しあって、コロニーをまた一緒に作り始めたんです」

イネスちゃんは「少しだけ、いじめられた」経験があったが「共同で」解決したという。どんな風に解決したのかと聞くと、別の生徒がこう答えた。「それは、イネスがアリのコロニーで学んだのと一緒だよ。『みんなで協力しあって』、いじめを止めたんだ」

© 2018 The New York Times News Service[原文:Why This Tech Executive Says Her Plan to Disrupt Education Is Different / 執筆:Adam Baidawi](抄訳:Tomoko.A)

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