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星空みながら昼寝で生産性向上。NYCナップビジネス最前線 [The New York Times]

The New York Times

マンハッタンのオフィスワーカー、エリック・ドベシュ(26)は、週に1、2回、昼休みになると、職場から半ブロック先にある場所に「昼寝」に行く。黒い厚手カーテンを抜け、一人用の仮眠用スペース「ポッド」のベッドに横たわり、天井にキラキラ輝く「星」の明かりを落とし、セッション終了を告げるアラームが鳴るまでの間、うたた寝をする。

歩いて帰る途中、サラダを買って、ランチは自分のデスクで取る。

「コーヒーは飲まないんだ。だから、基本的に僕は、意志力、食事、それにナップ(仮眠)で何とかやってるよ」とエリック。「ナップヨーク(Nap York)」はひと月前にミッドマンハッタンにオープンしたばかりのウェルネスクラブ。エリックは、2、3週間前からこのクラブに通い、30分10ドルのナップタイムを利用している。

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ナップヨークのお昼寝スペースの天井にキラキラ輝く「星」のような照明。2018年3 月22 日ニューヨークにて撮影。 (Vincent Tullo/The New York Times)

ハフポスト創設者、ナップルーム流行を予言

ナップヨークをはじめとする、休憩や仮眠のための場所を有料で提供するビジネスの出現は、まさに「カルチャーシフト」の表れである。つまり、1日の途中にパワーをリチャージしたい場合に、たとえば「午後にレッドブルやダブルエスプレッソを取る」とか、「シナモンロール3個を一気食いし、シュガーラッシュ(糖分の大量摂取でハイテンションになること)を求める」よりは、昼寝のほうがはるかに効率的であると人々が認識するようになっている表れである。こう語るのは、ウェルネス系ウェブサイト「スライブ・グローバル」と「ハフポスト」の創設者アリアナ・ハフィントン氏である。

ソーホーにあるスライブ・グローバルの本社には、従業員のためのナップルーム(仮眠室)がある。ハフィントン氏は、良い睡眠をとることがいかに大事かという認識が世間に浸透してきていることから、今後2、3年で「ナップルームは、役員会議室のように企業で普通に見かける」ようになると予想する。

「もはや人々は、良い睡眠がいかに大事かについての確証を得たいという段階にはいません。むしろたとえば、“電話をそばに置いて寝ない”など、自分の生活に取り入れられる、ちょっとしたヒントを求める段階へとシフトしています」

ナップヨークは先日、ニューヨーク市警察のミッドタウン南警察署に、刑事分隊が使用する二段ベッド型のナップポッドを設置した。グーグル社のニューヨークオフィスでは、ナップポッドがあちこちに置かれている。シェアオフィスのウィワーク・マンハッタン本社には、仮眠専用ではないものの「wellness」と「quiet」がテーマの部屋を設置している。

でも、これらはほんの一例であり、大半の職場は仮眠を取るための場所を設置する余裕がない。というわけで、その隙間を埋めようとさまざまなナップビジネスが誕生している。

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ナップヨークのカフェではiPadで注文したドリンクやフードがが回転式ベルトで提供される。2018年3 月22 日ニューヨークにて撮影。(Vincent Tullo/The New York Times)

高級スパもスリープセラピーで参戦

場所はミッドタウン、5番街57丁目。ルイヴィトンやサンローランなど高級ブランドに囲まれたビルの12階にある、ハイエンドなスパ「イェロ・スパ(Yelo Spa)」は、とりわけ贅沢なナップ体験できるスポットだ。マゼンタとオレンジを基調とする派手な壁とそれにマッチした家具による、モダンな内装が施された空間で、癒しのための各種トリートメントが提供される。フェイシャルやマッサージと一緒にスリープセッションを予約できる。ナップだけでも利用可能で、その場合の料金は1分当たり1ドル(20分から40分間)。

仮眠専用のナップキャビン1台があるほか、各施術室でも眠ることができる。ポリネシアン、クラシック、海の波からサウンドを選択でき、アロマセラピーミストのオプションもある。すべての部屋に、身体に対する圧力を最小限まで調整可能なゼログラビティ(無重力)ベッドが設置されている。人は脚を心臓よりも高い位置に上げた時に、より早い時間で眠りにつけるそうだ。

「無駄な出費だと思う人もいるかもしれないけど、ペットボトル入りの水にお金を払うようなものよ」ブルックリンのイースト・ウィリアムズバーグ在住のキャシー・デラクルーズ(37)は、数年前から、30分間のナップタイムを利用するためにイェロ・スパを年に数度訪れている。チェックインは「Yelp」経由で行いディスカウントを利用している。

「昼寝はタダでできるものだとか、昼寝しなくて済むよう、生活自体を改善したほうがいいとか言う人もいる。でも、その考えは今のところ私には当てはまらないわ」

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アリアナ・ハフィントン氏のウェルネス・ウェブサイト「スライブ・グローバル」のオフィスには、従業員が仮眠するためのナップ・ルームが完備されている。2018年3 月26 日ニューヨークにて撮影。(Vincent Tullo/The New York Times)

仕事効率UPにナップが必要と気づいた米国人

「睡眠に対する見方は、社会的に構築されるものです」と言うのは、バージニア・コモンウェルス大学心理学部助教授であり、全米睡眠財団(National Sleep Foundation)の環境学者でもあるナタリーD・ドートヴィッチ氏である。

「昼寝するのは“怠け者である”から、有益かつ普通の“日常的活動である”まで、ナップをどう認識するかは文化により差があります。米国ではようやく、睡眠は健康で生産的なライフスタイルに必要不可欠な側面であるという理解が広まり始めたところです。眠りを、仕事や社交から見た「ロスタイム」と捉えるのではなく、生産性と健康で幸せな生活との最適なバランスを実現するために、睡眠を優先的に扱う必要があると、認識し始めたのです」

創業のコンセプトは「都会のオアシス」

タイムズスクエア南にあるビルの4階を占める「ナップヨーク」。7台のナップポッドが並ぶ2階は、まるで未来の充電ステーションのような雰囲気だ。ポッドは誰かが使った後、すぐに合皮マットレスの清掃とピローケースの交換が行われ、常に清潔に保たれる。セキュリティ面は、警備員と監視カメラで対応している。

1階のカフェでは、ビート・ショットやサラダ、サンドイッチなどをメニューをiPadで注文する。注文したものは、観葉植物のグリーンウォール沿いに設置された回転寿司のようなベルトに運ばれてくる。3階は、卵型の「ムーンチェア」が置かれたラウンジで、ヨガクラスのスペースもある。4階は、机と椅子が並ぶシェアオフィス空間になっている。

「お昼寝はどのフロアでもできます」とマーケティング責任者のステーシー・べロリック氏。「あのにぎやかな36丁目と7番街の交差点にいることを忘れてしまうでしょう」。グリーンウォールを見ながらそう言うと、ゼログラビティチェアにゆったりと身体をあずけ、目を閉じてみせた。「自然に囲まれた、森の中にいるような気分になりませんか」

© 2018 The New York Times News Service[原文:Napping in a New York Minute/執筆:Arielle Dollinger](翻訳:Ikuko.T)

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