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いつ産むか。キャリアと賃金格差に照らし合わせて見えたこと [The New York Times]

The New York Times

いまのアメリカでは、結婚しているカップルは似たような教育を受け、似たようなキャリアを積んでいることが多い。だから、夫が妻よりも稼いでいる点は典型的だが、夫婦の収入はどんどん同じようになってきている。しかし、これは最初の子どもが生まれると一変するのだ。

出産タイミングが賃金格差を左右する

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Image via Shutterstock

最近の調査によると、最初の子どもが生まれた直後に夫婦間の賃金格差は2倍になる。それは、母親の賃金が激減するからだ。夫の賃金は上がり続ける。このパターンは多くの調査で判明している。

しかし、この最新の調査では意外なことが見えてきた。妻が25歳から35歳の間に最初の出産をしたときには、夫と比較して賃金レベルが回復することはない。しかし、25歳以前か35歳以後、つまりキャリアをスタートする前か、すでにキャリアを確立した後で最初の出産をした妻は、最終的に夫との賃金のギャップを埋められることがわかったのだ。

25歳から35歳の10年は、仕事ではキャリアを築く大事な時でもあり、また多くの女性が出産する時でもある。

この調査は、2017年11月に国勢調査局が発表した報告書のもので、男女賃金格差に子どもの存在が大きく関わっていることを示した最近の調査のひとつである。過去40年で女性の教育レベルが上がり、男性優位だった職業に進出するにつれ、賃金格差はかなり縮まってはいるが、まだなくなってはいない。

遅く出産する女性は、若くて出産する女性とは違うキャリアプランをたどる。30代後半で最初の出産をした女性には、教育レベルが高く高収入の職についている傾向がある。それに比べて、20歳前半で子どもを産む女性たちは教育レベルも収入レベルも低くなっている。

キャリアと育児。難しいバランス

つまるところ、これは時間の問題なのだ。子どもは莫大な時間を要する。とくに、就学前の数年は、父親よりも、母親が育児やその他の義務のためにずっと多くの時間を費やすことになる。これは、すでにキャリアを積んだ人や、これからキャリアをスタートする人にはそれほどではないが、キャリアのために認められようと一生懸命働かなければならない女性には、とくに問題となるだろう。

育児のために、女性は働く時間を短縮したり、一時的に休んだり、昇進を断ったり、仕事を辞めたりすることになる。夫婦がフルタイムで働いている家庭であっても、女性のほうが家事や育児にほぼ2倍の時間を費やしている。女性が働く時間を短縮すれば、賃金カットは大きく、昇給や昇進の可能性は減るのである。

子どもをもつと、男女賃金格差が拡がる

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2017年5月3日、カナダ、アルバータ州フォートマクマレーのティンバリー地区の公園で遊ぶ母子たち。2018年の調査によると、25歳以前か35歳以後に最初の子どもを出産した女性は、最終的に夫との賃金格差に追いつけることがわかった。25歳から35歳の間がもっとも女性にとって問題になる10年であることも判明した。(Noel West/The New York Times)

子どもの誕生によって、男女賃金格差が拡がることがわかりました」と、国勢調査局の上級経済専門家のダニエル・H・サンドラーは言う。彼女はこの報告書の執筆陣のひとりだ。

この調査で、子どもが生まれる前の全体的な賃金格差については、女性の収入は男性よりも1万2600ドル(約135万円)少ないことがわかった。出産後の格差は2万5100ドル(約270万円)になる。社会保障局の収入記録と、国勢調査局の収入調査や福祉関係プログラム参加度の調査からのデータを使い、1978年から2011年の間に最初の子どもをもうけた結婚している異性間カップルの収入が分析された。出産後の労働時間の変化には関係なく、最初の出産前に2年間働いていた女性を対象にしている。

この賃金格差は、子どもが増えるたびに拡がってゆき、子どもが10歳になるまで縮まらない。ほとんどの女性にとって、自分の賃金が夫のレベルにまで追いつくことはないのだ。

育休は長すぎても離職につながる

最近の調査で驚くべきことがひとつあった。それは、アメリカと家庭重視の北欧諸国での調査結果がとても似ていた点だ。経済面も育児支援制度もかなり異なるのに、出産後に女性の賃金が急落する点は同じだった。北欧諸国では国が有給の長期育児休暇を認めているが、アメリカではそのような制度はまったくない。

これは、両方の政策によって——有給の育休がまったくないか、長期の有給育休がある——女性が仕事を辞めることになるからなのかもしれない。経済専門家たちは、女性が働き続けるには数か月ほどの中期の育休が理想的だとしている。

サンドラーは言う。「どうやらその中間点があるようです。じゅうぶんな育休をもらえて仕事を辞めなくてもいい。長すぎてそのまま離職してしまおうとも思わないぐらいの長さの」

調査では、どんな制度が女性を支援できるかも明らかになった。仕事に復帰したい女性を支援するプログラム。労働時間や職場に関してフレキシブルに働けること。補助金のあるチャイルドケア。また、子どもが生まれたあと、男性が休暇を取って育児にもっと時間を費やすことも女性の支援になることが判明した。

© 2018 New York Times News Service [原文:The 10-Year Baby Window That Is the Key to the Women’s Pay Gap/執筆:Claire Cain Miller](翻訳:ぬえよしこ)

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