1. Home
  2. キャリア
  3. ぼくの実践する自己管理法はファスティング/All Turtlesフィル・リービン[後編]

ぼくの実践する自己管理法はファスティング/All Turtlesフィル・リービン[後編]

1,240

20180504_all-turtles-1

サンフランシスコ・東京・パリでAI関連の起業支援をする米All Turtles社。CEOのフィル・リービン氏は、ドキュメント管理クラウドサービスを提供するEvernote社など、これまで米国で複数の企業を創業し、経営を軌道に乗せてきた。第1回目はマネジメント、第2回目はAI技術について話を聞いた。第3回目は、起業家としてタフな環境を生き抜くための健康管理術についてインタビュー。

ファスティングで自己管理

なんとリービン氏が日々実践しているセルフマネジメント方法は、ファスティング(断食)。食事をするのは週に3、4回で、あとは食べ物を口にしないのだそう。それだけ聞くと、本当に健康に良いの? と疑問に思ってしまいますが、科学的な理論に基づく方法で、しっかり自己管理すれば危険はないとのこと。

今では、食事は友人との会食など他の目的がある時に限っているため、大幅に時間が節約できるようになったのも利点なのだそうです。

45歳を境に健康管理を意識する

——いつ、そしてなぜファスティングをはじめたのですか?

「2016年の11月頃だったと思います。始めてから15か月ほどになりますね。理由は2つあります。

ひとつは、20代の頃からの自分との約束です。「45歳までは健康管理についてあまり気にしない、でもその歳になったらしっかり意識する」。そう決めて20年間生きてきて、気づいたら45歳の誕生日が目前に迫っていました」(リービン氏)

もうひとつの理由は、再び起業へ立ち向かえるよう、自分を奮い立たせるためだったそう。

「その頃私はベンチャーキャピタリストとして活動をしながら、新会社 All Turtlesを立ち上げることを考えていました。けれども、またCEOをやれるのか、今ひとつ自信が持てませんでした。

ベンチャーキャピタリストはある意味、気楽な立場です。だけど会社を作るとなれば、大勢の人をマネージし、多大なストレスと戦わなければならない。健康管理をしっかりできると自分自身に証明できたら、経営者としてもやっていけると思ったのがきっかけです」(リービン氏)

最初に友人がファスティングをしていると聞いた時は、無茶ではないかと思ったそう。しかし、興味を覚え調べてみると科学的な裏付けがあることが分かり、試してみることにしたとリービン氏は話します。

集中力があがり、気分のムラが減った

——効果はありましたか?

「とても調子がいいです。以前は糖尿病寸前でしたが、今では数値もずっと良くなりました。体重を落とせたし、医者によると20歳ほど若返ったそうです。なにより疲れなくなりました。夜になると眠くなるけれど、疲れは感じません。集中力も上がりましたし、気分のムラも減りました」(リービン氏)

人がアップ・ダウンを感じるのは、ブドウ糖を燃焼するシステムに頼っているからだとリービン氏は言います。食べた後は元気でも、時間の経過と共に血糖値が下がると、集中力が落ちたりイライラしたりする。ファスティングをすることで、身体のエネルギー源をブドウ糖から脂肪に切り替えやすくし、調子を安定させるのだそうです。

ブドウ糖燃焼システムに頼るようになったのは、人間の歴史のなかではごく最近のこと。農耕が始まるまでは、穀物などから定期的にエネルギーを得ておらず、貯めた脂肪を燃焼させて生きるのが普通だった。そして成人病のほとんどは栄養過多からきている——そう聞くと頷ける気もしますが、そもそも、食べるのを我慢するのは辛くないのでしょうか。

20180504_all-turtles-2

ブドウ糖燃焼サイクルから抜けると楽

——ブドウ糖燃焼から脂肪燃焼にエンジンを切り替える。その理屈は分かる気がしますが、実践するのは難しくないですか?

「始めてしまえば、難しいことはありませんでした。私にとってはジムに行ってランニングする方がよっぽど辛いんです。でも、人それぞれでしょうね。万人向けの方法だとは思っていませんし、無理に人に進めようとも思いません。

ほとんどの人はブドウ糖燃焼サイクルから抜けた経験がない。だから食べないと気力が持たないと不安になるし、実際に身体もそれに慣れてしまっている。中毒みたいなものです。エネルギーが必要なときは脂肪を燃やすよう身体を変えていく、それがポイントなのです」(リービン氏)

メンタルとフィジカルで効果を実感

——危険はないのですか?

「その点は十分気をつけています。研究論文をたくさん読み、複数の専門家に会いに行くなどして入念に情報を集めました。2か月に1回健康診断を受けているほか、血糖値などを測る機器を装着し、日々自分の状態をモニタリングしています。また水分と塩分を補給するように注意しています。

始める前に相談した医者からは、危険だからやめた方がいいと言われました。なぜかと尋ねると、『筋肉が落ち、骨が弱くなるから』だという説明でした。

そこで別の研究者に聞いてみると、先に脂肪を燃焼するからすぐに筋肉が落ちるわけではないと言う。ならば調べてみようと思い、筋肉と脂肪の3Dスキャンをとりました。そうやって、ひとつひとつデータを取りながら進めています。

医者だって、実際に自分で調べて身体に悪いと言っているわけではありません。ただそう習ってきたから言っているだけです」(リービン氏)

シリコンバレーでファスティングの実践者が多いのは、常識を疑ってみる気風が強いからだとリービン氏。起業家仲間の間でも、メンタルとフィジカルの両面でその効果を実感している人が多いようです。

補助ツールができる日も近い?

——空腹に対する恐怖感を感じてしまいそうですが……。

「危険がないように対策を取っているので、恐怖感はないですね。また、空腹感というのは積み上がっていかないんです。4時間食べていないとお腹が空き、それが40時間で10倍になるということはない。それに気づけば簡単です。お腹が空いていても、仕事に没頭しているうちに忘れてしまうということは、誰だって経験があると思います。

ただ、先ほど言ったように、慣れるまで大変だと感じる人は多いでしょう。ファスティングについての研究が進むにつれ、それを補助する様々な方法が考案されるようになっています。アプリやモニタリング機器、サプリメントや薬などが開発され、製品として発売されれば人気が出るかもしれません。私もいくつかのベンチャー企業から、こうしたアイディアへの投資の相談を受けました。難しい段階を乗り越えるのに役立つツールができる日も近いかもしれませんね!」(リービン氏)

* * *

後日談として、リービン氏はファスティングにより、体重を約40kg落とすことに成功したと連絡をもらいました。ただし、これは全て医者の正しい管理下で行い、アメリカにはない人間ドックと脳ドックを日本で受けてみたところ、数値は良好だったとのことです。

フィル・リービン(Phil Libin)さん/All Turtlesファウンダー・CEO

90年代より米国で複数の事業を立ち上げてきた連続起業家。2007年にドキュメント管理クラウドサービスを提供するEvernoteを創業しCEOに就任。2015年に同社のCEOを退任後、米ベンチャーキャピタルのゼネラル・カタリスト・パートナーズに参加。2017年5月、AI(人工知能)関連の製品開発を支援する新会社 All Turtlesを設立。

ぼくがEvernoteをやめて新会社を立ち上げたワケ/All Turtlesフィル・リービン[前編]
ハラスメントの辛い思いをAI技術で救いたい/All Turtlesフィル・リービン[中編]
・ぼくの実践する自己管理法はファスティング/All Turtlesフィル・リービン[後編]

取材・文・撮影/野澤朋代、カフェグローブ編集部

  • facebook
  • twitter
  • hatena

    Ranking

    1. 肌もボロボロになる? 女医に聞いた「花粉症の噂」の本当のところ

    2. 「AIスコア診断」で、自分の信用度を数値化してみた

    3. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    4. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    5. 人生は山あり谷あり。思い通りにいかなくても賢明なことを行えば、明日はきっとうまくいく

    6. 「突風にでも吹かれたの?」 仕事で出会った、ちょっと残念な人エピソード

    7. 充実したプライベートを過ごすための5つのTO DO /まとめ

    8. ズボラでもできた! 人生が好転するクローゼットづくり

    9. 冬の隠れ悩み「デリケートゾーンのかゆみ」には正しいケアを

    10. Sexが痛い!婦人科医からの性交痛治療アドバイス [The New York Times]

    1. 肌もボロボロになる? 女医に聞いた「花粉症の噂」の本当のところ

    2. 「AIスコア診断」で、自分の信用度を数値化してみた

    3. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    4. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    5. 「突風にでも吹かれたの?」 仕事で出会った、ちょっと残念な人エピソード

    6. 冬の隠れ悩み「デリケートゾーンのかゆみ」には正しいケアを

    7. Google流コミュニケーションで、「会社にいるだけで疲れる」をなくそう!

    8. 高齢者に起きる身体的な変化を知ることがカギ? 『老いた親との上手な付き合い方』

    9. ズボラでもできた! 人生が好転するクローゼットづくり

    10. できないことが多くても、落ち込まなくていい理由

    1. 身長100cmで2児の母。ハンディキャップとともに、自分らしく生きる

    2. 肌もボロボロになる? 女医に聞いた「花粉症の噂」の本当のところ

    3. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    4. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    5. 上司にイラッ、後輩にムカッ、肌荒れにガクッ。そんな気分を跳ね返す最強アイテムはコレだ!/ストレス解消座談会

    6. 「AIスコア診断」で、自分の信用度を数値化してみた

    7. 「老け見え」排除のポイントはここ! 日本初のアプローチが私たちを救う

    8. Sexが痛い!婦人科医からの性交痛治療アドバイス [The New York Times]

    9. 「突風にでも吹かれたの?」 仕事で出会った、ちょっと残念な人エピソード

    10. 冬の隠れ悩み「デリケートゾーンのかゆみ」には正しいケアを

    ぼくの実践する自己管理法はファスティング/All Turtlesフィル・リービン[後編]

    FBからも最新情報をお届けします。