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頑張っても、ネガティブな言葉が出てこない/フィナンシャル・タイムズ 在日代表 星野裕子さん

インタビュー/働くあなたに伝えたいこと

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話す相手の心を瞬時にとらえるような明るい笑顔、そして、飾らない人柄が印象的な星野裕子さん。

星野さんは現在、フィナンシャル・タイムズ紙の在日代表であり、かつ、アジアパシフィックのコマーシャル・ディレクターとして活躍。そしてプライベートでは、4歳と2歳になる2人の子どもの母でもある。

「イギリス2泊3日や韓国日帰りなどの弾丸出張もよく行きます。子育て中でも、行こうと思えば行けるものです」と笑う星野さんにはなんの力みもなく、楽しそうですらある。

英語に携わる仕事をしたい——その情熱を原動力として、前向きに軽やかに現在のキャリアにたどり着いた。その思いがけない道のりを伺った。

星野裕子(ほしの・ひろこ)さん
2000年フィナンシャル・タイムズ(FT)に入社。コマーシャル部門所属。2006年からFTのアジア地域のデジタルコマーシャルディレクターを務める。2007年1月から日本代表を兼任。2014年より現職。現在、東京で日本支社の陣頭指揮をとるとともに、アジア全域における広告営業を統括する。

迷い道ばかりの20代に訪れた運命の出会い

イギリスが誇るフィナンシャル・タイムズ紙(以下FT)は歴史ある国際的なビジネス紙。ピンクペーパーとも呼ばれる美しい紙面と信頼ある報道力で世界中に愛読者を持つ。星野さんが日本においてFTに入社したのは18年前、ちょうど27歳になるころだったという。

「以来、私の青春はぜんぶFTです」

そう言い切るほど、星野さんにとってFTは情熱を捧げる職場となった。「でも、FTに出会うまでは結構プラプラしていたんです」と、星野さん。

「最初に勤めた企業がハードすぎて退社せざるを得なくなって。その後は、学習塾や英会話学校に勤めたり、実務翻訳をしたりと、本当にふらふらと。でも、おかげで色々な仕事ができ、その中で、大好きな英語に携わる仕事をしたいということが、自分の中でよりクリアになっていったんです」

そんな星野さんが個人向けの営業職に就いていたとき、転機が訪れる。

「FTに勤めていた知人が、広告分野で『法人向け』の営業ができる人がいないか探しているというんです。当時は買ってもらうのが申し訳ないと思ってしまって、個人に営業をかけるのが苦手だったんですが、『法人向け』はいいかも、と。早速応募したら採用されて、そこからは営業の鬼になりました(笑)」

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世界のエグゼクティブが愛読すると言われる『フィナンシャル・タイムズ』のウィークエンド版。レイアウトもアーティスティックで美しい。

デジタルコマーシャルの分野を自ら開拓

星野さんがFTに飛び込んだ2000年前後は、ITビジネスの波が急速に広がりはじめた時期に重なる。

「そのころ私も新聞上の広告営業だけでなく、新たな分野に視野を広げていきたいと考えていました。そこで、自分ひとりでFTのデジタル広告も売り始めたんです」

だが、「FT.com」に掲載を希望する企業のための広告仕様書すらなかった時代。自分で海外から仕様書を取り寄せ、和訳もして、お客様に配った。当時、FT.comの拡大のために必要だった通信速度の測定も、自ら何度も何度も繰り返してテストを行い、数値化した。

わたし、しつこいんです(笑)」と星野さん。

何でも気が済むまで突き詰める。営業もとことんやる。そんな性格が、思わぬ道を切り開いていく。

そこまでやるのなら、デジタル広告の部署を作ってあげるから頑張ってみたら、と上司が言ってくれたんです。2004年ごろかな」

当時はデジタルの分野に精通した人のほうが限られていた。それゆえの苦労も多かったが、「だからこそ臆することなく、チャレンジできた。私はラッキーだったと思う」と軽やかに振り返る。

「もちろんいいことばかりではなく、デジタルの良さをわかってもらえなかったり、なかなか物事が進まなかったり、悔しくてお酒の量が増えることもありました(笑)。でも、徐々に責任ある立場になって学んだのは、自分の意見を通したいときは、声を大きくするのではなく、地道に自分で実績を積み重ねていくしかないということ。その積み重ねで証明していくよりほかに道はないんです。やるべきことをやり、示していく。それを実践していくことでおのずと楽になったし、自然とみんなもついてきてくれたんです」

40代に入ってからの結婚、出産、さらなる飛躍

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仕事に夢中の30代を送り、この先もひとりで生きていくに違いないと、単身用マンションも購入していた星野さんに、さらなる転機が訪れたのは40代に入ってから。人生を共に歩むパートナーに出会い、41歳と43歳のときに出産を経験。だが、星野さんの場合、プライベートの変化も、仕事のブレーキにはならなかった。

「第1子の産休最終月にFTから連絡があり、当時すでに任されていたアジアのデジタル事業と北アジアの広告だけでなく、新聞も含めたアジア全域の広告営業を統括しないかという話が舞い込んだんです。自分でも驚くくらい、なんのためらいもなく『やる!』と返事をしていました(笑)」

当然、仕事はより忙しくなり、責任も増す——が、それは自分にとって立ちはだかる壁ではなく、登るべきステップと捉え、楽しむことにした。

「長女が授乳中のときにイギリスへの長期出張が入ったこともありました。そのときは、私の母にも来てもらい、思い切って子どもを連れて行きました。今となっては、母、私、娘、3人のよい思い出です」

なぜ、ここまで軽やかに新たな扉を開いていけるのか。

「基本的に超ポジティブ思考なんです。どう頑張っても、ネガティブなことが口から出てこない(笑)。『たら・れば・のに』も言いません。私の人生は『こっちはダメ、あっちがいい』ではなく、『こっちでもいいけど、あっちだと尚いい』という発想なんです」

現状を悲観せず、未来を心配しすぎない。課題が現れたときには即、打開策を考える。楽しむことを何よりも大切に——星野さんの仕事ぶりも生き方も、どこまでもしなやかだ。

一問一答、星野さんのお気に入り

Q:お気に入りの愛読書は?

育児をきっかけに、記憶に残ればそれでいいと書籍を処分。「 FTの宣伝ではないですが(笑)読み切りできる新聞や、雑誌を手にすることが多いです」。

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Q:お気に入りのファッションアイテムは?

華やかなデザインのGUCCIのスカーフ。「この1枚で、コーディネイトの印象まで変えてくれるので、出張などにも便利です」。

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Q:仕事のマストアイテムは?

「いつでも出張に出られるよう、飛行機でも安眠できるノイズキャンセリングイヤホンとUSBの延長ケーブルは常に持ち歩いています」。飛行機の座席に対応するアダプターなどもまとめて、FTのノベルティポーチに。

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Q:お気に入りのアプリは?

大好きなコメディエンヌ、エレン・デジェネレスのEllenTubeというアプリ。「動画を見て日々爆笑しています」。

Q:1か月の休みがあったら?

「家族と一緒に、海外で暮らしたいです。子どもたちに、国境にしばられない人に育ってほしくて」

撮影/中山実華、取材・文/斎藤規子

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