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起業家たちが業界に求める多様性。Founders for Change の動き [The New York Times]

The New York Times

サンフランシスコのトレヴォー・マクフェドリースは2017年、ロボット工学と人工知能のスタートアップ、Brudの資金調達をした。その時、数々の会議で会ったベンチャーキャピタリストたちは「白人男性ばかり」だった。

白人男性ばかりの投資会社はお断り

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400人以上の起業家やCEOが連帯した「Founders for Change」のメンバーたち。2018年3月14日、サンフランシスコにて (Christie Hemm Klok/The New York Times)

そこで、アフリカ系アメリカ人のマクフェドリースと、同社の共同創設者でラテン系女性であるサラ・デクーは、出資者に対して条件をつけることにした。非白人か女性が決定権を持つベンチャーキャピタルからのみ資金を調達することにしたのだ。

世界から価値を抽出しようとする白人男性ばかりから資金を集めるのは、ぼくらにとっては直感に反している。テック業界の構図を書き換えたいと思っているんだ」とマクフェドリースは言う。結局、この条件を満たしたベンチャーキャピタルから数百万ドルを調達することができた。

ベンチャーキャピタル業界の重役レベルに多様化を求め、400社を超えるテック起業家や重役たちが連帯して、「Founders for Change(変化を求める設立者たち)」を立ち上げた。マクファドリースはメンバーのひとりだ。ほかには、DropboxのCEOのドリュー・ヒューストン、Lytfのローガン・グリーンとジョン・ジマー、Airbnbの重役ブライアン・チェスキー、Stitch Fixのカトリーナ・レイクのような上場企業の創設者も参加している。

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Nextdoorのサラ・リアリーはFounders for Changeのメンバーである。400人のテック起業家やCEOが連携して、ほとんど白人男性で占められているベンチャーキャピタル業界の重役レベルに多様性をもたらすよう圧力をかけている。2018年3月14日、サンフランシスコにて。(Christie Hemm Klok/The New York Times)

3月20日に発表された声明では、テック業界の多様性がいかに大事かが強調された。テック業界の重役たちは、ベンチャーキャピタル会社の人種や性別の構成はスタートアップが資金調達をするときには、「重要な考慮点だ」と述べた。

テック業界がもっと多様性を持ち、いろいろな人を受け入れるインクルーシブな業界になれると信じています。多様性のあるチームと重役会を作ることに専念します。投資パートナーを選ぶときには、その会社に多様性があるかどうかは検討の重要なポイントです。

起業家たちが公に声明を出すのはめずらしいことだ。シリコンバレーのスタートアップ生態系において、起業家と投資家の力関係は微妙なバランスを保っている。ベンチャーキャピタリストは、株式公開や売却されたときの巨額の報酬を期待し、評判の高いスタートアップに投資したい。起業家のほうは投資家から資金とアドバイスを得て、スタートアップを成長させ、成功を目指す。

業界に多様化をうながす次世代の起業家たち

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Founders for Changeのメンバー、Narvarのアミット・シャーマ。2018年3月14日、サンフランシスコにて。(Christie Hemm Klok/The New York Times)

だが、新しい世代の起業家らはそのバランスを崩す覚悟があるようだ。昨年の#MeToo運動に刺激され、また、投資家たちが女性のスタートアップ設立者に権力をふりかざしたシリコンバレーのスキャンダルにうんざりした彼らは業界の迅速な変化を願うようになった。

サンフランシスコのスタートアップで、アーティストや音楽家らの会員サービスプラットフォームを運営するPatreon(パトレオン)のチーフエグゼクティブ、ジャック・コンテは語った。多様化について「ベンチャーキャピタル業界があるべき状況に達していないのははっきりしている」。設立者声明にも署名した彼は、「この声明は、顧客である起業家たちは問題解決に関心があるという、ベンチャーキャピタリストに対する市場のシグナルなんだ」

ベンチャーキャピタル業界の白人男性優位の現状

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Founders for Changeのメンバー、Leverのサラ・ナーム。2018年3月14日、サンフランシスコにて。(Christie Hemm Klok/The New York Times)

アメリカのベンチャーキャピタル業界は、2017年、8000を超える企業に840億ドルを投資しているが、従業員構成を変えなければいけないような状況に直面することはほとんどなかった。ベンチャーキャピタルは普通小さな私企業で、テック業界の元重役や金融関係の人材で構成されている。その大部分は白人男性だ。ベンチャーキャピタリストは10年を超え長期的に投資をするので、業界の変化のスピードはたいがいとても遅い。

National Venture Capital Association(ナショナル・ベンチャーキャピタル・アソシエーション)とデロイトの調査によると、2016年にはベンチャーキャピタル会社の投資パートナー(決定権のある立場の人)の11%が女性だった。この調査では、黒人の投資パートナーはおらず、ラテン系は2%だったことがわかっている。

ベンチャーキャピタリストの新たな試み

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Founders for Changeのメンバー、Tallyのジェイソン・ブラウン。2018年3月14日、サンフランシスコにて。(Christie Hemm Klok/The New York Times)

ベンチャーキャピタルのほうでも、投資先の会社の多様性をはじめ、自社の重役レベルも多様化しようといくつかの試みを行っている。シリコンバレーの著名な共同事業のなかには、女性の投資パートナーを起用したところもある。また、女性の起業家ともっと関わろうと決めた会社もある。ハラスメントを減らすために、2018年3月、40社以上のベンチャーキャピタルは行動規範を公表している。

変化の速度は早くなり、変わりつつはある。ただ、何か月ではなくて何年という基準でしか測れないだろうけれど」と、コスタノア・エンチャーズ社のベンチャーキャピタリスト、グレッグ・サンズは言う。コスタノアは行動規範を公表して、最近では女性起業家たちと顔合わせのための「Seat at the Table」(訳注:seat at the tableには、「会社などで決定権を持つ地位」という意味がある)というイベントも開催した。

多様化へのプレッシャーは業界の内部からも起こっている。とくに、少数の女性ベンチャーキャピタリストから。「Founders for Change」を始めたのは、カウボーイ・ベンチャーズ社のアイリーン・リーと、フリースタイル・キャピタル社のジェニー・ルフコートのふたりだった。

2017年の9月、ディナーの席で、ふたりはテック業界にもっと多様性をもたらそうと活動している起業家たちの話をシェアした。それらの起業家たちをまとめて、公に変化を要求しようと決めたのだった。

「起業家から、『キャピタルベンチャー業界はひどい。まるで(男尊女卑の1960年代の広告業界を描いたドラマの)「マッドメン」みたいだ』と言われましたよ」とは、リーの言葉だ。

リーは、女性投資家たちが起業家側に多様性を求めるのは利己的だと思われるかもしれないと言いつつも、これは「起業家 対 投資家」の構図ではないのだと付け加える。

そうではなくて、多様性が競争に有利に働くことがあると、みんなに気づいてもらうことが大事なのだとルフコートは語った。

© 2018 New York Times News Service[原文:Hundreds of Start-Ups Tell Investors: Diversify, or Keep Your Money/執筆:Pui Wing Tam](翻訳:ぬえよしこ)

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