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聖なるメットガラ。リアーナは法王、サラ・ジェシカ・パーカーは祭壇に [The New York Times]

The New York Times

毎年、5月の第1週の月曜日、ニューヨークにあるメトロポリタン美術館(MET)で開催されるパーティ「メットガラ」は、ハリウッドスターやファッションデザイナーがレッドカーペットに集結し「パーティ・オブ・ザ・イヤー」「東海岸のオスカー」と称される社交界の一大イベント。

2018年5月7日に開かれた今回も、招待客の豪華な顔ぶれと息をのむ衣装の数々で大いに盛り上がった。

法王から聖母まで“聖なる”コスチュームがドレスコード

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主催者のアナ・ウィンターは真っ白なシャネル。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

メットガラはもともとメトロポリタン美術館の服飾部門の資金集めのために開催されるもので、METにおけるファッションセクターの目玉企画展のオープニングを飾る意味合いをあわせもつ。2018年の展覧会のタイトル「Heavenly Bodies: Fashion and the Catholic Imagination(天国の肉体:ファッションとカソリックのイマジネーション)」にあわせて、3万ドル(約330万円)といわれるチケットを支払う参加者のドレスコードは「Sunday Best(日曜の教会礼拝のための晴れ着)」と定められた。

主催者でありUS版ヴォーグの編集長アナ・ウィンターは、ホスト役らしくニュートラルな白いシャネルのイブニングドレスで登場したが、聖職者を思わせるハイカラーに十字架のアクセサリーをあわせており、彼女がテーマを暗示する衣装を着るのは珍しい。

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ベールと光輪のようなティアラに漆黒のドレスをあわせたマドンナ。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

会場を見回すと、多くのゲストが“カソリック”にインスパイアされた衣装で彩りを競いあっている。聖母に天使、枢機卿や神父、ジャンヌ・ダルクから十字軍の騎士までさまざまだ。実物のマドンナはジャン=ポール・ゴルチエのシチリアの未亡人風ブラックドレスをチョイスしていた。

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ゴシックな聖母をイメージしたリリー・コリンズは後光をイメージしたティアラ。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

システィナ礼拝堂の天井画をあしらったガウンに、十字架を刺繍した祭服スタイルのケープのほか、リリー・コリンズのジバンシイのドレスは「悲しみの聖母」のゴシックバージョン、頬に赤い涙をメイクして仕上げている。光輪を意識したデザインの豪華なヘッドドレスと、裾を雲のようにたなびかせるトレインも人気だ。

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司教冠をイメージしたヘッドドレスをかぶったリアーナは、まるで法王を思わせるいでたちで注目を集めた。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

会場の熱気が頂点に達したのは、主催側の1人に名を連ねるリアーナが、法王の正装を彷彿させるジュエルを散りばめたメゾンマルジェラのミニドレスで姿を現した瞬間だ。オー、マイゴッド! 思わずため息がもれる。というか、ほかになんと言えばいい?

制約にとらわれないファッション表現のためのステージ

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“天使の羽”をひろげた衣装のケイティ・ペリー。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

メットガラがなぜこんなにも注目を浴びるのかと問う人もいるだろう。答えは簡単だ。これ以上にゴージャスな、ときにはあきれるほど奇抜なファッションには、ほかではお目にかかれないからだ。

オスカーでも、エミー賞でも、MTVのミュージックアワードでさえも、ことファッションに関しては、みんな安全第一になってしまった。ワインスタイン・スキャンダル以降、授賞式のステージは意見や立場を表明する場に変わり、挑戦的なスタイルや過激なセンスを見せつけるところでは、もはやない。

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ジャンヌ・ダルクを想起させるゼンデイヤの鎖かたびら風ドレス。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Benjamin Norman/The New York Times)

だが、メットガラは違う。ファッションというアート表現をリアルな人間が身体にまとう姿を現出し、ランウェイの延長線上にあることを選んだ。ファッションデザイナーたちが、その想像力をのびのびと飛翔させ、アトリエが技術の粋を極めて創り上げた作品を顕示する特別な舞台なのだ。制約から解き放たれたここには、自由と、そして、確たる喜びがある。

メットガラ2018、それはひと夜の華麗なるだまし絵であり、ファッションを崇める御堂だった。祀られたのは、作りものの神であったのかもしれないけれど。

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アリアナ・グランデが着ているのは、システィナ礼拝堂の天井画をプリントしたヴェラ・ウォンのドレス。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

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司教風に十字架を縫い取ったケープのチャドウィック・ボーズマン。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

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手の込んだ衣装に身を包むリアーナ“法王”。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

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ヴァレンチノのタフタケープとそれにマッチするヘッドドレスを着けた、アカデミー主演女優賞のフランシス・マクドーマンド。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

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サラ・ジェシカ・パーカーのヘッドドレスは祭壇風。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

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LGBTQのシンボルである虹色の旗に着想したケープに身を包むレナ・ウェイス。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

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中世の宗教画から抜け出てきたようなジャネール・モネイ。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Benjamin Norman/The New York Times)

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長いトレインのドレス姿のダイアン・クルーガー。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

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ファッションデザイナー、ドナテラ・ヴェルサーチ。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

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ジョージ&アマル・クルーニー夫妻。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter/The New York Times)

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ナオミ・ワッツとデザイナーのマイケル・コース。2018年5月7日ニューヨークで撮影(Damon Winter /The New York Times)

©2018 The New York Times News Service[原文:On the Met Gala Red Carpet, Playing It Unsafe/執筆:Vanessa Friedman](抄訳:十河亜矢子)

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