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子どもたちを引き離さないで。歴代ファーストレディも次々に声

The New York Times

ドナルド・トランプ米政権が、すべての不法入国者を犯罪者として訴追する「ゼロトレランス(不寛容)」政策を導入したことにより、事実上、不法移民の子どもたちが親から引き離される措置が取られてきたこの数週間。人権団体をはじめ、民主・共和両党議員、現役を退いた政界の権威らも非難の声を上げてきたが、ついにそこへ4人の新旧のファーストレディも加わった

子どもが家族から引き離されるのを見たくない

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メラニア・トランプ大統領夫人。2018年6月21日、アメリカ=メキシコ国境で。(Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

メラニア・トランプ夫人も、前任者らに足並みをそろえるかのように、どちらかの党に非があるかの明言は避けながらも異例の声明を発表。専属の広報担当者は、「メラニア夫人は、子どもたちが家族から引き離されるのを見るのを非常に嫌がっており、両党が団結して移民政策の改革を成し遂げることを願っている」とコメントし、「夫人は、アメリカはあらゆる法を順守しつつも、心ある統治が行われる国家でなくてはならないと信じている」と述べた。

法律自体はブッシュ政権時代に成立

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服の選択ミス? メラニアさんが子どもの移民収容所訪問時に着ていたZARAのコートには「ほんとにどうでもいい」という文字が。 (Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

各方面からの批判の声を受け、ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は、責められるべきなのは以前の政権だと主張。「この法律が(大統領の)署名により施行されたのは2008年だ」と述べた。

政権高官は議員らに対し、法の不備を改善するよう求めてきたが、実際には、国境で不法入国者家族の引き離しを義務付ける法律があるわけではない。ドナルド・トランプ大統領は2018年5月、移民対策を強化するよう指示。不法入国者を取り締まる「不寛容」政策により、不法移民の親が収容施設に入れられ、その子どもが保護者のいない外国人の未成年者とみなされて引き離される結果となっていた。

ここで、この問題に対する歴代ファーストレディの反応と、それぞれの夫が現役時代にどんな移民対策を取っていたかを振り返る。

ロザリン・カーター 「この政策は恥ずべきもの」

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ジミー・カーター元大統領(左)とロザリン・カーター夫人(右)。2015年米ロサンゼルスで。 (Photo by Frazer Harrison/Getty Images)

ロザリン夫人はカーター・センターを通じてトランプ政権の手法を非難するコメントを発表。「わが国とメキシコとの国境で子どもたちを親の保護から引き離す今のやり方と政策は恥ずべきものであり、わが国の名を汚すものだ」と述べた。

1980年、ジミー・カーター大統領(当時)は当初、大量のキューバ難民、その多くは共産主義を逃れてきた人々に門戸を開いたが、その後、殺到する難民を制限する計画を支持して受け入れ方針を撤回。政治犯以外を除き、重犯罪の前歴を持つ亡命希望者を強制送還した。一方で、ベトナム戦争後はベトナム難民の定住受け入れ人数を増加した

ヒラリー・クリントン 「良識ある人なら憤るべき」

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ヒラリー・クリントン元米国務長官。2018年4月22日、米ニューヨークで。(Karsten Moran/The New York Times)

前国務長官で、2016年の大統領選に出馬したヒラリー夫人のトランプ政権の方針に対する反応は、当初は非常に短いものだった。ビル・クリントン元大統領が父の日に、親から引き離されている子どもたちを「交渉の道具にするべきではない」とツイッターに投稿すると、それに同意を示すように「イエス!」と書き込んでいた。

しかしその後、自身の考えをさらにツイート。国境付近での現在の状況は「人道的危機」だと述べ、「わが子を自分の腕に抱いたことのあるすべての親、哀れみの情と良識を備えた人なら皆、憤るべき」「私たちは、家族を引き離し、ドメスティックバイオレンスから逃がれて来た女性たちに対して見て見ぬふりをし、怯えている子どもたちを政治的な目的を果たすための手段として扱うような国ではなく、もっとより良い国になるべきだ」と主張した。

ビル・クリントン政権時代には、メキシコからの入国者の増加を受けて移民排斥感情が高まった

移民の権利擁護団体「アメリカズ・ボイス」のフランク・シャリー事務局長は、クリントン大統領(当時)は当初、虚をつかれた形でこの問題に「多少、汚点」を残したが、任期が終了する頃には移民を支持する法案の成立に助力したと語った。

ローラ・ブッシュ 「親子を引き離すのをやめること」

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ローラ・ブッシュ元米大統領夫人(右)。2017年11月1日、米ニューヨークで。(Rebecca Smeyne/The New York Times)

ローラ夫人は6月17日にワシントン・ポスト紙に寄稿。テキサス州における自身のルーツを示しながら、ワシントンの議員らに対し、「この問題を解決するために善処するよう」求めた。

「私は国境がある州に住んでいる。国境を強化し、守ることの必要性は理解しているが、不寛容政策は残酷で、道義に反している。胸が締め付けられる」として、さらにこう続けている。「収容されている子どもたちを親と一緒にすること、第一に、親子を引き離すのをやめること。それが私たちの責任だ」

しかし、不法移民に対して「一切の例外を認めないゼロトレランス」方式の措置を最初に講じたのはジョージ・W・ブッシュだった。トランプ政権の政策はこれを下敷きにしている。寄稿文が掲載された翌日にホワイトハウスのサンダース報道官が示唆したのはこのことだ。

2005年、ブッシュ政権はストリームライン作戦を開始。これは、テキサス州の国境沿地域に導入された政策で、全ての不法入国者を訴追・収容し、迅速に国外追放するために流れ作業的に裁判を進めていく方式だった。この政策は成果を挙げ、すぐに国境での問題を扱うさまざまな部門にも取り入れられるようになった。

しかし当時は通例として、幼い子ども連れの大人、未成年者、病人の不法入国者には例外が認められていた。

カリフォルニア州の元連邦検事で、ブッシュ政権時代に検事を務めていたワシントン大学法学部のメアリー・ファン教授は、一般的に言えば、ブッシュの「移民施策は節度あるものではあった」と指摘。ブッシュ元大統領は、どの移民を訴追すべきかについては国境で警備している当局者に判断を任せていたと述べた。

ミシェル・オバマ 「真実が党を超えることもある」

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ミシェル・オバマ前米大統領夫人。2016年7月19日、ホワイトハウスで。(Al Drago/The New York Times)

ミシェル夫人はローラ夫人のオピニオン記事をリツイートし、「時には真実が党を超えることもある」と投稿した。

しかし、移民危機への対処をめぐって強い非難を浴びたという点ではバラク・オバマ政権も負けていない。オバマ前大統領は「国外退去の最高司令官」とまで呼ばれていた。

政権2期目には、中米からの移民が国境に押し寄せ始め、その多くは子どもを連れていなかった。先日ニューヨーク・タイムズ紙の取材に応じたオバマ前政権の高官らによると、親を子どもと引き離す選択肢も検討議案に上ったものの、即座に却下されたという。代わりに当局は移民家族の勾留を拡大し、親子を一緒に収容できるよう国境地域に施設を開設。一方で、不法入国した場合は、子どもを強制送還すると親に呼びかけて警告する措置を開始した。

その後、家族と一緒に仮設の施設に収容された子どもたち、その多くは薄汚れ、泣いている子どもたちの写真が出回るようになり、法的な異議申し立てが行われるようになると、オバマ政権は直ちに、亡命申請の結果を待っている家族を釈放する判断を下した。

これ以外の移民問題については、オバマはより緩やかな立場を取った。2012年、子どものときにアメリカに入国した若者を保護するため、若年移民に対する国外強制退去の延期措置(DACA)を大統領令で導入。その後、強制退去の対象とする条件を変更し、犯罪者や国家安全保障上の脅威とみなされた外国人、不法入国から間もない移民とした。

この路線変更について、「200万人の強制送還という方針から『悪人どもだけに絞ろう』という大転換だった」とシャリーは言う。

トランプ政権はオバマとは対照的にDACA廃止を目指し、不法入国者全員を刑事訴追の対処として扱っている。

© 2018 The New York Times News Service [原文: All 4 Living Former First Ladies Decry Trump Border Policy That Separates Families/執筆: Matt Stevens and Sarah Mervosh ](抄訳:Misako N)

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