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カリカリが好き? それともトロ~リ? と問われて真っ白になる私

The New York Times

読者からの相談に男女2名の相談員が異なる視点からズバリ回答。ニューヨーク・タイムズの人生相談ポッドキャスト「Dear Sugars」。今回は、食事制限や体重管理に厳格な母親に反発しながら育った結果、食べることに向き合えなくなった40代の女性からの悩みが届いた。

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Image via Shutterstock

ダイエット至上主義の母に育てられた私は……

【相談】自分の体型が気に入らずいつもダイエットに励む母親に育てられた、太りすぎの42歳の女性です。私の母は「体重がすべて」というタイプで、母が「最近のあなた、ヘルシーに見えるわ」と言ったときの私は体重が減っているし、逆に「運動したほうがいいわよ」と強く勧められたときは、肉がつきはじめているとわかります。

出産して3週間という友人を、母は「子どもを産んだようには全然みえない」とほめたたえていたこともありました。食べ物にもうるさくて、自分だけではなく他人にまで、何が良いとか悪いとかしょっちゅう意見します

これまで私は、こんな母の痩せていることへの強迫観念に対して距離を置けていると思っていました。体重の増減を記録することや食事制限は一切拒否しましたし、好きなものを好きなときに食べる自分を誇りにも感じていました。ところが最近、気づいてしまったのです。私がやっていることは単なる裏返しで、母はのめり込み、私は徹底して避けているだけで、結局は、“体重”に縛られている同じ穴のムジナではないかと

私は食事の献立ができません。なぜなら、いやでも食べ物について考えなければいけないからです。食生活を見直すために、何を食べたかをメモしようとするだけでも、ものすごく不安になります。食べ物について考えまいとする強い抑制がはたらくのです。ある人から「どんな食感が一番好き? カリカリ? つるり? とろーり? それとも、もちもち?」と尋ねられ、私は絶句し固まってしまいました。何も思いつかず、頭が真っ白になりました。

セラピストの助けをかりて、少しずつ問題の解決に取り組んではいますが、ダイエット至上主義の母親の影の下で育ってきた私は、どうすれば食と向き合うことができるのでしょうか? 私は、5歳の娘のために変わりたいのです。娘は自分の身体を素直に慈しんでいるし、私も日頃から、私たちのありのままの身体の素晴らしさを娘に説いています。すべてのサイズの身体が美しくヘルシーであると娘に伝える自分の言葉を、私自身も心の底から信じたいのです。

体重なんて関係ない。ありのままを受け入れようとする自分を信じて

【回答】スティーブ・アーモンド:食べ物と自分の身体、どちらとも良い関係を取り戻すための努力をあなたは十分にしています。あなたは「何を食べたかをメモしようとするだけでも、ものすごく不安になります」が、僕はブラボー! と声援を送りたい。なぜなら、食べ物とは記録するためのものではなく、生きていくためと喜びのためにあるものだからです。書く必要なんかないのです。

世の中にはあなたのお母さんのように、「ダイエットのことが頭から離れない」という牢獄に囚われている人がたくさんいます。物質的な消費をあおる社会が発する、美しさは体重計の目盛りで測れるという歪んだ価値観に染まってしまい、自分の身体の本当の価値をみつめることを忘れてしまった人々です。体重なんて関係ない、性格が一人ひとり違うように、体型がみんな異なるのは当然だという考え方が広まれば、彼らの哀れな声も聞こえなくなるでしょう。

子育て中に気づいたのは、よいこと

シェリル・ストレイド:スティーブのいうとおりです。あなたはよくやっています。お母さんの、自分の身体が嫌いでダイエットにハマるという流れからも、痩せていることを良しとする考え方からも、うまく逃れられました。これは実はとても大きな功績です。女性や少女は今も、スリムなほうが美しいとする巨大な社会的プレッシャーにさらされているのですから。両親がそうした考えの持ち主の場合は、状況はもっと厳しいものでしょう。

食事制限や体重管理にのめり込む事態を避けられたあなたは、食と向き合うというより深いテーマをきっと解決できるでしょう。そして、子育て中の今この時に、食べ物との関係を見つめ直そうという気持ちになったのも、私は偶然とは思いません。娘さんが自分の身体を愛しているのを喜ぶあなたの姿は、あなた自身がお母さんから受け取った負のメッセージ、思い描く理想からかけ離れた身体に対する怒りや痛み、失望といった感情とは明らかに対照的です。あなたのお母さんが、自分の身体を愛おしむロールモデルにはなれなかった(この先もなれない)ことは残念です。でも、現在のあなたの娘さんへの態度はとても素晴らしいものですし、あなたの昔の傷も癒してくれるはずです。

母親の弱さを許せば、カラダや食との関係が変わる

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Heidi Younger/The New York Times

スティーブ・アーモンド:最初にあなたは自分を「太りすぎの」と書いていますが、それは、あなたのお母さんの言葉です。本当にあなたが問うべきは、「自分の身体にハッピーか?」、そして「食をポジティブに受け入れる方向に進めるほど、身体を信頼しているか?」ということです。これまでのお母さんの言動は助けにならないようですから、少し時間がかかるかもしれません。けれど、これはあなたが乗り越えなければならない挑戦で、それにはお母さんを理解することが求められます。

お母さんの体重への強迫観念は、何もないところから突然降って湧いたのではありません。お母さんのお母さんをはじめとする周囲の人々の圧力から、愛されるためには痩せてスマートでいなければならないと、お母さんは思い込んでしまった可能性があります。このループする呪縛こそ、あなたが断ち切るべきものです。それは、お母さんを非難したり、縁を切ったりすることでは叶いません。お母さんの小言や厳格な食事のすすめは、あなたが受け継ぐことを拒否した悲しみの連鎖の表れだと認識することからはじめてはどうですか。お母さんに対しては積もり積もった苦々しい恨みもあるでしょう。でも、考えてみてください。あなたのお母さんは自分の身体を信じられず、憎んでいるかわいそうな人です。彼女の弱さを許すことで、あなた自身の身体と食への関係が大きく変わると思います。それは、あなたの行動をそばで見ている娘さんにとっても、大きな宝となるのは間違いありません。

とろーり、もちもち。食べることを楽しんで!

シェリル・ストレイド:何が健康で、何がそうじゃないか、間違った意見には異議を申し立てましょう。食べたいとか、食べたくないとか思う理由を常に自分に問いましょう。セラピストや親しい人々に、太っていて恥ずかしいと感じてしまう気持ちを正直に語りましょう。「食べ物について考えまいとする強い抑制」とは何を意味するのかを掘り下げてみましょう。そしてもっとも大事なのは、カリカリ、つるり、とろーり、もちもちでもなんでもいい、食べることを思い切り楽しむようにすること。

あなたは、娘さんに向かって語る、自分自身の身体を愛する素晴らしさを自分でも信じるためにはどうすればいいかと尋ねましたが、その答えはすでにわかっているはずです。身体は商品のように陳列されたり、評価の対象になるものではありません。身体はあなたと分かちがたくあるもの、つまりあなた自身です。どんなサイズでも、どんな形でも、どんな重さであっても、愛すべきものなのです。

©2018 The New York Times News Service[原文:Is Avoiding My Body Issues an Issue?/ 執筆:Cheryl Strayed and Steve Almond](翻訳:十河亜矢子)

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