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ファスト・セックス、スロー・ラブ。ミレニアル世代の恋愛って?

The New York Times

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アメリカのミレニアル世代(1980~90年代生まれの世代)にとって男女の出会いは、スピーディでカジュアル。異性関係に対する彼らの気楽な態度は、ティンダー(Tinder)のようなスマホで簡単に使えるデートアプリを流行らせ、Hooking up(フックアップ。性行為、キス、イチャイチャすること)、Friends with Benefits(フレンズ・ウィズ・ベネフィット。セックスするがあくまで友達)などのスラングを生んだ。

しかし、先ごろ米国で行われた調査で、シリアスな生涯にわたる関係、つまり「結婚」となると、ミレニアルズは慎重に、注意深く事を進めていることがわかった。

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Image via Shutterstock

性へのアプローチはカジュアル、結婚となるとコンサバ

オンライン・デートサイト、マッチ・ドットコム(Match.com)のコンサルタントであり、ロマンス研究で世界的に有名な人類学者のヘレン・フィッシャー博士は、カジュアルな性的関係と、結婚に至る長い交際期間、という2つの要素を対比し、「ファスト・セックス、スロー・ラブ(お手軽なセックス、長い恋愛期間)」という言葉で表現する。

ミレニアルズの若者たちは、前の世代よりも初婚年齢が高く、子供を持つのが遅いだけでなく、より長い時間をかけてお互いを知ってから結婚する傾向が高い。別のオンライン・デートサイトのeハーモニー(eHarmony)が、既婚者および交際期間の長い恋人のいる成人、計2,084人を対象に米国で先ごろ行った恋愛と結婚に関する調査では、実際に、交際期間や友人として付き合った期間が10年に近くに及んだカップルが何組かいたという。

このeハーモニーの調査では、カップルが出会ってから結婚するまでの期間は、ミレニアル世代と重なる25歳から34 歳までの年齢グループが、平均6年半で一番長かった。それ以外のすべての年齢グループは平均5年であった。

キャリアの道筋をつけてから結婚

ジュリアン・シモンズさん(24)とボーイフレンドのイアン・ドネリーさん(25)は、こうしたミレニアル世代のカップルの典型である。ハイスクール時代にデートし始め、カレッジを出てからニューヨーク市内で同居しているが、急いで結婚する必要はないと考えている。

シモンズさんは、結婚するにはまだ「若すぎる」と思っている。「まだ、いろいろなことについて、どうすべきか、何をしたらいいか考えているところです。自分のライフプランがある程度形になってきたら、結婚するつもり

彼女には、独身の間にやっておきたい事、やらなければならない事の長い「To Doリスト」がある。まず2人は、スチューデント・ローンの借金を返済し、経済的安定を得る必要がある。旅行もしたいし、転職もしたい。現在、ロースクールに進むことを検討している。

「愛さえあれば」には共感できない

結婚とは相互に協力しあうパートナーシップ(協力関係や共同事業)です。だから、結婚という形で相手と法的な契約を結ぶ前に、私は自分はどんな人間か把握し、自分の経済的な潜在能力や経済的な安定度を知っておきたいの。母は、『あなたの方程式には愛という要素が欠けてる』って言うけど、結婚には愛だけでは片付かない問題があると思う。愛だけで結ばれているとしたら、果たしてその結婚は上手くいくかしら」

恋愛や結婚を研究する社会学者や心理学者らによれば、過去数十年間で女性の社会進出が進み、それに伴い今では、結婚に対し現実的で実際的な態度を取るのが当たり前になっているという。現在の平均結婚年齢は、男性29.5歳、女性27.4歳であるが、これは、男性23歳、女性20.8歳だった1970年から大幅に上昇している。

結婚よりキャリア形成を優先する傾向は男女共にみられる。その背景には、経済的理由もある。多くの若者がスチューデント・ローンの返済に追われ、高額な住居費の支払いを心配している。

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それでも、「結婚はしたい」

ただ、必ずしも結婚したくないというわけではないようだ。若者たちはしばしば、結婚し、自分の家族を持ちたいと言う。重要なのは、彼らが、結婚にはしっかりとした土台が必要で、それがあれば結婚生活はうまくいき、離婚を避けられると考えていることだと専門家は言う。

「結婚するのが遅くなっているのは、結婚に関心が薄れたからではなく、逆に、結婚をますます重要視するようになっているからなのです」と、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の社会心理学のベンジャミン・カルニー教授は語る。

結婚は、大人として成長したご褒美

このような結婚を先延ばしにする傾向を、ジョンズ・ホプキンス大学の社会学者アンドリュー・チャーリン教授は「キャップストーン・マリッジ」と呼ぶ。「キャップストーンとは石造りの門を建築する際に最後に頂点に乗せる冠石です。かつて結婚は、大人の世界に踏み出す第一歩でしたが、現在ではしばしば、人生の目標をクリアした最後の仕上げととらえられます。多くのカップルにとって、結婚は、それ以外の人生の道筋がある程度ついた時にするものだと考えられるようになっています」

今、幼少期や思春期がひと昔前より長くなっているが、求婚期間や結婚に至る期間も同様に長くなる傾向にある、とフィッシャー博士は言う。

「結婚までの時間が長期化したことで、自分自身をよりよく理解し、他の相手だったらどうか見極める時間が持てます。そうすれば、結婚する時には、自分の選択を納得した上で前に進むことができます」

愛の始まりに3つのパターンがある

フィッシャー博士によれば、恋愛関係の始まり方が従来の方法とは異なってきているとしても、今も、独身者の大半は真剣な恋愛関係を切望しているという。アメリカの独身者に関する年次意識調査「シングルズ・イン・アメリカ」の第8回調査においてマッチ・ドットコムが行ったサーベイで、独身者の7割近くが「誰かと真剣に交際したい」と回答した。

2018年公表された調査は、米国に住む18 歳以上の男女5,000人以上に対して、市場調査会社のResearch Now(リサーチ・ナウ)により実施された。フィッシャー博士も、インディアナ大学キンゼイ研究所のジャスティン・ガルシア教授とともにアドバイザーとして参加した。

調査でわかったのは、真剣な恋愛関係が始まったきっかけには、「最初のデートから」、「友人関係から」、「フレンズ・ウィズ・ベネフィット関係から」という3つのパターンがあるということ。世代間で比較したところ、ミレニアル世代は、友人関係やフレンズ・ウィズ・ベネフィット関係が後に、恋愛関係や結婚に発展した確率が他世代より少し高いことがわかった。

フレンズ・ウィズ・ベネフィット関係をこれまでに持ったことがあると回答し、その関係が恋愛に発展したことがあると回答した人の割合は、ミレニアル世代では過半数に上り、これは、ジェネレーションX世代(1960年代後半から1970年代生まれ)の41%、ベビーブーマー世代(戦後から1960年代前半生まれ)の38%と比べて高い割合であった。また、ミレニアル世代の約40%は、プラトニックな友人関係が恋愛関係へと発展した経験があると回答し、そのうち3分の1近くは、その恋愛感情が真剣な将来を誓い合った関係へと発展したと回答した。

© 2018 The New York Times News Service[原文:Put a Ring on It? Millennial Couples Are in No Hurry/執筆:Roni Caryn Rabin](抄訳:Ikuko.T)

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