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もしも部下が発達障害だったら?

仕事の本棚

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取引先に不適切な対応を繰り返す、何度指導してもパフォーマンスがあがらず、優先順位がつけられない……上司としてさまざまな人員を管理・教育していると、しばしば自分の常識や経験では理解し難いパターンの部下にであうものです。

もしそれが、たんなる怠慢ではなくて、病気だとしたら。 佐藤恵美著『もし部下が発達障害だったら』 より、発達障害の部下を持ったとき、上司として知っておきたいポイントをご紹介します。

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発達障害のレッテル張りに注意

特に問題だと思うのは、業務に置けるパフォーマンスの問題と発達障害を安直に結び付けてしまうことです。もちろん、仕事がうまく進められなかったり、失敗を繰り返したりしてしまう背景には発達障害の特徴が隠れている可能性もあります。しかし、あまりにも拙速かつ無責任に障害を持ち出すことで働く人それぞれの個性を見極め、能力を活かし、育てるといった社員育成の視点が軽視されてしまうのではないかと危惧されるのです。
4〜5ページより引用

著者は、職場のメンタルヘルスを専門とするクリニックと、クリニックに併設するサービスを提供する機関に身を置くカウンセラーです。職場における発達障害は、もはや個人だけではなく組織全体の課題になっていると語っています。確かに、本人だけではなく、管理する側の上司、フォローする同僚にも負荷がかかっていることは確かです。

昨今、発達障害という言葉はより身近になり、一般的になってきました。しかし、本人や周囲にとって良い環境が整ってきているとは一概に言いがたいでしょう。芸能人のカミングアウトなどで注目度が上がった結果、レッテル張りが横行し、偏見を助長することにつながりかねないと著者はいいます。 本人自身も発達障害というレッテルによって、自身のキャリアを断念してしまったら大問題。職場において発達障害の特徴を持つ本人と周囲の人たちが、発達障害について正しく理解を深めることが、まずは重要なようです。

発達障害は脳機能発達のアンバランス

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発達障害とは、生まれつきの脳のさまざまな機能の発達に関する障害を指します。しかし、「発達障害」という個別の疾患があるわけではなく、後述する「自閉症スペクトラム障害:ASD(Autism Spectrum Disorder)」、「注意欠如/多動性障害:ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)」などを含めた総称です。(中略)人の顔が皆違うように、こうした脳の複雑な機能にもまた、それぞれ少しずつちがう特徴があります。それが時に「個性」と呼ばれることもあるでしょう。しかし、これらの脳機能の発達のアンバランスさが生まれつき顕著であるために、社会生活に様々な困難をきたしてしまうのが発達障害です。
24・25ページより引用

私たちの脳には、たとえば見る・聞く・言葉を話す、あるいは感情を司るといった、さまざまな機能があります。脳の機能には人によって少しずつ違いがあり、この機能のアンバランスさが顕著な場合を発達障害と呼ぶことを著者は語ります。

発達障害は、乳児期ではあやしても笑わなかったり、幼児期では同じ遊びを何度も繰り返したりと言った様子が見られるといいます。基本的に、その特徴は成長しても大きく変化することは無いようですが、その過程でうまく対処する方法を編み出したりと、次第に目立たなくなる場合もあるのだとか。 しかし、環境変化があった場合、とくに社会に出ると周囲から要求される水準や質が変わるため、それまで目立たなかった特徴が、対人関係や業務の遂行上にトラブルとして現れることがあるようです。

病院にかかったとしても、発達障害は白か黒かをはっきり診断することは容易ではないといいます。 誰にでも脳機能の強弱があるのだとしたら、発達障害とは明確な一本の線を引きづらいものなのだということを、まずは知っておくことが必要だといえそうです。

カギはマネジメントの共有

しかし、本人自身は発達障害の特徴のゆえにうまくいかないということは理解していなくても、結果として職場でうまくいっていないことや周囲への不満について、ストレスを感じてはいる可能性があります。ですから、なぜかうまくいかないとか不満と思っているような観点をもとにして、「相談」を促すというのはひとつの方法です。(中略)また同時に、本人が産業保健スタッフに相談するだけでなく、上司自身が部下について相談することも有益です
176〜178ページより引用

発達障害の特徴を持った人は、案外と自分自身の特徴に対してそれほど意識していないことが往々にしてあります。そのアプローチとして、病院への相談を促すことを著者はあげています。本人が病院に対して抵抗がある場合は、社内における産業医や看護職、カウンセラーといった健康スタッフに相談を促すことも大事なようです。業務と直結している上司や同僚とは異なる立場の人から受容的に話を聞いてもらうことで、自身の特徴的傾向への気づきと理解、受診を動機づけてもらうことができるかもしれません。

同時に、上司自身が部下について相談していくことも大事だと著者はいいます。上司が抱えているマネジメントの難しさを一人で抱えることなく、産業保健スタッフや人事労務担当者と共有。協働して対応していくことが解決へのカギといえそうです。

会社として、どのように本人を理解し、マネジメントの工夫をしていくか。そして、本人に自分自身の特徴について的確に理解してもらうことを促していく。 多様性を認め合う時代において、本人も周りをも活かす適切なマネジメントを目指したいものです。

もし部下が発達障害だったら

著者: 佐藤恵美
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
定価:1,000円(税別)

Image via Shutterstock

ナカセコ エミコ

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