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「40代、独身、子どもなし」は幸せ?…… YES!

The New York Times

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Image via Gettyimages

42歳になる数か月前、友だちとディナーに出かけた。偶然となりに座ったのは、有名な年配の男性作家だった。

男性に「ひどい人生を送っているね」と言われた

このとき、ちょうど私は、40代で子どものいない独身女性の回想録の企画案を仕上げているところだった。だから、このタイミングの良さに心中驚いた。彼のファンだったし。もしかしたらアドバイスをもらえるかも? 励ましの言葉をかけてもらえるかもしれない。

ドリンクが運ばれてきて、私は企画案を彼に話した。自分の人生がこんなに楽しいなんて、思いもよらなかったこと。たくさん旅して、やりたいときにやりたいことをして、30代にはずっと苦しんでいた時の流れからは解放されていること。その一方で、誰も教えてくれなかった苦しみもあったこと。母はずっと重病だったので、メモワールではその介護についても触れるつもりだと語った。

私が話し終えるがいなや、この作家さん、白いテーブルクロスのかかったテーブルにグラスをしっかと下ろし、椅子にもたれて、「グリニス・マクニコル、君はひどい人生を送っている!」と宣言したのだ。

そんなフィードバックが来るとは思ってもみなかった。

おまけに、ステーキまでくれた(!)

彼は続けた。「君は世界でたったひとりで、しかも、助けてくれる人はいない」。そして私の友人たちの会話を大げさにさえぎって、「彼女がこんなにひどい人生を送っているなんて知ってた? ひとりぼっちなんだよ!」

驚いた友人たちはドリンクをなんとか飲み干した。私は「でも、私、大丈夫ですから」と軽く受け流して、なんとか執筆の話に戻そうと努めた。「とても楽しくやっていますから」

彼は信じられないというようにドリンクを少し飲んだ。「助けてあげる」と言って、手をつけていなかった自分のステーキを持ち帰り用の箱にいれるようウェイターに指示して、私にくれた

彼は親切心で言っていたのだと思う。でも、このすばらしいマンハッタンの春の夜、わたしが40歳になって以来ずっと感じているジレンマにまた直面したという事実は変えられなかった。つまり、独身で子どものいない私が楽しくやっているということが信じられない人たちに、どう対処するかということ。

ねぇ、40代独身女性って、ミジメなの?

21世紀の一定年齢の女性たちにとって、これはとくに悩むべき矛盾だ。もし私が幸せな人生を送っていると主張すれば、自己弁護する女だと思われる(その点、男性にはそんなことは起こらない)。惨めだという他人の決めつけをすんなり受け入れたとしたら、自分の状況をわきまえていると他人を満足させるだけ。これで私のジレンマが解決されるわけではない。

このように、私の人生を疑う他人によく遭遇する。女性はそれほどではないけれど。それにしても、あんなにズバリと言われることもめったにない。

「自由に時間が使えていいわね〜」っていうアレ

結婚している友人たちから、私が新しい大きなアパートに一人で住んでいるのが羨ましいと言われるのがおもしろいと、1年ほど前に知り合いに話したことがあった。すると、その人から、既婚者の友人たちは(独身の)私に気を遣って「やさしいだけ」なのだとやんわりと言われた。40歳になってすぐに親友の結婚式があって、長年の友人たちにかこまれて私はハッピーだった。そして「まだ時間があるから」心配することはないと言われた(初対面の招待客のひとりから)。

あるパーティで、パリに1か月滞在する予定だと話したときには、「まだ自由に楽しめていいわね」とも言われた。パリで! ひとりで! バゲットも独り占め! それがあたかも大冒険かなにかのように。

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Saehan Park/The New York Times

私はずっとこんなコメントを受け流してきた。40代になって予想していなかった恩恵のひとつに、自分に対する他人の意見をほどんど気にしなくなってきたということがある。でも、我慢の限界に達しつつある。私はいろいろな面でほどほど成功している人間だと思っているのだが、その私が(子どもを持つことについて)自分の気持ちをわかっていないという他人の思い込みにフラストレーションを感じるようになってきている。

年上女性たちのお節介あるある

少し前に、ある友人が50代、60代の女性たちに私の本について話したことがあった。彼女いわく、女性たちは笑い出したという。何がおかしいのか聞いたところ、「48歳になったら子どもについて気が変わるわよ。あせって、精子バンクへ行って、家に精子入りの容器が届く。ぜったい気が変わるはず」と言われたそうだ。

ぜったい!? まるで私が自分でした選択の結果がわかっていないみたいじゃない。でも、これは驚くべき反応ではない。文化的に女性は、外見であれ(ベストドレッサーのリストは限りなくある)、自分の身体に行なうことであれ(「ロー対ウェイド事件」で認められた中絶の権利が奪われるかもしれない危機についての記事をチラチラ見つつ)、他の女性を値踏みすることで元気になったりするものだ。そして、自立して自分の人生を送り、しかも楽しくやっている女性を見ると、不快きわまりないのだ。

しかし、正直いって、この話題について減っていく自分の忍耐力にぐさっと刺さったのは、彼女たちが笑ったことだった。他人は「心配しなくていいわよ」と言うけれど、私にはとても有意義な人間関係がたくさんあることを、みんなは知らないのだ。

子どもはいないけど、慕ってもらえるよ

たしかに私は子どもを産まないことを選択した。それは、周りの人たちの人生に関わっていくという選択と同じように決められたものだ。多くの子どもたちがグリニスおばさんと呼んでくれ、慕ってくれる。子どもたちが描いてくれた額入りの似顔絵や、学校の集合写真のマグネットなどがその証だ。

私の一番古い友達と彼女の子どもたちがアパートの下の階に住んでいるのもラッキー。学校へ迎えにいったり、昼寝している子どもを起こしたりすることもある。甥っ子ふたりと姪っ子ひとりにも投資している。誕生日パーティやスポーツの試合には出席するし、FaceTimeで彼らに読み聞かせもしている。

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Image via Gettyimages

友人からも頼りにされているし……

リサーチで判明しているように、このような人間関係が人の幸せにつながるなら、親しい関係がたくさんある私は幸せだし、それに感謝もしている。多くの友人が、いつも1番だとは限らないけれど、1番目か2番目に緊急電話をかけてくるのが私だ(もし同時に複数かかってきたら、個人110番のように感じるだろうけど)。

友人が打ち明け話をする相手も私だし、ときには私が告白する方にもなる。日曜日のディナーに招かれたり、休暇の招待も引きを切らず。学校やサマーキャンプや病院の書類では緊急連絡先になっているし、学校の「(自分のものを持ってきてクラスメートに紹介する)シェアの日」の招待客リストにも載っている。これらの書類は取るに足らないかもしれないが、重要な人間関係とつながっているように、愛と感謝の人生を反映しているのだ。

つまり、十分幸せなんです!

以前、大勢の人たちと比べて、私は全てを手に入れかけていると冗談を言ったことがあった。でも、それは正しくはない。「全て」というものは存在しないのだ。私が知っている他の女性たちと同じように、たくさん持ってもいるし、ほんの少ししか持っていない。独身であろうと結婚してようと、なんだろうと、女性が認めてもらうには、人生にふりかける特別なレモンジュースのように「夫」や「赤ちゃん」のような言葉を必要としない時がくるのを楽しみにしている。

でも、それさえも変わりつつある。先日、姪っ子に言われた。「私、おばさんみたいになりたい、グリニスおばさん! 独身で子どももいらない」。姪っ子は7歳だから、私が自分で望んだ人生を送っているんだと説得する必要はいまのところない。

とにかく自分の持っているものを楽しむことを覚えた。レストランからの残りものでさえも。

あの宿命的なディナーの翌朝、私は冷蔵庫からテイクアウトのステーキを出して、フライパンに卵を落として、享楽的な朝食を楽しんだ。ステーキをゲットして、かつ食べることだってできる(40代、独身、子どもなしだって幸せな)人生を私は送っていると言っていい、そう思うのだ。

© 2018 New York Times News Service[I’m in My 40s, Child-Free and Happy. Why Won’t Anyone Believe Me? /執筆:Glynnis MacNicol](翻訳:ぬえよしこ)

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