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ホテルよりいいかも。摩天楼のぞむグラマラスなキャンプ

The New York Times

7月初めの週末、ニューヨークのガバナーズ島に新しくグランピング場がオープンした。「グランピング」とは、「グラマラスなキャンプ」のことだ。

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「コレクティブ・リトリート」が運営するニューヨーク、ガバナーズ島の高級キャンプ場。2018年6月29日撮影(Ramsay de Give/The New York Times)

夕方にはまだ、隣り合う音楽フェスの会場から大音量でハウスミュージックが聞こえていたが、夜9時半、音が鳴りやみ、ジャージーシティの向こう側に夕陽がどっぷりと沈むと、魔法が起きた。

ロウアーマンハッタンの無数の明かりが星座のように輝き、ライトアップされた自由の女神が、ほろ酔い加減のフェスティバル客たちが乗った最終便のフェリーに別れを告げた。島に残ったのは、グランピングを楽しむ「グランパー」たちだけ

ニューヨークで高級キャンプ

「ファンタスティックな眺めだ」とつぶやいたのは、ダモン・ウィルモットさん。家族4人でテント2棟を借りた。「ニューヨークでキャンプができるなんて素晴らしいよ」。ウィルモットさん一家はよくキャンプへ行くが、その度にキャンプ用品をまとめて車で出かけるのに、かえってストレスを感じたりもしていた。ここ、ガバナーズ島のキャンプ場ならば、マンハッタンからフェリーでわずか8分。荷物を下ろして携帯の電源を切るだけで、「遠く離れた気分になるね」と満足げだ。

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ニューヨーク、ガバナーズ島の高級キャンプ場から、沈む夕日を眺める。2018年6月29日撮影(Ramsay de Give/The New York Times)

客の大半は、ニューヨーク市民

ガバナーズ島南端のキャンプ場は、高級リゾート会社「コレクティブ・リトリート(Collective Retreats)」が運営している。40棟近くあるテントの宿泊料は、一泊220~650ドル(約2万5,000~7万3,000円)。平日だと75ドル(約8,500円)と手頃な日もあるが、混みあう日は最高850ドル(9万5,000円)まで上がる。

キャンパーたちはバーベキュー用の炉でマシュマロを焼いたり、常設ロッジで120ドル(約1万4,000円)のプリフィクスディナーを楽しんだり。さらに夜が更けると、一つひとつ明かりが灯った円錐形のテントが、白く浮かび上がる。キャンパーたちが潜りこんでいくのは寝袋ではなく、テントに備え付けのベッドだ。宿泊客は大家族からレズビアン・カップルまで様々だが、ニューヨーク市民が大半だという。

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ニューヨークの高級キャンプ場の中心地、ガバナーズ島へ向かうフェリーへ乗り込む人々。2018年6月29日撮影(Ramsay de Give/The New York Times)

「ひとり」になれる場所を探して

「普段なら訪れない、この街の一部を開拓するのは楽しいね」と言うドーン・フッドさんは、キャンプ初体験。「いつでも何か新しいことを探しているんだ」。ニューヨーカーにとって新しいものとは、単なる自然、なのかもしれない。

とはいえ、鳥のさえずりや波の音が聞こえても、ここはマンハッタンの外れだ。スタテン島フェリーが15分おきに行き交い、ニューアーク国際空港に向かって次々に旅客機が舞い降りるのだから、完全な自然ではない。それでも、フッドさんにとっては十分、「ひとり」になれる場所だ。コンピューターだらけの生活、大混雑の道路や地下鉄、職場の上司、国の政治……そういったストレスフルな毎日から逃げ出す方法を、ニューヨーカーたちは探している。

ベッドがあるから、キャンプも安心

全米でもキャンプはブームだ。ある統計によると一昨年から昨年にかけて、キャンプをした家族は260万世帯増えている。特にミレニアル世代では9割以上が今年キャンプをしてみたいと答え、しかも「グランピング」に惹かれているという。

ニューヨークでも、5年前にはキャンプをしたことがないと答えていたような人たちが、このブームに乗っている。テントを自分で張る必要がなく、快適なベッドがある「グランピング」がその主役だ。

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「コレクティブ・リトリート」が運営するニューヨーク、ガバナーズ島の高級キャンプ場のテント内部。2018年6月29日撮影(Ramsay de Give/The New York Times)

キャンプ場予約アプリだってある

都市での生活からアウトドアライフへ、できる限り「シームレス」な旅を提供しようとする企業が最近、ニューヨークに続々と登場している。共通しているのは、快適な宿泊施設を用意し、インドア派の人々をアウトドア志向に鞍替えさせているところだ。

例えば、元投資銀行家のマイク・ダゴスティーノ氏が3年前に立ち上げた、キャンプ場検索・予約アプリ「テンター(Tentrr)」。キャンプ場を探している人が、好みの条件(ハイキングができる、見晴しがいい、森がいい、釣りができる、など)を入力すると、マッチする候補地が現われる。同社広報によると想定ユーザーは、「キャンプ用品を持参したくないし、どこへ行ったらいいか見当もつかないけれど、素晴らしいキャンプを体験したい」、ニューヨークのアパートメント住民だという。

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「コレクティブ・リトリート」が運営するニューヨーク、ガバナーズ島の高級キャンプ場から見える「自由の女神」。2018年6月29日撮影(Ramsay de Give/The New York Times)

キャンプが初めて? ウエルカムです!

テンターが紹介しているキャンプ場は、米北東部の計500カ所。多くは経営に苦労している農園が副収入源として提供している私有地で、予約1件につき、同社が20%の手数料を得る。ダゴスティーノ氏によると、ユーザーの半数近くはキャンプ未経験者だが、ベテランキャンパーの予約もある。

テンター系列のキャンプ場のテントは、地面よりも高くしたプラットフォームの上に設置され、ブラジル風のハードウッドテーブルやベンチといった家具、焚き火台、冷蔵庫など一式が備わっている。24時間利用できるカスタマーサービスがあり、宿泊料は1泊144ドル(約1万6,000円)だ。

訪れていたブルックリン在住のケビン・シモンソンさんは、デジタルマーケティング会社を経営しつつ、バックカントリー・キャンピングのエキスパートでもある。けれど、ガールフレンドのケイティー・カプラーさんは、キャンプをしたことがなかった。いきなりディープなキャンプで彼女を怖がらせたくないと思ったケビンさんは、「練習用に」テンターのキャンプ場を申し込んだ。散歩のひもから放したことがなかったという愛犬も一緒に、これまでに3回利用している。

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ニューヨークのアウトドア用品ブティック、「ハチェット・アウトドア・サプライ」。2018年6月28日撮影(Ramsay de Give/The New York Times)

脱出したいエリートが始めた山小屋チェーン

ハーバード・ビジネススクール卒業生のジョン・スタッフ氏は、ボストンでインターネット関連の会社を起業したが、多忙すぎる毎日にへきえきしていた。「都会にいることにも、Eメールにも、友人関係にも、何もかもに疲れてうんざりしていたんだ」。友人と2人で「脱出先」を探した。

「燃え尽きてしまった僕たちは、自然がある場所を求めていた。でも、遠くへ旅行するほど休暇を取るわけにはいかないので、どこか森の中に山小屋(キャビン)を建てたらいいんじゃないかと思ったんだ」。スタッフ氏が生まれ育ったミネソタ州では、キャビンはどこにでもあった。だから、まさかこれが新しいビジネス・コンセプトになるとは思いもしなかった。

心配事があるなら、森に逃げこめばOK

スタッフ氏のスタートアップ会社「ゲッタウェイ(Getaway)」のモダンなワンルーム・キャビンには、快適なベッドや暖炉から、備蓄食品や携帯電話用のロックボックスまで揃っている。キャンプファイヤーの火おこしもスタッフが教えてくれる。同社では現在、ニューヨーク、ボストン、ワシントンの郊外に計72棟のキャビンを所有している。

ゲッタウェイのキャビンに最近、仕事に疲れ切ったというカップルが宿泊していった。そして2日間の滞在中、心配事から逃れることができたという感謝の手紙が、スタッフ氏の元に届いた。「僕たちに問題を解決することはできないし、そんなふりもできない。でも、文字通りパラシュートのひもを引いて森の中へ逃げ込めば、何も考える必要はなくなるんだ」。

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ニューヨークの「ゲッタウェイ」の創設者、ジョン・スタッフ氏。2018年6月28日撮影(Ramsay de Give/The New York Times)

最終的に「家に帰る」もアリです

ニューヨーク・スタテン島にある軍事史跡「フォート・ワズワース」では、2012年からキャンプ利用を許可している。1泊30ドル(約3,500円)で、手ごろな宿泊場所を探している外国人観光客や、キャンプ初心者のニューヨークっ子に人気だ。

「地元っ子がたくさん来る」と、国立公園のスタテン島担当、ブライアン・フィーニー氏は言う。「こんな風に言った女性がいました。『キャンプは今回初めてなので、うまくいかなかったら、今晩は家に帰るわ』」。遠くマンハッタンのスカイラインが見えるニューヨーク港を眺めながら、フィーニー氏は肩をすくめた。「ヨセミテだったら、そうはいきませんね」

c 2018 The New York Times News Service[原文:The Rise of the Stressed-Out Urban Camper/執筆:Helene Stapinski](抄訳:Tomoko.A)

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