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「カリフラワー・ライス」って何ですか?

The New York Times

小麦などに含まれるタンパク質「グルテン」を分解しきれない「セリアック病」を患う2人の息子のいる、マーケティング担当エグゼクティブのゲイル・ベッカー氏(ロサンゼルス在住)は、子供たちが食べることのできる、「グルテンフリーのピザ」をずっと探し求めていましたが、これというものに出会うことができませんでした。

そこで数年前、小麦粉の代わりにカリフラワーを使ったクラスト生地を使い、手作りし始めました。ピザは息子たちのお気に入りメニューとなり、2016年、ベッカー氏はとうとう仕事を辞めて、カリフラワー原料の冷凍ピザとベーキングミックスを販売する会社Caulipower(カリパワー)を立ち上げました。

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カリフラワー・クラストのピザ(Image via Shutterstock)

カリフラワーピザが大ヒット!

カリフラワーピザは発売早々にヒット商品となり、彼女も予想できないほどのスピードで売上は伸びていきました。今やCaulipower社は、全米各地のホールフーズ、ウォルマート、セイフウェイ、クローガーをはじめとするスーパーマーケット・チェーンの約9000店舗で製品が販売される、数百万ドル規模のブランドに成長しました

「ブランドを立ち上げた時、どうしても譲れなかったのは、“cauliflower”であることがわかるブランド名にすることでした。カリフラワーの素晴らしさを讃えたいと思ったからです」

グルテンフリーや低糖質ブームが人気を後押し

米国では、グルテンフリーや糖質制限食、プラントベース(植物性由来の食生活)などの食生活を取り入れる健康意識の高い人が増えています。企業は、小麦や米などの炭水化物を「野菜」で代用する手法で、こうした需要を取り込もうとしています。

野菜のなかで、今、消費者の注目を集めているのが、マイルドな風味でさまざまな料理に合うカリフラワーです。ソーシャルメディア上には、ピザ、マフィン、マッシュド・カリフラワー、ニョッキ、キャセロールからチョコレートブラウニーまで、カリフラワーを使った多彩なレシピが掲載されています。

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Image via Shutterstock

なかでも一番ポピュラーな食べ方は、米粒のように細かくカットされたカリフラワーのライス代用品です。調査会社のニールセンによると、コメやパスタなどの炭水化物を野菜で代用した製品の販売額は、今年、合計で4700万ドルに達しましたが、とりわけ、カリフラワーによる代用品は過去1年間で1700万ドルに倍増しました。どうしてこんなに人気があるのでしょうか。

理由1:低カロリー、低糖質、高繊維

栄養学のエキスパートであり、ウェルネスのトレンドのコンサルティングを行うtheHAUTEbar創業者であるヘザー・スミス氏は、カリフラワーが「野菜のセレブ」のステータスに達した理由は、その栄養成分にあると言います。白米100グラムは熱量150カロリー、炭水化物34グラム、食物繊維1グラムであるのに対し、同じ分量のカリフラワー・ライスの場合、熱量は25カロリー、炭水化物は5グラムに激減し、その一方で白米の3倍量の食物繊維を摂取することができます

理由2:癖がないので、料理を選ばない

また、カリフラワーが他の食材の味を吸収する点を高く評価する人もいます。ニューヨークの登録食事療法士アリックス・トゥロフ氏もその1人です。カリフラワー・ライスは、特にソースの多い料理と相性が良いため、カレー、炒め物、チリなどの味と組み合わせてクライアントに提案しています。寿司やピーマンのライス詰め、タコボウルなどの料理にも白米の代わりにカリフラワー・ライスを使う人もいるそうです。

「カリフラワー・ライスの登場で、ますますクリエイティブなレシピ作りができるようになっています。毎日の食事でたっぷり野菜を摂ることができる、素晴らしいアイデアです」

理由3:ベジタリアン、ビーガン…多様な「食の主義」のニーズ

食品業界の専門家は、カリフラワー・ライス流行の背景に、プラントベースからパレオ(野草や野生動物を中心とした食生活)まで、さまざまな食の主義を実践する人々のニーズがあることを指摘しています。彼らの多くが菜食中心の食生活を送り、かつ、「クリーンラベル」(体に良くない原材料を使っていないクリーンな、成分が消費者にわかりやすく表示された食品)の食品や、砂糖や塩、人口甘味料などの添加物や、精製・合成・遺伝子組み換え成分をできるだけ使わない食品を探し求めています。

食品大手も野菜代用ビジネスに新規参入

実は、こうした野菜を使った代用品の多くは、ライスの場合、フードプロセッサーやライサー(ポテトなどを米粒状にカットするツール)を、ヌードルの場合、スパイラライザーなどのキッチンツールを使えば自分で作ることもできます。それでも、洗ったり切ったりする手間や、汚れたキッチンの後片付けを考えると、あらかじめ切ってパック詰めされた製品があれば便利です。ここにビジネスチャンスをみて、参入する企業が相次いでいます。

その一つが、100年以上の歴史を持つ食品大手グリーンジャイアント社です。1月に、冷凍野菜ヌードルのシリーズ「ベジー・スパイラル」(ズッキーニ、ニンジン、ビート、バターナッツスクワッシュの4種類)を発売しました。また、米粒状に細かくカットしたライス状野菜シリーズ「ライスト・ベジー」(カリフラワー、ブロッコリー、コールラビなどの10種類)も発売しています。

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ズッキーニのヌードル(Image via Shutterstock)

1日10万株収穫のビッグ・ビジネスに

2016年後半に同社がカリフラワー・ライスを発売した時、収穫面積は週当たり5エーカーでしたが、現在、収穫面積はその6倍の30エーカーに増えています。これは、1日当たり10万株以上のカリフラワーに相当します。カリフラワー製品は、今、同社の売れ筋商品の一つになっています。

同社ジョーダン・グリーンバーグ副社長兼ジェネラル・マネージャーは、「炭水化物や体に良くないサイドディッシュに替えて、毎日の食事で野菜をたっぷり摂ることのできる機会を消費者に提供することでした」と当初からの事業目標について語っています。

一方、全米で450店以上を展開する高級食品スーパー、トレーダー・ジョーズが2017年、カリフラワー・ライスの自社ブランドを発売したところ即完売し、一部店舗では1人2個までの購入制限が設けられたとのこと。ほかにも、ホールフーズや食品ブランドのバーズアイ、カスカディアンファームも、カリフラワー・ライスが自社ブランドを立ち上げ、市場に参入しました。

「コメもどき」を「ライス」と呼ばないで

しかし、こうした代用ライス人気に猛反発しているのが、年間340億ドル規模のコメ産業です。現在、アーカンソー、カリフォルニア、ルイジアナ、テキサスを含む米生産州6州のコメ業界と連邦議会議員10名は、消費者を誤解させ、混乱させているとして、「コメもどき」にライスの名称を付けることを禁止する規制の導入を求めています。

議員らは2月に、米食品医薬品局(FDA)に対し、コメ製品の正式な定義を「コメかワイルドライスを含有または由来する製品のみ」と見直すよう求める書簡を送付しました。

書簡では「コメとは穀物であり、ライスに似せて加工された野菜ではない。消費者にコメもどき製品を選ぶ権利があることは認識しているが、この選択が間違った情報に基づいて行われることがあってはならない」との意見が表明されました。

米国では、乳製品業界も2017年より、植物性由来のチーズやミルク(アーモンドミルクなど)を販売するメーカーとの争いを開始しており、コメ業界と同様の戦略を展開しています。

© 2018 The New York Times News Service[原文:The Ascension of Cauliflower/執筆:Anahad O’Connor](抄訳:Ikuko.T)

Caulipower, グリーンジャイアント, トレーダー・ジョーズ, ホールフーズ, バーズアイ, カスカディアンファーム

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